【料理エッセイ】季節遅れの夏祭りに影響されて、おうち屋台を決行しました!
ピーヒャラ、ドンドン。ようやく涼しくなってきたかと思ったら、窓の向こうから夏らしい音が聞こえてきた。どうやら近所の公園で季節遅れの夏祭りをやっているようで、子どもたちのかつぐお神輿が街中を練り歩いているようだった。
そう言えば、今年は夏祭りに行っていない。さすがにもう金魚を掬ったり、水風船を跳ねてみたりに興味はないが、ビール片手に焼きそばを食べることにはそそられる。
せっかくだし、様子を見に行ってみようかな。そう思いつつも、立て込んでいた作業に追われてしまって、なかなか家を出ることができなかった。そうしているうちに日も沈み、子どもたちのためのイベントだからかお祭りも早めに終わっていて、結局、目当ての屋台飯はなにひとつ手に入らなかった。
そっか……。残念……。
これで済ませてもよかったけれど、じゃあ、代わりに夕飯をどうしたものかと聞かれてみれば、屋台飯以外にありはしない。こうなってしまうとどんなレストランに行ったとしても満足できやしないわけで、経済的にも、精神的にも、自分でなんとかする方が合理的。
というわけで、おうち屋台を決行することにして、駅前のライフに寄った。
まず、必要なのはビール。普段はサッポロ黒ラベル派ではあるけれど、夏、しょっぱいものを食べるとなったらアサヒスーパードライが欲しくなる。銀色のやつをゲットした!
とりあえず、キッチンであれこれ調理しつつ、なにかしらつまみたい。いつもなら枝豆でも、冷奴でも、ポテチでも、簡単に用意できるものを出しておけばいい。
ただ、今日は屋台飯。フランクフルト、行ってしまいます。
シャウエッセンのでっかい版が売っていたので贅沢にも買ってしまった。高級品とはいえ、本来、屋台で1本500〜600円払っていたと考えたら安いもの。バグりつつある金銭感覚で何本もレジへと運んだ。
フライパンに水を薄く敷いて、湯で焼きにしてにいく。ソーセージのベストの食べ方は皮を破らず、茹で上げることだとは知りつつも、屋台の魅力は炭火でガッと焦げ目をつけること。両方の良さをハイブリッドに取り入れるため、ギリギリの火入れを試みた。
最後にケチャップとマスタードをたっぷり。たぶん、身体にはよくない。でも、それでいい。それがいい。
さて、そんなことをしている間にも、魚焼きグリルではとうもろこしを炙っていた。
こちらも理想は炭火の遠赤外線でふっくら香ばしくだが、残念ながら家ではどうも難しい。なので、まずはレンジで5分ほどチンッ。ふっくらさせた表面に醤油を塗って、片面ずつ、丁寧に焦がしていく。こういうとき、ケチらず両面グリルにしておけばよかったと後悔する。
とはいえ、仕上がりは最高。
これに思いっきりかじりつく。改めて家でよかったと実感。外だとこうも大胆にはなりにくいよね。歯と歯の間に挟まった粒々にも難儀せず、その場が指を使って取ってしまえるのが家のいいところだとリラックス空間の重要性が見えてくる。
で、まあ、事前に予測はついていたものの、早々にお腹が満たされてくる。屋台飯ってひとつひとつのボリュームが多いから、そんなに種類が食べられないのよね。
しかし、焼きそばを食べずして屋台飯にあらず。メインディッシュにとりかかる。
さて、焼きそばという料理は単に蒸した麺を焼き、ソースで味付けするだけのシンプルなメニューながら、存外、家で作るのは難しい。なにせ、油断をすると具材から出てきた水分でベチャッとしてしまうので、強火の鉄板で調理したようなシャキッもモチッも簡単に消えてなくなるからだ。
解決策としては面倒くさいけど、麺と野菜を別々に焼くことである。まずはサラダ油で蒸した麺をほぐすことなく、塊のまま焼いていく。パリパリになるまで我慢するのがポイント。それじゃあ揚げ焼きそばになってしまいそうだけど、そのタイミングで箸を入れると全体がほぐれて、中から綺麗な麺が出てくるので問題なし。
こうして出来上がった焼き麺を取り分けておいて、余った油で野菜を焼いていく。
今回使うのはにんじん、きゃべつ、もやしの3種類。いわゆるシャキッと感を担っているのはもやしなので、ここでも別々に焼いていく。
最初はにんじん。細切りにしたものがしんなりしてきたら、千切ったきゃべつを加え、色が変わるまで炒めていく。少し焦げてきたら一旦取り出す。
それから、フライパンに残った水分をキッチンペーパーで拭き取って、少量の油を熱々にしたところへもやしをダイブ。猛烈な音を立たせながら、中の水分を保つように加熱する。
ちなみにあえて肉は入れない。理由はそれもまた別で焼かなくてはいけないのがさすがに面倒くさ過ぎるから笑
特に今回の場合はフランクフルトも食べているし、いいかなぁって感じで。飲んだ〆に野菜と炭水化物を摂取するのが目的だと考えれば、それはそれでね。
とりあえず、もやしに火が通ったら、取り分けておいた麺を入れ、野菜を入れ、付属の粉末ソースをふりかけ絡ませていく。ここは手早く。のんびりしていると浸透圧の関係で水分が出てきてしまうので気をつけよう。
なお、肉がない分、目玉焼きを添えてみた。かつぶしと青のりと紅しょうがも忘れずに。
一応、自分なりに屋台の焼きそばを再現したレシピが以上の通り。それっぽくできあがり大満足だった。
来年は夏祭りに行きたいなぁ。
そんなことを思いながら、スーパードライの2本目を飲み終えた。
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