見出し画像

意志力に頼らない (ランの継続。生涯学習の継続。)

強い意志、は大事です。けれどそれを長続きさせることは困難です。「意志の力だけに頼らないことも大事」と、とあるPodcastで聴きました。ランニングの継続に通じる点も多いと感じました。(今読んでいるLifeShift2も関連する箇所があったので、学習の継続という視点でも書いてます)

継続する力


「CHASING LIFE」はアメリカCNNのPodcastで医師・科学者・心理学者、、などが日常生活に役立つTIPSを説明してくれている番組です。この回のテーマは「The Science of Grit」。「やり抜く力・継続する力、を科学する」という感じでしょうか。

Angela Duckworthという心理学者・大学教授が「偉大な結果を残す人は何をしているのか(例:アスリート・シェフ・ミュージシャン等)」ということを語っています。

その中で特に響いた内容を抜粋します。トップアスリートのような一部の人だけでなく、我々のように「週に2回走りたい」「英語の勉強を続けたい」というささやかな継続にも役に立つと思いました。

体力と同じで、意志力も有限

体力と同様に意思の力も有限です。強い意思で行動する、ことは必要であり大切ですが、それを毎日することはできません。決断や行動をするたびに意志の力を少し使います。意思の力も限りがある、使い果たさないようにすこし気を使いましょう。使い果たすと燃え尽きてしまいます。

何かをするときに意志の力だけに頼ると、1度や2度ならできるかもしれませんが、それを1カ月、1年と続けていくことは難しい。これを仕組みでサポートしよう、という点がこのPodcastで語られてました。

これをランや学習に当てはめるとどうなのか、というのを私の解釈も含めて書いていきます。

意志の力を節約する(ランニング)

例えば「週末の朝は走らなきゃ」と決めたとします。早朝起きて、寒い中で眠い目をこすりながら走る準備をする時間が30分。その時間は「走りたくないけど走らなきゃ」という気持ちの逡巡・迷いが起きやすい。

強い意志があれば、振り切って走り出せます。けれどそれは意志の力を消費してます。1−2ヶ月はできるかもしれないが1年3年と続けられるか? 意志の力が枯渇すれば、継続は途絶えます。これを仕組みでサポートし、意志の力を節約するためには、と考えてみました。

「迷う時間」を減らす。


準備に30分かけて、その間に「いやだけど走らなきゃ、でもやめたい、、」と逡巡をしていたら意志力を消費します。悩む時間を減らして意志力を節約しましょう。

例えば、前日に走る準備をしておくことで、準備の時間は15分にできるかもしれません。逡巡する時間が減り意思力も節約できます。(例;ウェアを揃えておく、シューズを玄関に置いておく、走る前に食べるものを机に出しておく)

→私も朝起きてから走り出すまでは超憂鬱です(特に冬)。今もこのやり方でなんとか続いてます。詳細は以下記事もご覧ください。


手帳やカレンダーに「走る」と書く


「書く」と考えが明確になることありませんか?
どんなに曖昧で弱い考えでも書くと視覚化されます。そして自分がそれを見ることでさらに考えが整理されたり決意が新たになる。「書く→見る」というサイクルが回るからだと思います。

そして、書くという行為は小さなコミット(約束・誓い)であり、意志力を増やすことにつながります。書かずに心の中でコミットもできますが、、書くことによってより視覚化具体化されてよりはっきりとします。

そして「自分が(わざわざ書いてまで)明示的にコミットしたことを破る」というのは意外とやりにくいものです。

予定通り走れたときには「事前にコミットしたことをやり遂げた」という安堵感と自信がつきます。自己効力感が高まり良いサイクルが回り継続に弾みがつきます。自分はできる、と。

→私はマラソン向けのトレーニング時にこれをやりました。きつくてやめそうになった頃、1カ月分の走る予定(日付・距離・ペース)を書き込み、それに沿って淡々と走りました。全てをはできませんでしたが、できるだけ守ろうといういう意志力は増えたと思います。おかげで目標どおりのレースができました。

意志の力を節約する(学習・仕事)

このPodcastによると、学習についてもより長い継続のためには、意志の力だけに頼らない工夫が必要だそうです。

人生100年時代の学習


少し逸れますが、学習の大切さを感じた背景を補足するために、今読んでいるLifeShift2から印象に残った箇所を引用します(一部調整・要約)

