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【短歌】そもそも短歌のルールって? 慣れたからこそ、基礎を学び、上達のポイントを参考書みたいな入門書で確認しよう! + 毎日短歌 12月17-31日分

 短歌を詠み始めて164日が経った。1日1首からスタートして、徐々に数を増やしていって、最近は1日3首詠んでいる。改めて振り返ってみると、けっこうな量になってしまった。

 その間、入門書もいくつか読んだ。基礎的な知識を身につけようという意図だったけど、いざ、本を開いてみると歌人の書いた文章は哲学書のような雰囲気があり、案外、読み物として普通に面白かった。

 わたしたちはどうして短歌を詠むのか?

 根源的な問題をみんな追いかけているんだなぁと気づかされ、もはや、言葉を紡ぐとは生きることそのものなんだとしみじみ認識させられた。

 そんなわけで、たぶん、わたしも短歌に慣れてきたと思う。上手いか下手かはよくわからないけど、自分的に心地よいリズムのようなものが見つかった。他の人の短歌を鑑賞するときも「このリズムは自分の中にはないので面白い!」みたいな味わい方ができるようになった。もちろん、似ているリズムだと親近感が湧いてくる。

 古語を使いこなせている人に対する尊敬の念も増してきた。一時は憧れて、私も取り入れてみようとチャレンジしていたけれど、全然しっくりこなくて、無理に使うのはやめようといまは諦めている。これは生まれ持ったものなのか? あるいは育ってきた環境の違いなのか? 理由はともかく、素直に凄いと言えるようになった。

 さて、こんな風に慣れてきたときこそ危ないんだよね。いわゆるダニング=クルーガー効果の「馬鹿の山」というやつ。

 たぶん、ぼちぼち絶望の谷に落ちるはず。すると自信も失って、短歌なんてやめたいってなっちゃう気がする。1日3首なんて詠めなくなって、他の人の短歌を目に入れるのも嫌になり、すべてがなし崩しになってしまうかも。

 それはまずい!

 ということで、いまこそ本当の意味での入門書を読むべきだろう。で、今回、購入したのは高田ほのかさんの『基礎からわかる はじめての短歌 上達のポイント コツがわかる本』である。なんだか受験勉強をしていた頃に使っていた参考書のような雰囲気で身が引き締まる。

 ページをめくってみると目次からして期待通りの参考書レイアウトで心強い。ちゃんとステップアップの構成になっていて、第一章は短歌の歴史とルールが丁寧に解説されている。しかも、具体的な作品も掲載し、添削前と添削後を並べてくれるわかりやすさ。

 他の入門書にはないポイントとして、どういう目的で添削をしているのか、ちゃんと根拠を示してくれるところが嬉しい。

 例えば、こんな感じ。

「真実」は一人ひとりの心のなかにある
添削前

一人ではホールケーキは大きすぎショートケーキを選んだ聖夜

 事実は誰が見ても常に一つですが、真実は一人ひとりの心のなかに一つずつあるのです。誰が見ても同じことをそのまま書いても読み手の心には残りません。

情景を通して「真実」を伝える
添削後
サンタの載るホールケーキを見つめつつ「ショートケーキを一つください」

 読み手一人ひとりが思い描く、その人にとっての本当のこと。その人の心に真実を描いてもらうために、情景を描写するということがポイントになります。

高田ほのか『基礎からわかる はじめての短歌 上達のポイント コツがわかる本』11頁より

 このように短歌という表現で目指すべきものがなにで、添削前はどういう点でそれができていないのか、ロジカルかつ簡潔に解説されている。また、実際の書籍にはイラストや図表もついていて、より理解しやすくなっている。

 引用箇所で言えば、添削前は客観的で、添削後は主観的になっていることが一目瞭然。たしかに、そうなんだよね。つい、普段の文章の癖で客観的な描写をしてしまいがち。でも、それなら散文でいいわけで、わざわざ五七五七七の定型詩をやっている意味がなくなってしまう。

 こういう基本をひとつひとつ確認していくことで、慣れてきた故に見落としがちな短歌の本質を思い出すことができて楽しい。

 それこそnoteで記事を書くのであれば、好きなことを好きなだけ言葉にできる時代だというのに、どうしてわたしはわざわざ31文字という制限を自分に課して、短歌を詠んでいるんだっけ? 誰かに情報を伝えることが目的ではなく、己の心に渦巻くモヤモヤとした感情をつかんでみたいからではないか! だったら、もっと、自分と向き合わなくてはダメだよね。

 そんなことを考えながら、最近はこの本で精進を重ねている。まもなくやってきそうな絶望の谷に備えるため。

 結果は数ヶ月後あたりにわかるはず。果たして、短歌を続けられているか。頑張れ、自分!


