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この空に生かされている

いつからだろう
いつの間にか
朝起きって
まずカーテンを開けて窓をそっと開けた後
私は当たり前みたいに
ベランダへ出て
毎日空の写真を撮るようになっていた

2024年8月25日
初めてベランダに出た記念日
夏の空がお出迎えしてくれてるみたい
この日の朝日が
新しい自分みたい


本当は何年も前から
いや、結婚した当初から
気分転換にベランダに出て
空を眺めたり
日向ぼっこしてみたいって思ってた

でも
結婚後
鬱がどんどんキツくなる身体は
思い通りには動いてくれないし
そもそも
私は昔から日向ぼっこする
心の余裕を持ち合わせていないような
人生を過ごしていたのかな
もともと日向ぼっこする意味さえ知らずに
ずっと走り続けてきて
鬱になり人生の大半を気力がないのに
無理矢理頑張って
自分の気持ちを振り切る様な生き方をしていたみたいだ

そんな私が
結婚して
ついに本当に動けなくなる
完全停止した日

鬱病から双極症と診断が変わって
何年もの間、完全休養し
やっと身体と心が少しずつ回復して
ついに人と繋がりたいって
誰かと心を通わせたいって願って
文章を綴るようになった

少しずつ
少しずつ
恐る恐るコメントでやり取りしてみる

皆さん優しくて
寄り添ってくださったから
段々心が潤っていく気がした

そんな日々を過ごしていたら
大人になって
きちんと向き合ってみたい
友達になりたいって思える人とも
出会う事も出来た

心が潤う前
夫との距離感に苦しんで
でもこの閉鎖的な家から
散歩して外出する気力すらなくて
その時も1分でも良いから
せめてベランダへ避難しようって
何度も何度も思ったのに
気力なんてこれっぽっちも湧かなかった

でも
人と関わると不思議だ

ちょっとベランダにでも出て
気分転換したら?
気持ちいいよきっとって
友人と話していたら

次の日から
こんな朝日浴びる日々が始まってた

次の日は
なんとなくお試し
それでも
外の風は私を優しく包んでくれました
曇り空でも
深呼吸してみると
頭も身体も
まるで生き返ったみたい
今にも泣き出しそうな空の下
深呼吸しながら
体も捻ったり
伸ばしたり
こんな天気でも
関係なく
今日もベランダへ
深呼吸と身体を伸ばして
生き返るよ
いつ
晴れるかなって
空を見つめながら
朝ベランダに出る事が
当たり前に
朝日を浴びたら
昨日の孤独も悲しみも
その全ては
溶けていきます
毎日見ていると
空に表情を感じてくるように
なってきました
ベランダに出ると
本当に今日が始まるって
目が覚めて
全てがリセットされます
泣いた日
悲しみに暮れた日でも
こんな朝日が私を待っていてくれました
また
生き直せます
そして
10月22日の朝
空はすっかり秋になっていました

双極症に診断名が変わってから
いや、変わる前から
本当は外の世界に足を踏み入れなきゃって
思っていたのに
なんだか人間関係に躓く自分が怖くて
尻込みしていました

ベランダに出る
こんな些細な事すら
気力が湧かない
それもあるけれど
一番辛かったのは
意味を見出せないこと

外の空気が美味しいってなに?
気分転換ってなに?
だって私の世界は色をなくしていたから
私が見た周りの世界も
光も色も輝きも匂いもない
白黒の世界しか見えなくなっていた
当たり前みたいに

2024年11月5日
今日はペインクリニックに
診察にいくよ
私を見守っていてね


何年も足踏みしていた私が
一歩足を踏み出した世界の人から
かけられた何気ない言葉

それを拒絶しないで
やってみようかな、なんて
思えた自分を素直に抱きしめたい

もう2ヶ月以上も
毎日自分が朝日を浴びて気持ちがいいから

目が覚めて
また新たな1日を感じる事が出来て
嬉しくてたまらないから続けてる

こんな日がくるなんて

過去の鬱が辛くて泣きそうになりながら
布団の上でうずくまっていた私に
空の写真を見せてあげたいな

ほら
未来の私はこの空に生かされてるよ
深呼吸して
凝り固まった心と身体を伸ばして
生きてるって実感してるよって

過去の私は笑ってくれるかな
一緒に笑い合えたらいいな

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