【9/10広島戦●,11横浜戦○】負けている試合でも「これだけは見たい」と思えること
9/10●
今年も夏を諦めきれず、薄着で神宮に来たらあまりに寒くて、隣のむすめはぶるぶる震えていたので、早めに夫が車で迎えにきてくれることになった。
早めに、とは言っても夫が着いたときにはもう9回裏が始まろうとしているところで、むすめがトイレにいくのを待っていたら、打席は3番の代打古賀くんまで進んでいた。
戻ってきたむすめに「ごめん、次のむねちゃんの打席だけ見ていい?」と、言うと、笑って「いいよいいよ。」と言うので、見て帰ることにした。
古賀くんが三振に倒れ、むねちゃんが打席に立った時、今日一番と思えるくらいの大きな拍手が球場を覆った。私とむすめもつられて、たくさんたくさん拍手をした。むねちゃんが三振に倒れるのを見届けてから、「帰ろっか。」と、二人で手をつないで、階段を降りた。後ろではまだ、その打席の熱気が、余韻が、残っている感じがした。
どんな試合でも、たとえそれが7-15で負けていた試合でも、1イニングに12失点するような試合でも、それでも「でもこれだけは見ていきたい」と思える場面があるというのは、考えてみればすごいことだなと思う。もちろん、振り返ってみれば「これだけでも見られてよかった」というシーンはどんな試合にだってある。でもそれは、終わってみなければわからないことだ。何かが起こる前から、「これだけは見ておこう」と、期待するシーンというのは、そのチームを応援していればしているほど、少ない気がする。期待が空回りするのが、こわいからだ。
それでも、村上くんの打席は見ておきたい、と、今日私は思った。それは、それだけ村上くんが「ここぞ」で打ち続けてくれたからだろう。勝っている日も、そして負けている日でも、「でもむねちゃんのホームラン見たしね。」と、言いながら帰る日が、たくさんたくさんあったからだろう。
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