「蝿帳」何と読む?/昭和の台所用具
「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ201枚目
これは、家の中に蝿が多かった時代にご飯やおかずを蝿から守るために台所に置いてあったものですね。特に夏場には大活躍しました。
蝿帳は、「はいちょう」又は「はえちょう」と読みます。
今の若い人には、「はいちょう」とは読むのは難しいかも知れません。
岐阜では、母親が「はいちょう」と言っていました。
子供だった僕は、「はいちょう」の「はい」が「ハエ」と結び付かず、なぜこれを「はいちょう」と呼ぶのか分かりませんでした。
同時に子供の僕には「ちょう」の意味が分からなかった事も原因です。
大人になれば分かるのですが、ちょう=帳、つまり「とばり」、内外を隔てるものですね。
*ちなみに、帳(とばり)というのは美しい日本語の一つで、好きな言葉の一つです。例えば、「夜の帳が下りる」、、、なんて、素敵な表現でしょう!
閑話休題、、、
さて、水洗の普及と、戦後GHQの指導による肥溜めから化学肥料への転換によって幸いなことに蝿はどんどん少なくなっていきましたが、昔はどこの家にでも必ずいたものです。読んで字の如く、五月蝿いほどに。
最近では、もう家の中で見ることもめっきり少なくなりましたね。
もちろん、ハエは御免被りたいのですが(笑)、この木製の蝿帳などは懐かしくて美しい日本の台所用具です。
皆さんのご実家では、何と読んでいましたか?
「はいちょう」?
それとも「はえちょう」?