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マッシュの思考

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2023年7月の記事一覧

考えて朝になって、考えるふりで朝を待って。

眠れないから漫画を読んでいた。夜明け前の話を読んでいた。数話読んで本を閉じると、カーテンの隙間から朝日が入り込んできていた。

朝はリセットじゃなくて、みんなに平等にやってくる、そんな感覚だと書かれていた。若い頃の自分に言っても反論されるだろう、と続いていた。少なくともその時、彼はそう思っていたんだ。

自分はまだその感覚になれない。気分が良ければ始まりで、悪ければ終わりになる。どっちにしても朝に

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勝手に泣くのは構わないが、この灰にそれは必要ない。

昨日は眠かったから早く寝るんだと息巻いていたのに、遅くまで起きていた。深夜見たかった番組を見るか迷った挙句、我慢できずに見始めたのが悪かった。見逃し配信で未公開シーンも公開されていて、それまで見てしまった。つまり本編は2回見た。もうこの時点ですっかり深夜だった。大笑いのせいで脳は覚醒してしまって、もう眠れない。

しばらく退屈な映像を見ていた。肝心なことは言わないままで、需要と供給が見合っていない

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濡れた肌を撫でてくれる風を探したい。

今日は早めに目が覚めた。起きた瞬間から暑かった。寝ていても暑かったのかもしれない。

友人からの連絡に返事をした。素っ気ない感じになってしまうけれど、それは聞くべき相手を間違えているんだ。どんな返事を求めているのか分からないから欲しい答えは返せないし、相手の言いたいことは自分にとってあまりに当然の感覚だったからそうだねとしか言えない。

まだその感覚になってなかったの、とさえ思う。まだやってないの

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夏が沈んでいく最中を漕いでいる。

夜、ラジオみたいな話を聴いていた。ラジオの定義ってなんだかよく分からないな。誰かが話す声を不特定多数が聞ける状態であることとするなら、ラジオを聞いていた。

忘れかけている感覚で話していて自分もそんな会話がしたいと思った。言葉で遊ぶような何も残らない会話がしたい。言葉は広く受け取らないとつまらないと言っていた。その通りだ。

話なんて身内ネタの方が面白いんだから、身内を増やしていくほうが楽しい。誰

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涙なんて出ないから、君は雨を降らせるんだ。

今日は昼起きて、凄い人が凄い料理をする番組を見ながらパンを食べた。

知っていたけれど聞かなかったバンドの、知らなかった曲を聴いて夕方になった。自分ならこの素晴らしい曲になんて名前を付けるだろうと考えてみたけれど、どこかで聞いたタイトルしか浮かばなくて、言葉を扱う人の凄さを感じた。

いくつかの意味を含ませて、受け取り方次第で答えがたくさんあるような絶妙な組み合わせができる。自分もそんなふうに言葉

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君は何をしたら楽しんでくれるの。

二度寝の果てに目が覚めたのは昼過ぎだった。よりによっていちばん暑い時間に起きて、外から吹き込むわずかな風を扇風機で回して茹っていた。もう茹だるようななんて比喩じゃない、本当に溶けていた。

ラジオを聞いて、起き上がる気にもなれなかったけれど、いろいろと別のことを考えてしまって嫌になったから起床した。文字を書いて、文字を少し読んで、何を食べようか考えていた。

ただ自分が楽しんでくれればいいのに、そ

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どうせ死ぬんだし、好きなことだけやっていたい。

馬鹿みたいなタイトルを付けてしまった。今の気持ち純度100%だけど、それゆえにありふれていてつまらない。今日を読み返した時に、この静かな興奮を思い出せればいい。

数日前、突拍子もなく始めたことが思いがけず上手くいっている。実際に始めるまでが難しいんだって分かってるけど、初動が順調だとやっぱり嬉しい。

やりたいことが、ずっとやりたかったことがやっとできるかもしれない。一歩踏み出せば進み出すなんて

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もう行かないって思ったあの日の、鋭利な棘はまだ抜けていない。

起き抜けに今夜の予定ができた。

昨夜寝たのがそこまで遅かった記憶はない。今日だって朝目が覚めた気もする。でも起きたら昼過ぎだった。

目が覚めた記憶も夢だったのだろうか。

論点なんて勝手にずれていく。そこじゃないところで話をして苛立って、結局相手の手のひらにいる。手のひらで踊っている。

今日は雨が降るみたいだ。夕方、降る前に駅まで行きたい。

音楽を聴いて、電車の時間などを調べて、着替えまで

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混濁した夜、咲くというより散るように。

昨夜はなんだか夢みたいだった。帰宅して風呂に入って、音楽を聴いていたらだんだん実感してきて幸せだったなと思った。

幸せは相対的で、瞬間に感じるものだから、あの公園での時間は今より確かに幸せだった。その柔らかい緊張感を絶対という言葉に閉じ込めておけることが嬉しい。

ある言葉を読んだ時や、ある数字を見た時に特定の何かを思い出すように、この曲を聴いて今日のことを思い出せたら良いと思った。

それから

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今夜だけは家に帰ってちゃんと眠れますように。

凄い優しいと思った。ちゃんと食べてる、と同じ温かさがある。その角を曲がれば帰れるから、と同じ安心感がある。

そういう言葉を真っ直ぐに届けられる人がいい。そういう人になりたい。優しくされたいなら優しくしなきゃいけないし、好かれたいなら好きにならなきゃいけない。自分がやってないのに望みばかり膨らんでいくから、そんなのは嫌だと切りかかった縁を繋ぎ止めた。もう切れていたのかもしれないけれど、テープで留め

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見えない事情は、ちゃんと最後まで隠して。

今日は午前中には起きて、正午から降り出す予定の雨を待っていた。

ご飯を食べて、見たかった番組の配信を見て笑った。時間通りに降り出した雨は、特に何もないけれど、ただなんとなくやる気を削いだ。

最近何を考えているんだろうと思い出してみた。何かを思っても、その思考が終わった瞬間に箱に吸い込まれて閉じてしまうような感覚がある。道を引き返しながら思い出そうと試みるのに開かない箱が点在しているだけで、中身

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