マガジンのカバー画像

東京ヤクルトスワローズ観戦エッセイ

ヤクルトが勝った日も、負けた日も、打った日も、打たれた日も、ノーノーの日も、(ほぼ)毎試合、観戦エッセイをアップします。勝った日は喜びを倍にし、負けた日は悲しみを半分…いや8割……
¥380 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

2022年9月の記事一覧

【9/29広島戦○】ぐっちを応援できた時間が、宝物だ

息子が学校へ出ようとする直前に、ぐっちの引退のニュースに気づいた。「うそぐっち引退って…」と絶句する私に「え…ほんと?」と、息子が心配そうに言う。学校を出る直前の時間には、できるだけ動揺させるようなことを言わないでおこうといつも思っているのに、さすがについ話してしまったことを反省しつつ、「いつか来るって、それは今年かもって、いつも思ってたけど、やっぱつらいね」と、言いながら送り出す。 自分のnoteを、「ぐっち」で検索してみると、あほみたいな量の記事が引っかかった。「ほんと

【9/28阪神戦●】この一年をきっと、思い出す。

「ママの誕生日ってさ、いっつも負けてない?」と、息子が言う。「たしかに。たいへんよく負けている気がする。」と、私は答える。 息子がお寿司をごちそうしてくれた話を聞いていたむすめが、「ママ、たんじょうびおめでとう!」と、画用紙いっぱいに描いた絵と、折り紙と、そして「けがした時につかってね!」と、折り紙で作った袋に入れた絆創膏を、くれた。 「むすめちゃん、息子くんみたいにいっぱいお金たまってなかったから…買うものなくて…それで、おうちにあった絆創膏プレゼントにしたの、ごめんね

¥100

【9/27阪神戦●】「優勝したヤクルト」に会いに行く

学校から帰ってくるなりむすめが「ママ!今日何時に神宮いく!?」と聞いてくる。「あ…今日さ、ママ全然仕事終わらなくて…だからおうちで観るのでもいいかなと思って…」ともごもご言うと、「…え!!!むすめちゃん今日神宮行くのすっごい楽しみにしてた!何食べよっかなとか考えてた!もう帰り道もすっごい楽しみにしてたんだけど!!」と、言う。 「優勝したあとにヤクルトに会うの楽しみにしてたの!!」と言っているのを聞いて、そうかそうだよな、今年は私が一人でヤクルトの優勝を見届けてしまったんだも

【9/25横浜戦◎】優勝の日、球場で見た景色

守備につくときの、みんなの姿が好きだ。ベンチから出てきて、後ろポケットに手を入れ、その手を出してぽんと一つたたき、ファウルラインをまたぐ。 守備から戻るときの、みんなの姿が好きだ。三振をとった投手の、アウトを取った野手の、プレーを讃えるかのようにグラブをたたき、走ってベンチに戻る。 打席に着く時も、マウンドに立つ時も、みんなみんな好きだ。勝つ時も、負ける時も、いつもいつも、みんなが好きだ。 そして今日のみんなのその表情は、いつもよりも締まって見えた。ライアンも、村上くん

【9/23横浜戦●】息子がごちそうしてくれたお寿司と、雨の観戦

朝から息子を模試会場へ送り届け、私は渋谷まで出てジムでトレーニングをした。特に会場から渋谷が近かったわけでは全くないが、ただ行ってみたかったジムがあったのだ。 トレーニングを済ませ、謎にリゾート風になっているテラスで、プロテインを飲みながら観戦エッセイを書く。いったい何をしているのかよくわからなくなってくる。まあとりあえず、今日はこれから、息子を迎えに行ってお寿司なのである。 一年前から、息子が「来年のママの誕生日には、お寿司ごちそうする!」と、言ってくれていた。それで一

¥100

【9/22中日戦●】目の前の一勝と、ヤクルトの未来

プロ初登板の山下くんは、プロの洗礼を受けるかのように、しょっぱなからヒットを打たれ、無死1,2塁のピンチを迎えた。 「そうですよね…がんばれ…がんばれ山下くん…」と、私は夕食の準備をしながらつぶやく。今日は胸肉をソテーしたものでヤムニョムチキンです。カルディで買ったヤムニョムチキンのたれに、お醤油をちょっと混ぜるとめちゃくちゃおいしいのである。子どもたちも大好き。私も大好き。たんぱく質も大好き。 なんの話だっけ。 とにかく、今日もよく働き、仕事…は終わらないけれどもとに

【9/20巨人戦●21中日戦◯】もうあと少し、大きな夢と目標をつかむまで

9/20巨人戦● 塾から帰ってきた息子が「先生(息子と仲良しのヤクルトファン)にさー、ママと妹は二人で東京ドーム行ってるんだーって言ったら、『お!いいね!』って言ってたよ!」と、言っている。いやよくない。受験生の息子をほったらかして毎度試合を見に行っていることがばれるではないか。まったくもってよくない。ついでに試合は負けたのだ。…まったくもってよくない。 そういえば「もしかしたらこの辺りで優勝が決まったりしちゃったりしちゃうかもしれない…!」なんて思いながら取ったドームの

