60:活動報告③「希望・絶望・救い」
Bonjour!
まずはこちらをお読みください。
○活動3クラス目
・2024年3月4日〜27日
・3年生:在籍65人+先生1人
問題①2+1=3 ②1+8=9の正解率が下がったのは、最初のテストの時に先生が不在でカンニングし放題の環境だったからだと分析しました。
そうでなくても狭い机+カンニング=悪という認識が子どもたちにないので、不正行為を防ぐことはかなり難しいのが現状です…。
学校巡回時に出会ったこのクラスの先生の第一印象はとても良かったです。他のクラスより教え方が上手いし、私に対してとても好意的だったので活動させてもらうことに決めました。
「希望」
初日に先生が教室にいなかったものの…2日目以降に私が授業をした際、お願いをしていないのに先生が授業を手伝ってくれました。
他の活動クラスでは私が授業をしている=休憩だと認識されていたのでとても嬉しかったです。この先生なら私の活動を引き継いでくれるかも?と期待が膨らみました。
「絶望」
喜んだのも束の間、4日目辺りから先生が「疲れたから今日授業しない」と言うようになりました。算数の授業は1時間半あるので、一人で無理やりなんとかこなす日々。
絶望の決め手は「今日から旅行だからあとよろしくね」という先生の言葉。その日の夕方に任地で会ったので、本当に出かけたのかはいまだに不明です。「私が教室にいる=働かなくてよい」と勘違いしているのかもしれません。
配属先(教育委員会)の上司に相談しても「仕方ない」で終了。教育関係者はみんな敵。
子どもたちは、「私が体罰をしない大人」だと知っています。体罰で支配されている子どもたちは、「怒られるから静かにする」という誤った認識をしているため、私が厳しいことを言っても全く言うことを聞いてくれません。叫ぶ・走るなど完全に学級崩壊です。
なので静かにさせるのではなく、「いかに興味を惹きつけられるか」で勝負しました。ずっと算数の授業をしていてもお互いしんどいので、ボディーパーカッションや日本の歌(頭肩膝ポン!が人気♩)を取り入れながら一斉指導をしていました。
しかし、子どもたちにも先生にも「私が教室にいることが当たり前」と思って欲しくないので、あえて数日学校に行かない日を作ったりもしました。
また、全国テストの際は、先生がテストの答えを黒板に書き、それを写すよう指示していました。普段絶対しない机間指導をし、全員が正しい答えを書けたか確認。どこの学校でも見かける光景なので、もう驚きません…。
ベナンではテストの結果=学校と先生の評価になるので、先生たちの不正行為が当たり前に行われています。
配属先に尋ねると「それはいけない」と言いつつ、「暗黙の了解」という対応で終わりました。本当みんな敵(本記事2度目)。
「救い」
先生にも配属先にも一切の希望捨てた私。
最初は学級崩壊状態でしたが「うるさくなったら今日は宿題配らないよ」と言うと「静かにするから配って!」と声を揃えて言う子どもたち。
次第に信頼関係ができ、言うことを聞ける子も増えてきました。
先生は来ないし、来ても全然働かない。
「勉強したい!」「算数を教えてほしい!」という言動が切なく、「この子達のためにもっと頑張ろう」と思いました。
「なおありがとう」
「明日も学校来てね」
「お金あげる!コピー代かかるでしょ?」(もちろん受け取っていません)
日本にいてもベナンにいても子どもたちに救われてばかり。
私の最終目標は「現地の先生たちに活動を引き継いでもらうこと」ですが、「目の前の子どもたちが変わっているならいいか」と思うほどです(JICAに同じことを言ったら「まだ諦めるな」と言われましたが)。
また、よく買うジュース屋さんが今のクラスの子の家だったことから、家庭教師を始めました。
保護者からは「先生はいつも働かない。本当に良くない。でもなおが来てくれて助かっている。」と言われました。
私の活動は自分が思っている以上にいろんな人に求められているのかも。嬉しいし、ありがたい限りです。
基本1クラス2週間しか活動しませんが、先生が出勤せず子どもたちは放置されているので、春休みまでこのクラスで活動します。
今のクラスの子どもたちが好きなので、頑張ります。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?