そらまめ

noteはじめました。続けられるかな。色々やってみたいです。

そらまめ

noteはじめました。続けられるかな。色々やってみたいです。

マガジン

  • フォント屋”蚕豆堂”

    いらっしゃいませ! 個人利用、商業利用問わずお使いいただけるフォントデータを公開・販売しております。 基本的に、新作フォントは1週間、無料で公開したのち、有料での公開に切り替えます。 気になる作品がございましたら、お早目にお試しください……!

  • アウトサイド ヒーローズ

    ポストアポカリプス・サイバーパンク・ローカルヒーローSF活劇小説シリーズです。 1話完結のエピソードを掲載していきます。

  • ガリバー"法螺吹き"男爵の冒険

    毎日更新中の創作SF小説を一部加筆修正し、「まとめ読み版」としました。ご覧ください。

  • アウトサイド ヒーロー

    文明崩壊世界でヒーローが頑張る話です。 全4章構成です。 第1章 「ライジング」 第2章 「フォロウィング」 第3章 「イヴェント」 第4章(最終章) 「ピリオド」 そして 「アウトロダクション(エピローグ)」 「リ・イントロダクション(補遺、あるいは再導入)」 を公開し、完結しました。(7/26, 2021) よろしくお願いします。

最近の記事

オリジナルフォントを無料配布します

商業利用、個人利用問わずお使いいただけるフォント、"Popper Doppel"のデータを無料で配布いたします。(無料配布期限:次回更新まで) 利用上の注意事項は、添付の"readme"ファイルをご参照ください。

    • オリジナルフォントを無料配布します

      商業利用、個人利用問わずお使いいただけるフォント、"Bounding Balls"のデータを無料で配布いたします。(無料配布期限:次回更新まで) 利用上の注意事項は、添付の"readme"ファイルをご参照ください。

      • アウトサイド ヒーローズ;エピソード15-7

        ファザー、ファインディング アウト イン ロスト メモリーズ  老記者は、探偵と助手に深々と頭を下げる。 「私がやりたかった……いや、違うな、あきらめようとしていたことを思い出させてくれて、ありがとうございます。それに、気がかりだったその後の事を教えてくださって、ありがとう」 「そんな、顔を上げてください!」  キリシマが大いに恐縮して返した。 「他のところでは知ることができなかった当時のことを丁寧に話してくださって、こちらの方がありがたい限りですよ。……それに、あ

        • アウトサイド ヒーローズ;エピソード15-6

          ファザー、ファインディング アウト イン ロスト メモリーズ  通された会議室は資料室も兼ねているようで、部屋の隅には無造作に積まれた段ボールの山と、書類ファイルが乱雑に突っ込まれた柱型の書棚がいくつか並んで立っている。 「“フリークスサイダー事件”で、生き残った娘さんからの依頼だとお聞きしましたが」  探偵と助手が自らの正面に腰掛けるなり、老記者はずばりと切り出した。 「よろしければお聞かせいただきたいのですが……彼女は今、どうしてますか?」  見開いた両目が、強

        オリジナルフォントを無料配布します

        マガジン

        • フォント屋”蚕豆堂”
          6本
        • アウトサイド ヒーローズ
          200本
        • ガリバー"法螺吹き"男爵の冒険
          7本
        • アウトサイド ヒーロー
          26本

        記事

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード15-5

          ファザー、ファインディング アウト イン ロスト メモリーズ  翌日。探偵と助手――あるいは、派手なスーツのチンピラとスカジャンの不良娘――は、連れ立ってオフィス街を歩き回っていた。 「昨日調べた通り、20年前の事件について記事を出した新聞社や出版社は、残り4つだ」  ビルとビルの谷間、無骨なベンチとわずかな緑に彩られた休憩スペースで立ち止まると、探偵がメモ帳を見ながら言う。助手は仁王立ちになり、腕を組んで話を聞いていた。 「けど、昨日みたいに会社が潰れてる可能性は?

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード15-5

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード15-4

          ファザー、ファインディング アウト イン ロスト メモリーズ  探偵が調べ上げた資料に全て目を通すと、新人助手は深く息を吐き出した。 「ふう……」 「おっ、読み終わったか」  資料室を管理する老人と談笑していた探偵が、助手の背中に声をかける。 「それじゃあ、次いくぞ」 「次?」  ユウキが立ち上がって振り返ると、キリシマは資料をダウンロードしたメモリチップを、メイン・コンピューターから抜き取っていた。 「手がかりは手に入った。後は、足を使って稼ぐのさ。……んじ

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード15-4

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード15-3

          ファザー、ファインディング アウト イン ロスト メモリーズ  軍警察本庁の真っ白い廊下を歩くキリシマとユウキ。探偵はすれ違う職員たちから警戒心に満ちた視線を向けられながらもポケットに両手を突っ込み、どこ吹く風で歩いていく。 「一体、何やらかしたの?」  後ろを歩いていた助手が、隣に追いついて探偵に尋ねる。一方でこの不良娘は何故か、全く気にも留められないのだが……  探偵は気障っぽく顔をしかめて首をすくめた。 「探偵ってのは、お上から嫌われるのも仕事のうちだぜ? ま、