¥100

【9/18阪神戦○】ヤクルトたちの、踏ん張り

息子の塾をすっかり忘れていて思いっきり寝坊し、塾に遅刻連絡をして、5分でその辺のものをつめてなんとかお弁当(らしきもの)を作り、息子を送り出してほっとひといきついたらどっと疲れてしまった。 むすめは児童館でお友達と遊ぶというので、朝から観戦エッセイを仕上げ、午後は夫と銭湯へ行ってこのドタバタ疲れを癒すことにした。おつかれさまです私。(いや、塾を忘れるのでない私。) 久々に銭湯でととのい、しっかりごはんを食べて、夜の試合にそなえる。なんといっても今日は甲子園の阪神戦である。

【9/17中日戦△】重い空気を破るのは、いつだってベテランの1本だ。

「マクブルーム!!!!!」と、私はソファに寝転びながら叫ぶ。マクブルームは同点だったか勝ち越しだったか逆転だったかのタイムリーを打っていた。…横浜戦で。 いや、目の前のテレビでは、チャンスを何度も迎えながらもなかなかいかせないヤクルトたちがしょぼんとベンチに帰っていっていた。なんだかうまくいかないな…と、思うわけだけれどもこういうのはつまるところまあ、「連敗あるある」では、ある。マジック点灯している時期なのにとか、首位なのにとか、優勝がかかっているのにとか、思うところはもち

【9/16中日戦●】津田沼のビストロと恋バナとヤクルトと

ところで、津田沼においしいビストロがあるのです。数ヶ月前、急に津田沼へ行く用事ができ、ちょうどお昼どきに終わったのでランチでもして帰ろうと、Googleマップを開いたんですね。わが家は結構、なにかと千葉へ行くことは多いのですが(キャンプだったりスーパー銭湯だったりショッピングモールだったり回転寿司だったり千葉というのはいろいろあるのだ)津田沼は初めての土地で、いったい何があるのかも知らなかった。 グーグルさんいわく、高層マンションの向かいに小さなビストロがあるみたいなので、

¥100

【9/13巨人戦●】22歳の野球人生は、まだまだ続いてゆくから

思えば、ヤクルトを好きになった2017年、そこから5年後に、ヤクルトに日本人記録をどんどん更新する22歳が現れるなんて、思いもしなかった。そのとき、その22歳はまだ高校生で、おそらくプロ野球を夢見ながら、熊本の地で練習を積んでいた。 ヤクルトはというと、これまた「日本記録」である、シーズン96敗を成し遂げていた。なんにしても私が好きになった年のヤクルトがそうだったから、私の中では「野球というものはこういうものだ」と、いう感覚がしっかりとしみついた。チャンスはいかせないもので

¥100

【9/12横浜戦●】ジェットコースターに必死につかまりながら

仕事でnote社の方たちと打ち合わせをしていると、「虫明さん、ヤクルト優勝しそうですね!!」と、みなさん言ってくださる。そしてそのたびに私は「いや…そうなんですけどいやそうなんですけどというかそうじゃないんですというかそうなんですけど・・・・・めちゃくちゃ不安です・・・・・・・・・」と、もごもごと言っている。「そういうものですか!!」と、優しいnoteの人たちはにこにこ言ってくれる。「はあ…とにかくあの…不安です…」と、私は答える。なんせ、なにが起こるかわからないのが、野球な

¥100

【9/10広島戦●,11横浜戦○】負けている試合でも「これだけは見たい」と思えること

9/10● 今年も夏を諦めきれず、薄着で神宮に来たらあまりに寒くて、隣のむすめはぶるぶる震えていたので、早めに夫が車で迎えにきてくれることになった。 早めに、とは言っても夫が着いたときにはもう9回裏が始まろうとしているところで、むすめがトイレにいくのを待っていたら、打席は3番の代打古賀くんまで進んでいた。 戻ってきたむすめに「ごめん、次のむねちゃんの打席だけ見ていい?」と、言うと、笑って「いいよいいよ。」と言うので、見て帰ることにした。 古賀くんが三振に倒れ、むねちゃ

【9/9広島戦○】ヤクルトの空気が、好きだ。

二人の宿題が終わるのを待ってから、少し遅めに家を出た。外苑前の駅でエスカレーターを登りながら速報を見ると、ヤクルトは先制している。「タイミング的にむねちゃんのホームランなんじゃない!」と、息子が言うので詳細を開くと、なんとまあその通り、ほんとうに53号を打っていた。「打ってるわ…」と言うと、自分で言っておきながら息子まで「まじ!!!」と驚いている。 塾のヤクルトファンの先生に「この教科の偏差値は村上の偏差値目指して!」と言われた息子は、「また上がっちゃった!!!」と笑ってい

¥100