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私は私を大事にするって決めた:漫画『ランジェリー・ブルース』の感想

大人になってはじめていわゆる漫画本を買った。LINEマンガで気まぐれに読み、なんて素敵なお話と綺麗な絵なんだろうと紙の本をわざわざ探したのだ。今までもネットで漫画を読んできたけれど、LINEマンガから本棚に追加したいと思ったのは初めてだった。

『ランジェリー・ブルース』は、派遣社員から下着の販売員になった34歳の女性が主人公。彼女が仕事、恋愛、日常について感じることのリアルな描写と、下着を買いにくるお客さんとともに救われる表現が、お守りのように優しく、生活を生き抜く強さをくれる。

誰もが外見、恋愛、暮らし、仕事で満たされないものをもち、けれども人生ってこんな感じなんだろうなと、それを表に出さずにうまくやり切ろうとしている。登場人物もそれぞれに悩みがあるはずなのだが、真に嫌な奴というのがいないのも優しいお話だと思う。私はこの本を読んで、徹底的に浄化された。泣かせようとしている話じゃないのに、なんだかちょっと泣けたりもした。

34歳の派遣社員。意見は求められず、でも失敗は許されない職場でもがき、そんなふうに頑張りたい自分は恋人にも認めてもらえない。彼女の疲弊した表情が、1着のランジェリー、そして1人のフィッターに出会って変わっていき、自分も誰かを輝かせる仕事にと努力する様子に、私自身も励まされた。

私はランジェリーを買うのが好きだったが、最近はあまり新しい物を買わなくなっていた。測ってもらって買ってはいたけれど、選んでもらったことはない。でも、この漫画を読んで、フィッティングをちゃんとお願いしたいと思うようになった。それに、私はまだ自分が本当に輝く自分の姿を知らないんじゃないかと思ったのだ。

そして本書は、ライフスタイルや年齢による心と体の移り変わりも丁寧に描写されている。高価な下着が夢ではなく、現実に寄り添うものなのだと教えてくれるストーリーがたくさんあった。特に女性の不安や葛藤への優しい描写とハッとするセリフには、私にもこれから訪れるだろう子育てや加齢への不安を、否定せず包んでくれるような気がした。

漫画など詳しくもない私が、友人にもお勧めしたい1冊に出会えた。これからも本棚の中で私のお守りになってくれると思うし、今の私を見つけに行くためにも久しぶりに下着のフィッティングに行こうかなと思うのだった。


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mayu
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