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セールスクーポン、あなたは紙派?それともスマホ派?紙のクーポンがスマホより、ブランドに愛着の低い見込み客に効果的らしいです!
こんにちは、日差しは春だけど風の冷たさが身に沁みるDJムッチーです。
暮らしの中には、値引きや様々な特典をもらえるクーポンがありますね。
たまに、特典は要らないから値引きしてほしいものがあったりして、おかしくなってしまいこともあります。
クーポンは販売促進の典型的な手法として長年にわたって用いられていますが、スマートフォンなどデジタル機器の普及で、アプリやSNS、電子メールといったオンライン形式のものが主流になりつつありますね。
おそらく作って送るコストが安いことと、対象顧客を絞り込みやすいと言うのが普及の理由だと思います。
ところが、デジタルクーポンの効果について、紙のクーポンの効果との比較調査をしていなかったようですね。
そこで、上智大学と富士フィルムさんが実験をされたら、面白い結果がでてセールスプロモーション界隈で話題になっています。
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紙に回帰
上智大学の研究チームによれば、心理学の分野では同じ内容の文章では印刷物の方がスマホなどの画面で読むよりも記憶に残りやすく、理解されやすい傾向があるとされていたそうなんです。
マーケティングなどに関する先行研究でも印刷物を活用した販売促進の方が、オンラインよりも消費者の評価や認知に優位な影響を与えることが示唆されています。
ところが印刷物とオンラインの違いが消費者の購買行動にどの程度影響を与えるかの研究は進んでいませんでした。
そこで、上智大学の研究チームは富士フイルムさんと協力して、フォトアルバム作成サービスの販促キャンペーンでクーポンの形態によって利用率に差が出るかを調べたそうなんです。
富士フィルムさんのサイトに情報を登録している顧客から7500人を無作為に抽出して、3つのグループに分けました。
選択したアルバムのタイプによってサービスが無料または半額となるクーポンを郵便はがきと電子メールのいずれかの方法で計2回を下記のA~Cの3グループに送り利用状況を比較したそうです。
A:1回目でハガキ、2回目で電子メールでクーポンを送る
B:1回目でメール、2回目でハガキでクーポンを送る。
C:2回とも電子メールでクーポンを送る。
結果はAグループの利用率は20.7%、Bグループは17.8%だったそうです。一方、電子メールでしか受け取っていないCグループの利用率は3.5%にとどまり、一度でもはがきのクーポンを受け取ったグループの利用率が5倍以上高かったそうなんです。
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その後の追跡調査で、はがきでクーポンをもらった人はクーポンの内容に対する理解度が電子メールに比べて高いことも判明したそうなんです。
プロモーション研究では、文章の内容を理解することに意識を振り向ける割合が高いほど消費行動が誘発されることが分かっていています。また、画面の操作などを意識する必要がない印刷物の方が文章の理解度が高くなることが行動科学の実験から分かっていて、今回の調査が裏付けとなる結果となったようなんです。
面白いことに、コスト面でも印刷物を作るコストと期待される利益を推計すると、利益がコストを上回る可能性が示されたそうなんです。
印刷物はサービスブランドへの愛着の低い顧客に特に効果があることも後の分析で分かったようです。
この調査では、富士フィルムさんのサイトに情報を登録している顧客が対象なので、デジタルリテラシーは障害になっていないと思います。サービスブランドへの愛着が低いとは、富士フィルムへの愛着がある、新サービスブランドへの潜在見込み客であること考えられるので、好意的な新しい人を動かすには画面より紙が強いということなのでしょうね。
研究チームの外川拓・上智大准教授は「ブランドへの愛着が低い顧客に印刷物によるアプローチが有効ということが示されたのは販売戦略を考える上で重要な成果だ」と話しておられます。
すでに、スーパーマーケットやドラッグストアのブランド顧客になっている人には、手軽なスマホの割引クーポンが優勢のような気もします。
仮説が実験で証明されるのは、とても面白いことだし、有用なことです。
当世のマーケティングでは、デジタルツールを使って百打ちゃ当たるの精度を上げることに終始しているようですが、フィールドワークで、実態を掴んで、戦術に反映することの方が、後のマーケティングには重要なことです。
それでは、今日はこの辺で失礼します・・・
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DJムッチーでした。
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