人生100年時代ではこれまでの3ステージ制「学習(学生)→労働(現役)→余暇(引退)」のような明確な切り替わりはなくなる。マルチステージ、と呼ばれる、学習・労働・余暇が一生涯に渡りミックスされた生き方、が必要になる。

Lifeshift 2

長い人生・VUCA(不確実)な世の中、で自分のスキルや知識を継続的にUpdateしていくための学習、という視点ではその必要性は実感として理解できます。今の知識やスキルは10・20年後にはそのまま使えないでしょう。

なので、30、40、50、60、70歳になっても学習する、ことがこれからは必要になりそうです。大変そうですが楽しいかもしれません。 その時には意思力頼らないほうが継続できそうです。

学習においては、単に継続だけでなく、理解を伴う”深い継続”が必要。どうするのがよいか?

Focus:1つの事に1日2時間集中する

同時に複数のことをこなすマルチタスクは一見効率が良いように思われていますが、学習には向いていません。

A→Bへ頭を切り替え、再びB→Aに頭を戻す、というのはマルチタスクではなく「スイッチタスク」に過ぎず、スイッチするたびにその課題(AやB)を再び深い思考に入るための時間がかかります。
マルチタスクは複数のことをこなしているように見えるけど、どれも広く浅くになっており、長時間かけても良いアウトプットができない、という状態です。

ロンドン大学精神医学学科のチームは「Eメールや電話によって気を散らされたときビジネスパーソンのIQは低下しており、徹夜明けの数値とほぼ同等である」と発表しています。また別の研究チームによると、マルチタスクによって生産性は最大40%も下がるという結果もあります。

キャリアコンパス:https://ix-careercompass.jp/article/75/

では学習におけるマルチタスクはなんでしょうか?学習におけるA→Bとは?

A=学習、 B=スマホ(などの誘惑)

このPodcastでは”各領域のプロは「2−3時間の超集中時間」をしている”と語っています。

超集中とは、1つのことだけを連続する、という意味です。スマホをはじめとした外部の情報は全て遮断して。

「外部の情報を遮断する。スマホの誘惑に打ち勝つ」ことも意思力を多くつかいます。スマホがあれば触りたくなるのは現代人のサガです。

これも仕組みで工夫して意思力をサポートしようと語っています。
例えば、”隣の部屋にスマホを置いておく” ”高い棚の奥の方にスマホをしまう” ”家族に預かってもらう”などの事例が紹介されていました。
そんなことかよ、、と思いがちですが、実際にこれをやっている人少ないのでは。(私も今までやってませんでした)

この状態で2−3時間の集中時間を毎日持ち、学習や執筆を行うことで、より質の高いアウトプットができる、と語っています。
(人間は、本当に集中すると2−3時間以上は持たないそうです。浅く長い時間より短く全力投球、ということですね)

またその2−3時間を「自分のパワーレベルが高い時間帯に行う」ことを推奨しています。朝型の人は朝、夜型の人は夜、という意味です。

在宅勤務時の集中時間


これは仕事で同じで、在宅勤務が増えている今こそ、深く集中する時間を仕組みを工夫して作っていくことが必要と感じました。これから在宅勤務中はスマホは隣の部屋に置くことにしようと思います。

私は朝型なので、朝の2時間を大事な思考系の業務に充てています。企画作り、考えの整理、重要プレゼン資料作成等、一人で集中した方が良い仕事は朝にしてます。

ご参考:MicrosoftのM365ユーザであれば、以下のVIVAというサービスが使えます。「集中時間を自動でOutlook予定表に入れてくれる。しかもその時間は(Chat等の)通知がOFFになりDisturbされない」という便利なものです。

今回の記事を書いてみて、ランも学習も仕事も継続のための共通点があると思いました。共通点があるからこそ、同じような仕組みを横展開してサポートができることもわかりました。

このような工夫・仕組みもいれつつ、うまく続けていきたいですね。使えるものは使っていきましょう。

意志の力は「ここ一番!」という時に取っておきましょう。



いいなと思ったら応援しよう!

小池 中人/Nakato Koike
最後まで読んでいただきありがとうございます。好きボタン(ハートマーク)を押して頂けると励みになります。