わたしの贅沢な時間|喫茶女神
今週も1週間おつかれさまです。
先週今季のボジョレー・ヌーボーが
解禁されましたね。
フランスのスーパーやワイン屋さんでも
様々な種類のボジョレー・ヌーボーが
店頭に並んでおりました!
バイト先の常連さんとも
ボジョレー・ヌーボーの話をして
11月初旬を楽しんでおります!
あなたさまは今年のボジョレー・ヌーボー
楽しまれておりますか?
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週末の夜、
重厚な扉を開き
ほんのりと明るい場所へと足を踏み入れると
穏やかで心地のよい声で出迎えてくれる。
脚が高めの椅子に腰かけ、
マティーニを注文する。
今宵もバーのカウンターで
わたしだけの贅沢な時間がはじまる。
マティーニができるまで
1週間のできごとを振り返る。
クライアントへの説明をスムーズに行うために
あの図をもう少し加えてもいいかもしれない
新人さんの育成で
A社が行っていた研修やってみよう
来週の社内会議に向けての資料作成
Sさんが言っていたあの件加えよう…
なんてことを考えているうちに
マティーニがやってきた。
爽やかな奥にクセのあるジンの香りで
深呼吸をする。
戦闘モードから解放される瞬間だ。
辛口のお酒なので少しずつ味わう。
マティーニと共に運ばれてきた
チャームに手をのばす。
コクのあるビターチョコレートと
ミルクの甘さを感じるチョコレート。
日中このチョコレートの味を思い出し
悶絶してしまうほど
心奪われたこのバーのチョコレート。
ようやく口に運べる喜びに
一人小さく拍手する。
ここからはもう仕事のことは
一切考えずこの空間を楽しむ。
微かに流れるジャズの音
色とりどりのアルコールのボトル
バーテンダーさんの美しいステアする手元
別席からのスモーキーな香り
今日まで頑張ったわたしのための空間。
子どもの頃
洋画のバーでのシーンに
何度も心奪われた。
恋がはじまったり、
新たなミッションが言い渡されたり、
仲間になれと誘われたり、
ワクワクすることはいつも
バーから始まると思っていた。
現実は、一人まったりと過ごす。
激しいカーアクションも
スパイに命を狙われることもない
穏やかな夜だけど
とてもセクシーでクールなのだ。
そんな自分が好き。
お酒を飲み始めたころ、
背伸びして訪れようとした場所。
あの重厚な扉を
勇気が出ず開くことなく
そっと帰った。
30歳を目前にした今、
自分の好きなタイミングで
気軽に立ち寄れる場所になった。
少しだけ”大人”になった自分を
誇らしく思いグラスに口をつけた。
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