◇毎日短歌 12月17-31日分


12/17 お題「脚」

大金を払って買った脚と爪
無言でしゃぶる幸せな夜

 一見するとグロテスクだけど、実は微笑ましいみたいな歌を目指してみた。脚と爪を買って、それを食うだなんて!

 もちろん、これはカニのこと。ただ、いざ、やっていることを文字にしてみたら、なかなか残酷かもと思ったりもした。


12/17 一字題「塩」

鶏肉に下味つけるための塩
揉んで気がつく指先の傷

 唐揚げ美味しく作るなら揉み揉み〜♫

 子どもの頃に見たCMの影響で、いまも唐揚げを作るときはお肉を揉まずにはいられない。そのとき、ふと、痛みを覚えて指先が荒れていることに気がついた。

 冬場になるとあるあるなんだよね。クリーム塗らなきゃ大変なことになってしまう。


12/17 テーマ「飛行機」

羽田沖窓から見える精巧な
街にいたのか街にいるのか

 旅行で飛行機に乗り、羽田沖、東京を見下ろすとあんなちっぽけなところにたくさんの人があるんだよなぁと不思議な気持ちになる。

 そこに自分もいたしんだし、あの人はいま、あのあたりにいるのかもしれないなんて考えると、ぜんぶが作り物の話みたいに感じられてくる。


12/18 お題「プレゼント」

プレゼント選びが下手な君なのに
これはいったいどういうわけよ?

 プレゼントをもらって嬉しいと思うと同時に、君って、そんなセンスがあったっけ? と疑問符がついたら大変だ。謎を解かなきゃ落ち着かない。

 たぶん、誰かのアドバイスをもらったのだろうけど、その誰かって、いったい何者? なにとは言わないけれど怪しいし、そうだったとしたら、これは君からのプレゼントと呼べないんじゃないの? と面倒くさいことを考えてしまう。

 センスなくていいから、君からのプレゼントをわたしはほしい。


12/18 一字題「歯」

失って初めてわかる大切さ
言い訳せずに歯医者へ行こう

 実は、虫歯を放置し過ぎて、治療不可能なところまでいってしまった。結局は根本から抜いて、入れ歯で対応しているけれど、不便だし、情けないし、心の底から後悔している。

 もうね、本当、歯医者には行った方がいいよ。以来、わたしは三ヶ月に一回は定期検診を受けている。なくかったら、もう戻ってこないからね。


12/18 テーマ「紅茶」

寝る前にそっと口づけミルクティー
いい夢を見るためのまじない

 ホットミルクを飲むと眠りやすくなると聞いてから、夜はミルクティー飲むようにしている。もちろん使うのはノンカフェインの茶葉。

 効果があるのかはよくわからない。それでも落ち着く味わいなのは間違いない。


12/19 お題「蛇」

毒蛇に噛まれて身体脱ぎ捨てて
魂となり宇宙たゆたう

 この頃、ちょうど『星の王子さま』を読んでいたんだよね。

 最後、王子さまが地球から元いた星に帰るため、毒蛇に噛まれて重たい身体を捨てるところがグッときた。魂だけならどこまでも飛んでいけるからって。悲しいけど、星が瞬く限り、王子さまはそこにいるはず。


12/19 一字題「宿」

あの宿は三年前につぶれたと
聞いて世界はまた退屈に

 行きたかったお店や場所がコロナ禍でけっこうなくなっている。「また来ます」と言ったまま、その「また」は二度とやってこなくなってしまった。

 いつからか、新しくできるお店はコンサルタントが入っている感じの合理的なところばかり。理屈を超えた面白さってなくなっている。あれって、計算しなくてもなんとかなった時代の名残でしかなかったんだなぁとつくづく実感する。


12/19 テーマ「シュークリーム」

手術前最期になるかも甘いもの
シュークリームをコンビニで買う

 一年以上前、生まれて初めて全身麻酔の手術を受けた。と言っても、別に悪いところが会ったわけではなくて、親知らずが複雑に生えていたので手間取ってしまっただけなのだが。

 それでもけっこう緊張した。二泊三日の入院で、手術の前日、食事をとっていいギリギリの時間にコンビニへ駆け込み、シュークリームを買った。もしかしたら、これが最後の食事に? なんて考え、噛み締めたことを覚えている。


