私は初対面の人と会ったときに、同性、異性問わず、あ、この人とは親友もしくは深い付き合いになるだろうな、というのが直感で分かる。 勿論、特に何とも思わなかったけど話してみたら意外と気が合ったみたいなこともあるし、どっちでもない人(特に仲が良くも悪くもない人)がほとんどである。 これまで初対面で強くあっこの人だ!と思った人が3、4人いて、私はその人たちを出会う前から知っていたように感じている。 小学校のときの親友、大学で出会った友人、 そして半年前に出会った、特に称すること
続き》 ②別のある2人の人は、前世、私が川で幼い末の子を亡くしたと言った。1600年から1800年くらいの話で、いくつも前の過去世のことらしい。 その末の子が今の彼で、私はそのときの喪失感と無力さ後悔とやり切れなさをまだ抱えている、と。 その子は甘えん坊で手のかかるやんちゃな子どもだったらしい。私が手を繋いで引き留めようとしても、言うことを聞かず、振り払って泣きじゃくり、終いには目を離した隙に川に落ちてしまったそうだ。 危なっかしくて、だからこそずっと愛して目をかけてい
※これは半年前に出会い、おそらくお互いにひとめぼれだったとある人との関係における考察と次の恋に進むための余白を見出すための文章であり、個人の感情整理のために書かれたものです。それはそうと読んでいただけるのは嬉しい… 過去世が視えるひと(数人)に視てもらった話とそのフィードバックなど ・出逢い~魂としての意識が目覚めるまで 出会う直前、わたしってここ、この世界に"在る"だけで、周りの出来事も全部"在る"だけだし、わたしの世界に必要なもの全部"在る"んだよなぁっていう謎の感
恋をしていた。 わたしはいつからか、己の中でなされるがままに彼に恋をしていて、そして近くて遠い距離から彼を愛していた。 魂の記憶のような、かつて叶えられなかったことへの切望と、強いられた別離への苦しみがわたしの中で渦を巻いて、 感情は、わたしを癒してまた飛び立たせるために、自らの中にある愛と痛みの存在を教えた。 ノスタルジアにも似たかつての想いが、そうあるべきだった身体を借りて溢れ、ようやく空へ解けていった。 わたしのなかの知らない記憶の残音が、やっと許されたかのよ
いとしいあの子 わたしの子ども とてもとてもやんちゃで元気だから わたしでは手に負えないと 不安になる いとしいあの子 あの子はいない わたしがここにつかまえていたはずなのに わたしではつなぎ止められない 岸が、みえた。曇り空は灰白く鈍く光を集めていて、走ってきた裸足の足の下の草がやけに冷たく感じられた。 ゆうべ まだ眠りたくないとぐずっていた姿が目の奥に浮かんで消えた。 水はただ流れている。 わたしが握っていたはずの あの子の小さくてあつい左手は いつ
すり抜ける残り風が 私の小指を一瞬だけつかまえて それだけで もうここに留め置くことができないと分かってしまった そうわかっても否応なく手を伸ばし 私の手は過ぎゆく時間とかつての面影をなぞって空を切った 刹那 行ったことのない海の匂いと わたしを呼ぶ声 感情がさみしいと告げるから ひとはまた会えるのかもしれないけれど さみしさを知らないあの子が どこに行ったのか分からない ❖ Between the Boundaries A wind that slippin
どうしても身に覚えのない感情がある。 それは例えるなら冬の陽だまりの後に訪れる翳りのようなもので、気づくとふいに温もりが消えていたようなそんな静かな悼み。 あなたがいて、わたしがいて、その間にきっと見えなくても縁がある。 繋がることが別れをもたらすのだとしても、私たちはそれでも生きている。 目に見えない傷は目に見えないものでしか癒すことができないと、知ることすらない肉体。 ある意味でそれは前世とか魂とか、そんな言葉でしか形を与えることのできないもの。 ここにはない
駅。帰省先の実家から、自分の生活に戻る日。 いつもなら、帰りの新幹線で寂しさでひとりさめざめと泣いている。やがて着く頃には感情も静まって、月に帰ったかぐや姫みたい、と大層に称しながら何事もなかったように日常へと戻っていく。 それなのに、今日はいつもより寂しくなくて、なんなら実家に帰った当日に、これから会えなくなるかもしれない人がいて寂しい、と親の前で泣いた。 いつもと何もかもが正反対で、それが不思議だった。 親は、頑張りなさい、気をつけてねといつものように私を見送り、
身を締める 身体的な苦しさの奥、何かが爆ぜている。 実りを知らぬ恋は剪定にすら耐えられぬ。 墓場は、 覆いを着けられて、太陽にすら照らされない、青く熟れない硬い種。 表面が密やかに土を求めて蠢くうちに、最奥から篝火が燻り始め内側から身を焦がす。 そうしていくうちに何かが解け始め、わたしはなにかよくわからない生きものへと成り果てていく。 形を無くすほどには溶けることもできず、ただ痛みに耐えようと、手摺りを掴んだ。
なぜだか、ある人の靴がとても寂しげに見えた。 思い過ごしだと言われたらそれまでのことで、我ながら取るに足りない、些末な気づき。 その人は靴を脱いで、芝の上をひとり裸足で走っていった。 靴は、ただ、置かれたそのままの形を崩すことなく、そこに鎮座している。 グラウンドを傾いた夕日が照らし、季節にしては涼しい風が一筋の波を立てて通り過ぎていった。 しっかりと結ばれた靴紐、少しだけくたびれたシルエットが薄く影を伸ばす。 飾らないシンプルなデザインと素朴な色味の靴。 それ
海が見える。空がある。潮風が耳元を攫ってもわたしは、自分の肉体らしきこの肉塊を少しも動かしたくない。 もう十分に動いた。満足満足。そう言って終わりたいのに何も言葉は出ず、唇に僅かに温い吐息が触れて、私は生きている。 何もかも、私たちに選ぶことは許されない。 愛とか不安とかあなたとかわたしとか世界とか地球とか宇宙とか明日の生活とか。纏わりつく破滅への渇望とか。 満足しても、まだ終われない。 私は私の人生をただずっと見つめたまま、よく知りもしないあなたに恋をして、酸素不
時が流れていく。 もしくは時間という体感として、命が縮んでいく。 私はここで生きているらしい。どうやら人間として社会に出ないといけないらしい。 こうして生きていると、つい、何もかも与えられたことを憂いてしまう。 記憶、一番古いもの。誰にも言っていないけれど、私には生まれる前の記憶がある。普通は子供の頃にそういうことを言い出すらしいのに、私は色々あってつい最近、唐突に思い出した。 どこか遠いところ。すごく安心できて、重く纏わりつく肉体も重力もなく、ただ望むままに心地良い