見出し画像

『国民健康保険料が高すぎる!』読了☆

 国民健康保険料(税)については、うちの奥さんの自営的な収入に対して、世帯主である私に請求が来て、奥さんの代わりに払っているんですが、正直なところ、家計に与えるマイナスのインパクトはかなり大きく、こんな額を自営業の人たちは、毎月、払っているんだなと、日頃より、感じていました。

 冒頭に記載した「…料(税)」とは、国民健康保険料の徴収のされ方にかかる差異であり、地方税である「国民健康保険税」と、社会保険料である「国民健康保険料」の2つの形態があります。

 これは、-少しマニア入っていますが-お住まいの自治体により、いろいろであり、「税」は時効が5年、「料」は時効が2年という違いがあり、自治体の立場に立つと、徴収のしやすさの点から、「税」を選んでいるところが多いと言われています。

 国民健康保険は、自営業者・高齢者・無職などの方が加入する公的医療保険ですが、現在、財政状態がかなりよろしくなく、毎年・毎年、保険料(税)の値上げが繰り返されています(>_<)。

 ちなみに、公的年金(国民年金・厚生年金)の財政が厳しく、いつなんどき、「公的年金やめました!!」なんて宣言が出るのではないかという流言が飛び交っていますが、実は、その公的年金の財政そのものは、近々の財政検証結果からは、かなり改善してきていることがうかがえます。

 それは、主に次のような理由です。

①働き方改革により、女性・高齢者等の厚生年金への加入が増え、保険料収入が増えていること。
公的年金の積立金は、令和5年度決算によると、昨今の株高・円安などによる運用状況の改善もあって、およそ256兆円もあり、過去最高水準であること。
③近年のインフレ傾向を反映して、「マクロ経済スライド」が、この何年も続けて発動されていることから、年金財政の見通しがどんどん改善していること。

 公的年金は、長期給付ですから、将来に備えて、大きな積立金を保有していますが、その積立金が増える方向になると、年金財政が改善するのですね。

 まさに、今はそういう状況なんですよ(にわかに信じられない人もいるかもしれませんね。びっくらぽん!)。

 一方、年度ごとに決算されて、単年度で収支のやりくりをしている、積立金が基本的にない、短期給付の公的医療保険や公的介護保険は、少子高齢化の影響をモロに受けて、財政の悪化に歯止めが止まりません。

 中でも、国民健康保険の加入者は、自営業者・高齢者・無職中心であり、加入者による保険料収入が少なく、かつ、~60・65歳まではサラリーマンとして健康保険に加入していた人が、会社を退職して、国民健康保険になだれ込んできますが、そのような年代から罹患率が急速に高まってくるため、お金の出て行く方である国民健康保険の給付が増える傾向にあります。

 これは、高齢期前の、給与が多くて(=保険料収入が多い)、罹患率の低い通常のサラリーマンが加入する健康保険と、保険集団(加入者集団)の様相が全く異なるのです。

 このため、健康保険からは、国民健康保険側に、財政支援のお金が流れていますが、これは、年齢階層的に、将来の退職後の自分への仕送り的な位置付けなんでしょうね。

 このような負担を始め、財政構造がいびつになって、健康保険自体も赤字のところがほとんどで、先の理由にあるように、それ以上に、国民健康保険の財政はヤバいのです。

 で、この度、『国民健康保険料が高すぎる! 保険料を下げる10のこと』(笹井恵里子著・中公新書ラクレ刊)を読みましたが、国民健康保険の問題点がびっちり書かれてあり、なるほど~と感じました。

 就労者の7割がサラリーマンの中、自営業者中心の国民健康保険の専門家は少ないのですが、この本は、刺激的な著作でしたね~。

いいなと思ったら応援しよう!