12/20 お題「壷」

ばあちゃんの家から出てきた古い壷
鑑定結果は買取不可なり

 壷ではないけど、おばあちゃんの家を掃除する機会があり、古いものがいろいろ出てきた。お酒とか、結構高値で売れるんじゃないか? と期待したけど、業者に見積もってもらったら二束三文。

 確信は持てないけど、足もとを見られているかもしれないし、それなら自分で飲んだ方がいいかとわたしがブランデーや泡盛などを引き取ることにした。ちなみにワインは発酵していて飲めたもんじゃなかった。


12/20 一字題「買」

コンビニでお菓子サクサク買ってたら
「大人買いだ」と甥っ子ぽつり

 これはフィクション。でも、大学生とご飯を食べたとき、サイゼリヤで会計が1万円近くいって、あたりまえのようにご馳走してあげたら凄くビックリされたことがある。大人っすね、と言われた。

 無論、1万円の出費は痛いけれど、たしかに学生時代と違って払えないことはない。なるほど、大人になってしまったんだなぁとしみじみ感じた。


12/20 テーマ「フランスパン」

フランスでフランスパンはバゲットで
インドカレーはインドにはない

 初めて知ったときは衝撃だった。フランスパンってフランスではフランスパンって呼ばないの! って。カレーの方はなんとなくそんな気はしていたけれど、まさか、バゲットなんてかっこいい名前がついていたとは。

 そう言えば、最近、フランスパンって呼び方しなくなってない? 気のせいかな? パン屋さんに言ってもバケットとかバタールとか書いてあることが多いような。もしかして、日本でもフランスパンはなくなっめしまうのかなぁ。それはちょっと寂しい。


12/21 お題「土曜日」

夕方のテレビでコナンやっていて
月曜日かとバグるアラサー

 マジで未だにコナンは月曜夜のイメージ。犬夜叉の後に放送するって印象が永遠更新されないのである。

 だから、土曜の夕方にコナンを見ると平日になんでこんなのんびりしてんだっけ? と焦ってしまう。心臓によくないから勘弁してほしい。


12/21 一字題「回」

ホリエモンぐるぐる回るCMを
真似て怪我した部室の匂い

 回転回転回転回転ライブドアオート♫

 このCMが好きだった。中居正広問題からのフジテレビ問題で最近のホリエモンは生き生きとしているので、久々に回転してほしい。


12/21 テーマ「遠距離恋愛の相手におくる短歌」

曖昧な関係のまま連絡を
重ね続けてよかったかもね

 曖昧な関係って、そのときはもどかしくって、苦しくって、スッキリさせたくなってしまうけど、そのまま続けて進展があると我慢してよかったとホッとするもの。もちろん、そうなる保証なんてどこにもないからしんどいんだけど、そうなったときの喜びは一塩なのだ。

12/22 お題「中華料理」

横浜で有馬記念の馬券買う
当たれば高級中華食べるぞ

 ちなみにハズレました😭


12/22 テーマ「漫才」

漫才が青春みたくなり過ぎて
能天気には笑いにくいな

 散々言われていることだけど、M-1がどんどんスポーツ化していて、みんな、すごく頑張っているとわかっているから頭空っぽにして笑うってことがなくなったしまった。つい、分析したくなってしまう。

 それはそれで面白いんだけど、なんか、こんなんだったっけ? という違和感を拭い切れない。


12/22 一字題「笑」

福を呼ぶために笑い続けてる
おじいさんの目尻に涙

 いつだったか、足立区で幸せを呼ぶためにいつもニコニコしているというおじいさんに会ったことがある。その顔を見ていて、ずっとニコニコしていなきゃいけないなんて、すごく不幸だなぁと思ったものだ。

 ピエロって、笑いながら泣いているんだよね。あれって、どういう種類の涙なのだろう?


12/23 お題「ビー玉」

口の中ふくみ転がしうっかりと
飲み込みそうなビー玉ふたつ

 子どもの頃、ビー玉を口にふくんで遊んでいた。飲んだらヤバいとわかっていたのでドキドキしながら冷たさを味わっていた。そのときの緊張を性的なイメージを重ねつつ、この形で表現してみた。


12/23 テーマ「クリスマス」

クリスマス夜更けのスーパーはしごして
売れ残りたるチキン買い占め

 と、思っていたんだけど、今年のクリスマスはほとんどチキンが売れ残っていなかった!

