
「ボンカレーの出た日」インスタント時代
「僕の昭和スケッチ」210枚目

ボンカレーは保存料や殺菌剤を使っていない
ボンカレーが大塚食品から出たのは1968年(昭和43年)の事。
意外と知られていないのだけれど、ボンカレーは保存料や殺菌剤を使っていない。
賞味期間の長さから合成保存料や殺菌剤を使っているような勘違いをされがちなボンカレー。発売当初は尚更で、その誤解が当初ボンカレーの売れ行きにブレーキをかけてしまったという。
「どうせ、薬をいっぱい使ってるんだよね」
そう思った人は非常に多く、今もそんなふうに思われている向きもあるのでは???
しかし、そうではない。
ボンカレーは、正真正銘レトルトパック技術によって長期保存を可能にしているのだ。
当時すでにインスタントラーメン(袋麺)は世に出ていたものの、それは言ってみれば「乾物」であり、カレーのようなスープ状の傷みやすいものをパックに入れて長期間保存する技術は庶民にとって画期的なものだった。
調べてみると、この技術は市販のカレーとしては日本が初。
こういう所って、やっぱり日本ってスゴイ! なんてね(^∇^)💦
その価格とスピード
当時は、学食のカレーが30円、外食の素うどんは50円位の時代。
その時代に80円で売り出されたボンカレーは、やはり「高い!」という印象があった。
だが、それでも何しろ3分でカレーが食べられるのだ。
カレーというものは、それまでは外食でしか食べられない料理だった。
或いは、ルーを買って来て時間をかけて肉や野菜を煮込んだり、中々手間のかかるものだった。
それが3分! という事に皆驚いたものだ。
多少高くとも、致し方あるまいというところに落ちついた(笑)
*ちなみに、お母さんのカレーのような万人に受け入れられる味をテーマに開発されたボンカレーは、日本赤十字社の大規模災害時の救援資材にも採用されている。
パッケージやCMに松山容子さんを起用したことも実にボンカレーにピッタリだったと思う。松山容子さんの美人っぷりは際立って個性的なものではないかもしれない(失礼💦)けれど、逆に誰からも好かれるものだからだ。
あの松山容子さんのパッケージは今も懐かしい。
ボンカレー、久しぶりに食べてみようかな(笑)
*ちなみに、ボンカレーの「ボン」はフランス語の「美味しい=ボン」から付けられたネーミング.
*大塚食品 大塚グループは元は医療関係の会社. 点滴液を高温処理で殺菌する技術の応用で、試行錯誤のうえレトルト技術を確立させた.
*松山容子
松竹ニューフェイスでデビュー. 代表作にテレビドラマ琴姫七変化.
主人公の琴姫が悪人相手に七変化して大活躍した事から、アクション女優の先駆けと言われる.
*上の絵では白いレトルトの絵を思わず描いてしまったが、実際には発売開始当初は透明なビニール袋に入っていた.
<©2023もりおゆう この絵と文章は著作権によって守られています>
(©2023 Yu Morio This picture and text are protected by copyright.)