【6/1日ハム戦◯】優勝する日も12連敗を脱する日も
もう何度も何度も何度も何度も、そこでアウトになるところを見てきた。必死にホームに突っ込んだ誰かをよそに、無情にも審判の手が上がる。そしてそのたった一つのアウトが、試合の空気をがらりと変え、なんだか泥に足を取られたように、ずるずるとそこから抜け出せなくなる。そんな試合をもう、何度も見てきた。
だけど今日、むねちゃんのヒットで、必死にホームに突っ込んできた青木は、リクエストはあったけれども(ああどきどきした)しっかりセーフになった。あの時審判が大きく開いた手は、なんだか今までの流れをすっぱり切ってくれるような、厚い雲をぶった斬るような、そんな動きにさえ見えた。
チャンスで打てること、ピンチを乗り切ること、それがこんなにもこんなにも、味方を鼓舞し、励ましてくれるのだということを、久々に思い出した。そりゃあ久々だ。12連敗のあとの、1勝なのだから。
12回連続で負けるということが、人生にたくさんあるかというと、いやさすがにあまりないという気がする。それはやっぱり、そんじょそこらの(そんじょそこらの?)5連敗や8連敗とはちがう。その「勝てなさそうっぷり」たるや、なかなかほかでは味わえないものである。毎日毎日祈るように試合を見ながら、毎日毎日「今日もだめか…」と、ため息をつく。その今日も、の「も」にこめられた残虐さみたいなものは、おそらくそれをくぐり抜けた人にしかわからないものなのだ。くぐり抜けることが、良いことなのかそうでないのかはさておき。
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