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード15-3

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード15-2

          ファザー、ファインディング アウト イン ロスト メモリーズ 「私と兄は、どちらもミュータントです。実の父は、私が生まれたすぐ後、母と私たちきょうだいを捨てた……そう、聞いています」  依頼人……“アオ”と名乗ったミュータントの娘は、淡々と話し始める。 「その後、母も亡くなりました。私と兄はナカツガワの……保安官に引き取られて育てられました」 「ああ、あなたが、あの!」  キリシマ探偵は思わず膝を叩いて声を上げ……きょとんとしている娘の顔を見て、「こほん!」とわざと

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード15-2

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード15-1

          ファザー、ファインディング アウト イン ロスト メモリーズ  ここで一旦、舞台は城塞都市、カガミハラ・フォート・サイトへと移る。  レンジたちが晩春のナゴヤ・セントラル・サイトにやって来た頃へと、時は遡る。  山あいの町に、青葉の香りをまとい始めた風が吹く。昼下がりのカガミハラ・フォート・サイト、繁華街の第4地区。まだ人もまばらな時間帯の、さらに人通りの少ない路地の片隅。ランチタイム営業中のミュータント・バー“止まり木”には、ゆったりと空気が流れていた。  ピアニストが

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード15-1

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード14-21(エピローグ)

          ティアーズ オブ フェイスレス キラー  ぴちょん、ぴちょん。  真っ暗闇の中、どこかで水滴が床を叩いている。携帯端末の画面から放たれる青白い光が、周囲に張り巡らされたパイプをぼんやりと浮かび上がらせている。  小さな足音と乱れた呼吸が二人分、曲がりくねった細い道を進んでいた。 「……ねえ、まだ着かないの、アキちゃん?」 「わかんない……けど、きっともうちょっとだよ。がんばって、リンちゃん!」 「暗いし狭いし、怖いよう! 大丈夫かなあ、帰れなくなったりしない……?」

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード14-21(エピローグ)

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード14-20

          ティアーズ オブ フェイスレス キラー 「ふひっ! ふひっ! はあっ、はあっ、はあっ……!」  小太りの男は引きつった笑い声のような乱れた息を吐き出しながら、床に散乱する有象無象のがらくたを両手でかき分けている。その様相は、地中に埋めておいた食糧を死に物狂いで掘り出す、飢えた獣のようだった。 「シドウ常務!」  盾の壁から顔を出して室内を窺っていた警備員が叫ぶと、メカヘッドも頭を上げる。 「あれが……?」 「ふは! はははははは!」  警備員から呼びかけられた声

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード14-20

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード14-19

          ティアーズ オブ フェイスレス キラー  レンジが音声コマンドを叫びながらレバーを引き下げると、ベルトからストリングスとギターの旋律が響き渡った。 「OK, Ensemble-Gear, setting up」  腕輪になったナイチンゲールがレンジに応えると、ベルトから白い電光が迸った。 「Shhhh……!」  “マスカレード”は唸り、地を蹴って走り出した。叫び声をあげながら、レンジめがけて拳を振り上げる。 「AAAaaaaah!」  サイバーウェアによって限界

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード14-19

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード14-18

          ティアーズ オブ フェイスレス キラー  “イセワン重工”の社屋前に、回転灯をつけたスポーツカーと大型バイクが停まる。  車から飛びおりた二つの人影が建物に侵入しようとした時、城壁のような“イセワン重工”の社屋から警備員たちが駆け出してきた。 「とまってください! そこの二人、とまってください!」  警備員のリーダーらしき男が、叫びながら近づいてくる。まさに会社の敷地に入ろうとする一歩手前で、メカヘッドは立ち止まった。 「いやー、すみませんねえ、そこから先は私有地です

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード14-18

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード14-17

          ティアーズ オブ フェイスレス キラー  普段、人が立ち入ることもなく、換気も足りていない資料庫の中。埃をまとった古い紙の香りが、人ひとり分の体温と吐息の熱に蒸されて鼻腔に広がる。ノート型端末機の画面が放つ薄青い光が、空中に浮かぶ埃を白く浮かび上がらせた。  棚と棚の谷間、人一人収まるほどの隙間。重い金属製の金庫に背中を預けて座り込み、レンジはノート型端末機の画面を見つめていた。 「『その……良いのか、本当に?』」  くぐもったエフェクトがかかったような、老人の声。動画

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード14-17

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード14-16

          ティアーズ オブ フェイスレス キラー  サイバネ義体の傭兵、イクシスは“X”と“Y”を象ったアイ・バイザーを赤く光らせて、オレンジ色の魔法少女を見つめていた。そして、不機嫌そうに人工声帯を「フン」と鳴らす。 「断る。……"ストライカー雷電"には既に言っているはずだが?」 「でも、"マスカレード"が何をしてくるかわからないし、2人がかりでやった方が確実なんじゃ」 「私の仕事は"マスカレード"を始末することだ。お前たちとは違う」  食い下がるマギランタンを、一言ですぱ

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード14-16

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード14-15

          ティアーズ オブ フェイスレス キラー 「フン……?」  イクシスは考え込むように声を漏らした。  指先まで意識が繋がるまで、どうしてもコンマゼロゼロ秒単位でラグが起こる。性能を追求し過ぎたせいか……あるいは、装具技師の腕か。  それ以外にも不満ばかりだが……仕方あるまい。ここから先は使用者の腕だ。せいぜい、私なりのやり方で使いこなしてみせよう。  調子を確かめた後、新しい両腕に視線を落とすサイバネ義体の傭兵に、背中を丸めた小男がにじり寄って来た。 「い、いかがですか、

          アウトサイド ヒーローズ;エピソード14-15