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東京ヤクルトスワローズ観戦エッセイ

ヤクルトが勝った日も、負けた日も、打った日も、打たれた日も、ノーノーの日も、(ほぼ)毎試合、観戦エッセイをアップします。勝った日は喜びを倍にし、負けた日は悲しみを半分…いや8割……
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2023年6月の記事一覧

【6/28巨人戦◯】どんな時も夢へと続く、てっぱちの1本を子どもたちと見続けている

地方球場の試合というのは、とても良い。いや、なぜかひどく負ける試合をよく目にしている気がするけれどもそれはさておき(いや置いている場合ではないけども)、寝転んでビールを飲めそうな芝生の外野席とか、特にどこのチームのファンというわけでもなさそうな野球少年たちがとにかく本物のプロの選手達にテンション上がっている様子とか、そういうのを画面越しに見ているだけでもこちらまで楽しくなってくる。 でもその年に一度ほどしかない試合も、中止になる可能性だってある。前日の秋田の試合は、残念なが

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【6/24,25中日戦●●】うまくいかない日々に蒔く、種のこと

「この一勝は大きいな」と、何度か思う。「ここから調子は上向きになるのでは!」と、そう思う。だけどそのたび、どうしても波には乗り切れず、また連敗をしてしまう。と、いうのを、今季何度も見てきた。 もどかしい、と、思う。そのたびに思う。あの日粘って勝ち取った一勝も、久々の逆転勝ちも、連敗を脱した日も、そしてサイスニードの初完封も、どうしてもその良い波に乗り切れない。 「去年と違うこと」はなんだろうかと、つい考えてしまう。良いときとの比較をどうしてもしてしまう。去年ならここで点が

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【6/23中日戦◯】少しずつ、成長していくこと。

リラックスしたぐっちの声は、とても心地よく耳に届く。 好きな選手の引退というのは、野球を応援していて最も切ない瞬間の一つだと思うけれど、今年ぐっちの解説を聞くたびに、そこから続いていく物語だったり、新しい風だったり、そういうものを感じて、少しうれしくなる。寂しい、切ない瞬間は、それは決して「終わり」ではないのだということを、思い出す。なんといっても野球選手は、引退してからの人生の方が長いのだ。 長い人生で見ると、現役の時間というのは一瞬かもしれない。その中の、今日の試合と

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【6/16-18オリックス戦●●●,20楽天戦◯】上空にかかる、虹みたいに。

四日間、むすめと韓国へ行ってきた。そういえば三年前、むすめが保育園を卒園するときに、卒園旅行へ韓国女子旅をしよう!!と、言っていたのだけれど、その直後にパンデミックがやってきて果たせないままだった。さすがに忘れてたけど。今回は思いつきの二人旅だったけれど、あのときできなかったことを叶えたのだと思うと、ちょっと感慨深い。 でもまあ確実に、三年前よりもさらに今の方が、「二人旅」は楽しめるようになっていたと思う。三年前に行っていてもそれはそれで楽しかったと思うけれど、10歳になっ

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【6/13-15ソフトバンク戦●●●】できないことと、向き合うこと。神様ののびしろ。

むねちゃんのホームランはいつも目の覚めるようなスピードで、スタンドに飛び込んでいった。それは勝つ日も負ける日も、見ているこちらを励ましてくれた。相手にとってはきっと、怖い怖い1本だったのだと思う。「ここぞ」のところで、「打ってほしい」と願うところで、つまり逆側から見た時に「ぜったいに打たれたくない」と祈る場面で、むねちゃんはいつもいつも、記憶に残る1本を打ち続けた。 私はこの、「打ってほしいところで出る1本」というのが、一番すごいものだ、と思っている。積み重ねの数字も、打率

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【6/11西武戦◯】打たれるときも、抑えるときも、仲間が助けてくれるときも。

息子は朝から部活の説明会&練習試合。(おにぎり必要って言うから作ったのに忘れてった!)私はむすめとおうちでゆっくり。私は朝から観戦エッセイを書き、仕事を少し進め、むすめは塾のテスト勉強。(塾のテスト勉強!息子が一度もやったことなかったやつ!!)平和な日曜日です。 昨日は久々に勝ち試合を球場で見たので(そういえばものすごく久々な気がする…)気持ちも晴れやかだ。息子が忘れていったおにぎりをむすめの昼食にし、私はホットサンドを作る。 小澤くんはおどろきの安定感で、一人ひとり打者

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【(6/8ロッテ9西武戦●●)6/10西武戦◯】むすめとほしくんとスモアピザ