 食品ロスが問題になっているからか、無駄に並べなくなったらしい。くー。絶対にいいことなんだけど、そうとわかっていたら、ちゃんと事前に確保していたのに……。

 そんなわけで我が家はチキンのないクリスマスを過ごした。


12/23 一字題「聖」

聖域はなかったはずの改革で
守られし我が国の因習

 小泉劇場の頃、わたしは小学生だった。なにがなにやらわからないまま、テレビの盛り上がりに影響されて、「自民党をぶっ壊す!」なんて学校で真似したりしていた。

 あのとき、聖域なき構造改革が行われるはずだったよね? 20年近く経つのに全然変わってなさそうだけど、どういうことなの? 

 今年の選挙でどうなることか。いよいよ変えなきゃまずいよね。


12/24 お題「体温」

文字通り一緒に眠るだけでいい
体温重ね夢を見たいの

 比喩とか婉曲とか、そういうんじゃなくて、文字通り一緒に眠ることで満たされるものがある。体温が感じられば十分で、そうやってぐっすり眠る快適さの共有もまた愛なんだと思う。


12/24 一字題「X」

山荘に僕ら集めたX氏
多分だけど先生だよね

 デスゲームもの。一応、どんでん返しが基本になっているとは言え、こんだけパターンが出尽くしているとだいたい想像がついちゃうよね。

 たぶん、参加者たちもそうだと思うんだよ。そんな風に参加者がデスゲームおたくで淡々と解決していくパロディがあったら面白いかも。


12/24 テーマ「欲しいプレゼントを詠み込んで」

欲しいものなんて自分で買ってきた
楽しいことを一緒にしよう

 プレゼントが重要なんじゃない! 一緒に過ごす時間が大事なんだ! だから、プレゼントの良し悪しにこだわる必要はないと思うんだよね。

 だいたい、欲しいものは自分で買うし、買えないものは欲しくならないし。 


12/25 お題「爆発」

断るということできず二十代
愛されたくて爆発してた

 若い頃、断るのが苦手でいろいろな頼みを引き受け過ぎて、キャパオーバーで爆発しまくっていた。どんなチャンスも逃したくないと必死で、意図せず多くの人に迷惑をかけてしまった。

 三十代になり、チャンスなんてそこら中に転がっているから、逃してもまたやってくるのだと余裕でいられるようになった。というか、チャンスなんてどうでもよかった。未来よりいまをもっと大切にすべきだったのだ。

12/25 一字題「雪」

せつせつと積もりし雪は窓の外
実家の母に電話をかける

 忙しいと冬の寒さを意識することもなくなる。寒いは寒いだけ。この寒さに震えている人がいるなんてことは考えられない。

 でも、積もる雪を見ると実家の母が心配になる。久々に電話でもかけてみようかなぁって気になる。


12/25 テーマ「なにか白いものを短歌の中に詠み込んで」

お金よりみんなの笑顔見たいから
頑張るという真っ白な嘘

 真っ赤な嘘とか、黒い噂とか、ネガティブなものを色で形容するケースは多々あるけれど、白いネガティブってあるのかなぁって気になった。仮に真っ白な嘘があったら、どんな嘘なんだろうね? 黒を打ち消し、ポジティブに転じたりするのかな。


12/26 お題「少女」

愛読書『少女椿』の君だから
わかってくれた見えない痛み

 丸尾末広の『少女椿』が好きな人はみんな友だち! 間違いない!


12/26 一字題「拳」

振り上げた拳をおろせないのなら
そのまま歌えYAH YAH YAH

 チャゲ&飛鳥が殴りに行きたいのは秋元康という噂を聞いて以来、この歌がさらに大好きになった。なるほど、だったら仕方ないね、と。


12/26 テーマ「熱い風呂」

最高に悔しい夜は熱い風呂
肩まで浸かり体育座り

 嫌なことがあったら熱いお湯に入る。汗を一気にかいてサッパリしたし、長く入り過ぎてしまいたくはないから。ぬるいと延々出てこれない。余計な考えがあたまをもたげて自分がいまどこにいるのかを忘れてしまうんだよね。


12/27 お題「地獄」

この世こそ地獄であると気がついた
順に早抜け人生ゲーム

 そんな風になったら生きている理由がなくなっちゃうよね、本当に。どう考えてもまずいんだけど、世の中は徐々にそんな狂ったゲームの様相を呈し始めている。さすがにそろそろ変えなくちゃ。


