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埋火

身を締める  身体的な苦しさの奥、何かが爆ぜている。


実りを知らぬ恋は剪定にすら耐えられぬ。

墓場は、


覆いを着けられて、太陽にすら照らされない、青く熟れない硬い種。


表面が密やかに土を求めて蠢くうちに、最奥から篝火が燻り始め内側から身を焦がす。


そうしていくうちに何かが解け始め、わたしはなにかよくわからない生きものへと成り果てていく。



形を無くすほどには溶けることもできず、ただ痛みに耐えようと、手摺りを掴んだ。

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