オノマトペスケッチ

ふわふわ
ふわふわ

でも羽はバタバタ忙しなく動く

この蝶なのか蛾なのかわからない虫は
なんのためにここでパタパタ羽ばたいているのだろうか

ふわふわも
バダバタも
パタパタも
どこで誰が考えたオノマトペか

私は蝶をスケッチする
いや、蛾かもしれないがとにかくその虫をスケッチする

キュッキュッ
ケシケシ
絵は完成に向かう

忙しなく動く羽は、私に柄を描く暇も与えてくれない
むしろ私が描いていることを分かっているようにも思えて

なんだか悔しいな

だからといって何か出来るわけではないんだけれど

ケシケシ
キュッキュッ
サッサッ
パタパタ
絵は完成する。

書き終えたのは30分後。
私は家に帰る。

ガチャガチャ
バタンッ

おかえりと迎える旦那。
ただいまと言う私。

スケッチブックを置いて、手を洗う。

ジャバジャバ
キュッ

リビングに戻ると旦那が今日の絵を見て

｢何このガビガビな生き物｣

と言った。

ガビガビって。

え、…ガビガビって、何？