三連敗を抱えてやってきた、一年ぶりの、メットライフ…じゃなくて、ベルーナドーム。連敗をするとすぐに「ああこれが続いたらどうしよう…」と考えてしまうのはたいへん悪いくせである。 連敗ムードを吹き飛ばすべく、とにかく今年こそは、「L's CRAFT」のスモアピザを食べよう!!!と、むすめと約束していた。ピザ窯のある「L's CRAFT」は三塁側の奥にあって、このスモアピザは4回裏終了から販売になるのだが、いつも一塁側に座る私たちは(ベルーナドームは一塁側がビジターなのだ)、この

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【6/7ロッテ戦●】25年後くらいに、「よくがんばってたな」と思えるかも知れない

まったく中間テストの点数について気にしてない風のマイペース息子だったが、じいじが言ってたことをそのまま伝えると、ちょっとうるっとしていた。泣きはしなかったが。まあうるっとするなら勉強してくださいって感じなんですけれども、息子なりに思うところもあるのかもしれない。(ないかもしれない。) そんな息子を見ていて私はふと思ったのである。 私は、子どもの頃から母親に「勉強しろ」とか「テストどうだったの?」とか、言われたことが一度もなかった。定期テストの時も、受験生の時も。私は今まで

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【6/6ロッテ戦◯】息子のテストとヤクルトの点数

中1息子の初めての中間テストの結果が返ってきて、というか、結果の紙がぴらっと1枚床に落ちていて、その結果に驚愕している。 …見たこともない悪さに。 やばい、クラクラする。中学入試の模試よりひどい。なんなんだ。 というか何よりクラクラするのは、これほどの点数を取っておきながら、特にそれをなんと感じるわけでもなく、その辺の床に成績表をほったらかしておける息子のその神経である。特に隠すわけでもなく言い訳するわけでもなくもちろん報告も一切なく、床に落ちているのである。クラクラす

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【6/4楽天戦◯】「うまくいく」のイメージ

1回裏から、4番のむねちゃんがタイムリーを打つのを見て、こんなにも急に変わるものなのか、と、つくづく思った。 連敗中には抜けないボールが、抜けていく。連敗を抜けるというのは、こういうことなのだ。 「でもまだゆでんたいやきおでんたいやき…3点差なんていうのは誤差…」と、自分に言い聞かせながら、スタバで小さな画面をのぞきこむ。 体調極悪の一週間をなんとか乗り越え、ようやく今朝は起きたときから体が軽くなっていた。風邪というのはもうほんと、そのときには一生治らない気がしてしまう

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【6/3楽天戦◯】「どれだけ参っていたか」も、あとからわかるもの

「どんなチームも、年間通してずっと調子がいいということはありえないですからね。ヤクルトは早めにその時期が来たということにして、ここから切り替えてがんばってほしいですね」 と、真中さんが言っていた。たしかにまったくもってそのとおりだ。と、思った。シーズン終盤の12連敗よりは、まだこの時期でよかったと思おうではないか。(いや、また終盤に来るんじゃないかという不安はさておき・・・) 連敗後の一勝というのは、ほんとうに大きいものだと思う。それだけじゃなくて、例えば月が変わるとか、

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【6/1日ハム戦◯】優勝する日も12連敗を脱する日も

もう何度も何度も何度も何度も、そこでアウトになるところを見てきた。必死にホームに突っ込んだ誰かをよそに、無情にも審判の手が上がる。そしてそのたった一つのアウトが、試合の空気をがらりと変え、なんだか泥に足を取られたように、ずるずるとそこから抜け出せなくなる。そんな試合をもう、何度も見てきた。 だけど今日、むねちゃんのヒットで、必死にホームに突っ込んできた青木は、リクエストはあったけれども(ああどきどきした)しっかりセーフになった。あの時審判が大きく開いた手は、なんだか今までの

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【5/30,31日ハム戦●●】厚い雲は、強い雨を降らせるために

いろんな負け方がある。と、連敗中にはよく思う。なるほど、こういう負け方もあるのか。と、痛む胸をおさえながら思うのである。負け方がカラフルだ、と。 でも、連敗も8,9あたりを過ぎた頃から(それくらいから特にカウントもしなくなる)負け方のカラフルささえ、失われていくのを感じる。「…同じだな。」と、思うのである。淡々と、負けていく気がしてくる。1点取られ、2点取られたあたりで「ああ今日もだめか…」という空気を感じてしまう。そしてそのまま、淡々と、負ける。 実際はもちろん、そんな

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