12/27 一字題「曲」

わたくしは曲がりなりにも社会人
嫌われ役になろうじゃないか


 社会人って、嫌われ役を引き受けることなんだと思っている。誰にも嫌われたくないって子どもの論理。みんながそう思っていたら、なにもできなくなってしまうから。

 責任をとるってそういうことなんだと思う。空気を読まずに進んでいるプロジェクトの致命的な問題を指摘したり、謝るべきことをちゃんと謝ったり。

 そういう意味では、日本の偉い人はほぼほぼ社会人じゃない。


12/27 テーマ「アルバム」

古くないアルバムめくり思い出す
こいつに漫画貸したまんまだ

 懐かしいより怒りの方が湧いてくる。これが許せるようになったとき、過去は思い出になるのかもしれない。だとしても漫画は返してほしい。


12/28 お題「罠」

罠だとはわかっていても頼んじゃう
替え玉カタメお願いします

 果たして、とんこつラーメン屋さんで替え玉をしないなんてことは人類に可能なのだろうか! 半替え玉が用意してあったら本当に不可避!


12/28 テーマ「高層ビル」

旅行から戻り高層ビル眺め
帰ってきたとホッとしちゃうの

 コンクリートジャングルであっても、長いこと住んでいるから、落ち着く場所になってしまった。それがいいことなのかよくわからないけど、わたしの居場所はここなのだろう。 


12/28 一字題「終」

まだ謎が残されたまま「終」の文字
レトロ映画よ潔すぎるぞ

 古い日本映画を見ていると、伏線を張るだけ張って、風呂敷を広がるだけ広げて、なにも回収せずに「終」の一言で幕を閉じる作品があり、あまりの潔さに笑ってしまう。

 最近のコンテンツは割とどれも考察ができるようにちゃんとしてるけど、実はこれぐらい雑でもいいんじゃないかと再発見させられる。


12/29 お題「ぬいぐるみ」

つらいこと全部話してきたせいか
うちのプーさんしょぼくれてきた

 10年ぐらい前かな。ディズニーランドに行ったとき、ハニーハントな後のお土産さんでプーさんのぬいぐるみを買った。それがめちゃくちゃ可愛くて、ずっと一緒にいるんだけど、さすがにしょぼくれてきて少し可哀想。

 かと言って、新しいやつに買い換えるのはなんか違う気がする。ぬいぐるみって、単なる物ではないんだよね。


12/29 一字題「息」

キッチンで息を吐いたら白かった
居間から響く家族の笑い

 うち、古いからキッチンがすごく寒い。息を吐いたら白くてビックリした。もはや外じゃん!

 それでもご飯を作ろうと懸命に努力しているとき、リビングからゲラゲラ笑う声が聞こえてきたりして、むーってなるよね。やっぱりさ。


12/29 テーマ「ポインセチア」

クリスマスらしい花だが旬は春
ポインセチアに冬はつらいよ

 緑と赤の色合いでクリスマスの花として重宝されるポインセチア。旬は春というから驚きだ。

 つまり、カリスマスに飾られているポインセチアはみんな無理をさせられているってこと。できることなら、労働基準法で守ってやりたい。


12/30 お題「月」

君が焼くクロワッサンを食べたくて
僕は月から飛んできたのさ

 たまには爽やかなやつも。


12/30 一字題「納」

高過ぎる退去費用がゼロ円に
苦情ひとつで納得いかず

 前にも似たような短歌を詠んだけど、これは実体験から。去年、一番、納得のいかなかった出来事。


12/30 テーマ「帰省」

年末は帰省ですかと尋ねられ
いいえと答え会話は終わる

 毎年、この質問をされる。帰らないこともないんだけど、日帰りなので帰省と言うのも変な気がして、つい、「いいえ」と答えてしまう。

 たぶん、なにかあるんだろうと察せられているのだろう。たしかになにかはあるのだけれど、別に悩んでいるわけでもないし、普通に話そうと思えば話せる。ただ、そんな話をしたいわけじゃないだろうし、この質問は難しい。


12/31 お題「平和」

平和って普通なことだと思ってた
いまとなっては尊いあの日

 切実に思う。戦争がこうも各地で勃発し、トランプが再び大統領になり、世の中、いつなにが起こってもおかしくはない。

 ちょっと前まで、こんな状況、少しも考えられなかった。あの頃の平和って奇跡だったんだといまさらながら気づかされる。


12/31 一字題「末」

年の末雲ひとつない快晴に
明るい未来期待しちゃうぜ

 それでも、年末の空が晴れやかだと来年こそは明るくなりますようにと願わずにはいられない。


12/31 テーマ「2024年一番うれしかったこと短歌」

大晦日夜にすき焼きつつき合い
再びあけましてを祝える

 そんな気持ちですき焼きを食べながら紅白を見て、家族と「あけましておめでとうございます」と挨拶し合った。




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