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人間学群・教育学類新入生及びゼミ希望者へ(2024年度版)

本記事は,筑波大学人間学群・教育学類に新たに入学した学生や,大学・大学院で私のゼミを希望する方向けに書いたものになっています。新入生が入学後の授業を選択したり,学生が卒論や修論のためのゼミを選んだり,学外を含む大学院進学希望者が受験する大学院を検討したりする際など,折に触れて参照できることを目的としています。本記事は,毎年度の初めに最新の情報へと更新する予定です。

※2024年4月1日に 筑波大学 人間系 英語教育研究室のウェブサイトを公開しました。こちらも合わせてご覧ください。

人間学群・教育学類の新入生へ

はじめまして。筑波大学人間系教育学域の名畑目真吾(なはためしんご)と申します。主に教育学類の授業を担当しています。

私の専門は言語教育,特に外国語としての英語教育です。ですので,私が担当する授業では言語学習の理論や英語教育に関する諸問題,あるいはその研究方法などを扱っています。

ですが,新入生に初めて授業としてお目にかかるのは,1年生必修で秋学期に開講される「データサイエンス」授業の導入動画かもしれません。この授業では,初回に自分の興味・関心のある分野(学類)においてデータサイエンスがどのように活用されるかを説明した動画を視聴することになっているのですが,教育学類については私がこの動画の作成を担当しています。人間学群及び教育学類の学生は,データサイエンス受講の際はぜひこちらの動画をご覧頂くと良いかと思います。そのうえで,もしその内容に興味を持てたら,私が担当する授業を履修することを検討してください。ただし,それらの授業では必ずしも動画で扱ったトピックや内容を扱うわけではないことはご理解ください。(もちろん関連はしていますが)

標準履修年次が2年次以上(1年生の履修も可)の科目では,『言語教育論』(西暦偶数年度開講)と『子どもと外国語』(西暦奇数年度開講)という授業を担当しています。いずれも秋学期の開講で,上記の通り言語学習の理論や英語教育に関する諸問題,研究方法などを扱った授業になっていますので,ご興味のある方は履修を検討してください(詳細な授業内容はシラバスで確認してください)。教育学類開講の授業ですが,心理学類や障害科学類の学生も興味を持ってもらえる内容になっていると思います。例年,人文学類,比較文化学類,日本語・日本文化学類,国際総合学類など他学類の受講者も一定数います。また,初等(小学校)の教員免許を取得希望の学生が2年次に履修する『初等外国語』の授業も春学期に担当しています。

言語学習や英語教育に興味のある学生がいましたら,1年次からでも授業の履修前でも構いませんので,遠慮なくご連絡ください(問い合わせはこちらから)。これまでも,1年次からゼミに参加してくれている学生さんもいらっしゃいます。

(学外含む)ゼミ希望者へ

私の主要な研究テーマは,外国語としての英語によるリーディング (Reading in English as a Foreign Language) です。日本語を母語とする英語学習者が,英語で書かれた文章を読解する際のつまずきや困難,英文読解に熟達していく過程などに興味があります。これらの研究成果を英語の学習や指導,教材開発,評価などに生かすことを目指しています。

特に近年は,視線計測を活用した研究を積極的に行っています。以下は実際に私が収集したデータです。知識や技術を習得するのが非常に大変ですが,対象言語や分野を問わず視線計測を使った読解研究をしてみたいという学生は歓迎します。ご興味があれば,筑波大学新聞の取材を受けた時の記事や大学のポッドキャストでお話した内容をご参照ください。


また,最近は,同じ人間学群に属する心理学類や障害科学類を担当している先生たちと共同研究を進めています。そのため,心理測定やテスト理論,読み書き困難や聴覚障害・吃音などと英語学習の関連に興味がある方も歓迎いたします。

加えて,コンピューターツール・技術を使ったテキスト分析にも興味があります。詳しくは上記の「データサイエンス」授業の導入動画をご覧いただければと思いますが,このようなアプローチにより,リーディング教材の難易度評定や読解の認知負荷を予測することに挑戦しています。情報学や工学といった分野にも関連しますので,それらの分野が専門で教育に興味がある,あるいは教育が専門だけれどもそれらの分野に興味があるという学生も歓迎します。

近年書いた論文については以下で紹介していますので,興味がありそうなものがあればご一読ください。

研究のテーマや専門分野としては上記の通りですが,学生指導は必ずしも上記に関連するものでなくとも,英語教育・外国語教育に関わるものであれば広く受け入れます。以下は過去に指導した卒論・修論のテーマの一例です。

  • 英語学習者の音読に対する認識と読解の流暢さの関連

  • 留学生にとっての日本人英語学習者の発話の理解しやすさ

  • 英語学習者の話し言葉・書き言葉に現れる定型表現の特定

  • 教科書の言語的特徴から見た小中高外国語科の比較

  • 高等学校英語科教科書に現れる複数語単位の分析

  • 高等学校英語科教科書の難易度と言語的特徴の関係

  • 接辞を観点とした英文読解教材・テストの分析

  • 小学校外国語科における効果的なデータ駆動型学習の在り方

  • 小学校外国語科における自宅学習の在り方

  • 英語学習モバイルアプリのレビューコメントに対するテキストマイニング

また,直接の論文指導はできませんが,教育学類以外の学生もゼミには歓迎いたします。先に述べた同じ人間学群の心理学類,障害科学類はもちろん,言語系の人文学類,日本語・日本文化学類,英語と関連のある国際総合学類,比較文化学類,理系の工学システム学類,情報科学類の学生なども興味があれば,言語教育・英語教育を学ぶ場としてご参加ください。これまでも様々な学類から,ゼミへの参加者がありました。大学院についても同様です。学際的な研究を支援いたします

研究室訪問の場合は,事前にご連絡いただけるとスムーズです(連絡はこちらから)。また,大学院をご希望される方は,入試説明会にご参加されることを強くお勧めします。入試説明会の情報や大学院のポリシーや開講科目などはこちらから確認してください。

以上,ゼミや大学院選びの参考になれば幸いです。
                          (2023年4月5日)


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