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私に不足した栄養分

「お疲れ様です」
そう言って彼は私が出した栄養ドリンクを袋に入れた。

お疲れだなんて、久しぶりに言われたな。

袋の中でカチカチと鳴るおそろいのドリンクの瓶
ドキドキと速く打つ私の脈

こんな感情、久しぶりだな。
笑顔を見た瞬間身体が熱くなった気がした。

これからあのコンビニに通っちゃおうかな。
なんか毎日のワクワクができてとても嬉しい。

家に着いて、ドリンクの瓶をテーブルに置く。
久々に恋ってものをしたらこんな感覚になるのか。
ゾクゾクする。

人生が楽しくなりそう!!

ピピピピ

「やっば」

手に持つ体温計の温度は37.7℃。

なんだ、熱かよ。
久々の感覚ってそりゃそうだよ。
ここ数年風邪なんか引いてないんだから。

私はドリンクを片方一気飲みする。

果たしてレジの男の子の笑顔に感じた熱は
風邪のせいだったのか、それとも。

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