メンシプ)いつか好きな人とこようと旅先で思うこと
はじめてのヨーロッパ旅行は、5年前の卒業旅行だった。女友達とふたりでベネチアの運河を見下ろして、私はいつか好きな人とここに来たいと強烈に思ったものだ。もっといえば夕暮れの運河をたゆたう船の影を見て、「こんなところでプロポーズされたら即OKしちゃうよね」口に出したことを白状しよう。
海外という非日常で営まれている日常。家々の間に張り巡らされた細い水路を、船頭が1本の長い棒で操る細い舟がゆっくりと渡る。そのあまりのロマンチックな景色に、心を奪われた。
そして今、2度目のヨーロッパにひとりで降り立った。わくわくと不安をいっぱいに詰め込んだ、まだ肌寒さの残る春の日だった。
ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます。 スキやシェアやサポートが続ける励みになっています。もしサポートいただけたら、自分へのご褒美で甘いものか本を買います。