生野菜と加熱 どちらが良いのか
野菜を食べるにあたって「絶対に生の方がいい」とも「絶対に加熱した方がいい」とも言いません。
ただ、腸などの内臓、人と火の歴史、簡単な実験などから、どちらの方が良さそうかの考察を紹介します。
人の腸は、超短い
人の食性は雑食です。
ゴリラやチンパンジーのように、雑食だけれどほぼ草食なのだと思っています。
肉食動物は内臓が小さいですが、草食動物は、植物を消化するために内臓が大きいです。
牛の胃袋が4つあるという話は、聞いたことがある人も多いでしょう。
イヌ科やネコ科の動物は、身体もシュッとしていて、狩りをするために素早く動けますが、草食動物の多くはずんぐりむっくりしていて、重量級なイメージがあると思います。
腸の長さを、比較しましょう。
といっても、クジラのような大きな動物は、人間よりも腸が長くて当たり前です。
なので、腸の長さが、身長の何倍かで、色々な動物を比べています。
ウシは胃だけでなく、腸も巨大です。
ゴリラはここには記載がありませんが、ウマと同じく12倍程度です。
人の腸の長さは、ライオン・オオカミ・ネコのような肉食動物に近いです。
こちらのクリニックでは、それを理由に「人はタンパク質を主食とすべき」と言ってますが、んなアホな。短絡的過ぎです。
人の腸が短いのは、果物食のおかげ
仮説ですが「人の腸が短いのは、果物食のおかげ」と考えています。この他にも複雑な要素はあるでしょうが。
バナナを食べているイメージのゴリラですが、実は種によっては果物よりも草葉を多く食べるようです。ウマと同じくらい腸が長ければ、草葉も消化できるでしょう。
ゴリラは草食寄りの雑食と言えます。
チンパンジーは、ゴリラより遺伝的に人間に近く、身体もスリムで内臓も小さめです。
そんなチンパンジーは果実食寄りの雑食です。
チンパンジーの食性 その1
チンパンジーのあれこれ⑤ 色々な食料(野生編)
当たり前ですが、最初から甘い果物であれば、消化は簡単です。甘くない草を食べると、消化は大変です。
人間の腸が短い理由の一つは、ゴリラのように採食中心でなく、チンパンジーのように果物中心であったと考察いたします。
人の腸が短いのは、火のおかげ
仮説ですが「人の腸が短いのは、火(つまり加熱)のおかげ」と考えています。
辛い野菜や、苦い野菜であっても、その多くは加熱をすると甘くなります。
ウシが4つの胃袋や腸で、一生懸命行っている消化を、加熱のおかげで省略・短縮しています。
日本では、加熱の他に発酵・熟成という手法も多いです。これもまた、生でそのまま食べず、例えば納豆菌が、腸の代わりに栄養素を吸収しやすい形に分解してくれます。
他にも煮物は加熱してますし、漬物は熟成させています。
熟成は、食品そのものが持つ酵素の働きで起こる変化で、発酵は、微生物の働きで起こる変化です。
加熱だろうと、熟成、発酵だろうと、生よりおいしくなってれば良いと思ってます。
人の食性は、肉食ではない
人の食性は肉食ではないでしょう。肉食だと主張する人には、
「肉が焼けてないと、噛み切れないんだが!?」
「焼いてるから、噛み切れるんじゃねーの!?」
「主食を生肉にしてみろよ! あごがいくらあっても足りねーぞ!?」
と思います。
歯の形も、肉食動物よりも草食動物寄りです。
人の腸が短く、草食動物よりも肉食動物に近いのは、チンパンジーのように果物中心の食生活や、火による加熱を発明したから、と考える方が納得できます。
火がない状態では果物を中心に食べていたが、火を発明したことで、肉、野菜、穀物などが加熱すれば食べられるようになった。古代の歴史とも、今の実生活ともマッチしていると思います。
生の野菜は美味しくない
純粋に、生の野菜は美味しくありません。
加熱して甘みがでた野菜なら、調味料なしで食べることもできます。
生の野菜、サラダを、ドレッシングや味噌といった味付けなしで食べられる人は少ないでしょう。
人の内臓は、草葉を直接食べる草食動物とは大きく違います。
部分的に、生の方が栄養が良い野菜もあるかもしれませんが、生の野菜は万能ではないと思います。
美味しいかどうかは、人の味覚ということです。
生野菜の多くは、ドレッシングや味噌と一緒じゃないと不味い。果物はそれだけで美味しい。人は果物食説、いかがでしょう。
プチ実験:リトマス試験紙
唾液をリトマス試験紙で調べるプチ計測を、たびたび行っています。
アルカリ食品である野菜や果物だけを食べると、唾液のphが何と7.8になりました。
この時は、味噌汁(ほぼ鍋)という加熱調理をしています。
(野菜・加熱の他にも昆布だし、味噌、にがり、天然塩といった複合要素がありますが)
ミキサーを買って、味噌汁と同じ具材を野菜ジュースにしました。サツマイモ・小松菜・ニンジンなどです。
これで楽して、栄養満点、唾液もアルカリ性によるだろう! と思っていたのですが、加熱のない野菜ジュースでは、唾液は全くアルカリ性に寄りませんでした。
私はこの結果に、心底ビックリしまして、生の野菜は以外と吸収できていない、と実感いたしました。
加熱・熟成・発酵をして美味しくなったものを食べるのをオススメいたします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?