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管理職昇格試験の要件整理
1.昇格試験 卒業方式と入学方式とは
この度、お客様から多くニーズをいただいた昇格試験について、試験設計の考え方についてご案内いたします。
昇格プロセスを設計する上で、前提のなる考え方として、卒業方式と入学方式があります。卒業方式は現等級の要件を満たした事を条件に上位等級へ昇格させる考え方です。
一方で、入学方式は上位職(昇格後の等級)で活躍できる要件を満たしている場合に昇格させる方式です。
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★卒業方式
現在の等級の能力を満たし終われば上位等級に昇格させる方法
★入学方式
上位等級の職務や役割を担える能力が認定されれば昇格させる方法
入学方式は、もはや古典的な言い回しですが、「名プレイヤー、名監督にあらず」という考え方です。
プレイヤーと監督では、必要な能力が異なるため、プレイヤーとして成果を上げても、監督として成果を出せるかは別の話になります。
そのため、役割が大きく変わる管理職昇格プロセスには入学方式の考え方を取り入れる企業が一般的です。
ただし、現職での貢献を加味しないと、昇格判断の納得度が下がるため、昇格試験を受ける条件として卒業方式の考えを取り入れます。
*入学方式は、卒業方式に比べて年功的な昇格運用の抑止力をきかせることができる
2.昇格要件の整理(人物評価の区分)
次に昇格要件の整理をする際の人物評価の切り口についてご紹介します。
人材の情報を収集し評価する際に、様々な情報を一色単に取り扱うと、誤った判断をしてしまう可能性が高くなります。
昇格の判断をするためには、どのような情報が必要なのかその性質と収集方法を理解しておくことが必要です。
MSC/DDIでは、下記のように区分してアセスメントを提供できます。
①パフォーマンス
現職での成果。卒業方式的な考えで、今の成果に着目して情報を収集します。業績評価や能力評価の結果や多面評価など
②レディネス(準備度)
入学方式的な考えで、管理職として活躍できる準備が出来ているかを昇格前に把握します。主な方法は、センター方式によるアセスメント、面接、知識テストなど
③ポテンシャル
こちらは入学方式よりの考え方になりますが、準備度にくらべると可変性が低い要素になります。リーダーとしての成長する可能性を性格特性をベースに判断します。診断テストで確認します。
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3.昇格要件の整理(サクセスプロフィール)
入学方式的な考え方を前提として上で、次の概念をご紹介します。
前章では、人物評価の区分についてお伝えしましたが、今度は役割や職務を軸にした要件整理の考え方です。
サクセスプロフィールという思考フレームで、ある特定の職務において活躍できる人材の要件をまとめる際に使用するフレームワークです。
管理職昇格の場合は、管理職として成果を上げる人材に必要な要素を検討する際に使用します。
4つの構成は、図の説明の通りです。
昇格プロセスを設計する上で、どの領域について対象者の情報を収集し、評価するのかを整理する事が重要になります。
★サクセスプロフィール=マネージャーの役割やその階層で成功するために求められる要素
「知識」「コンピテンシー」 「個人特性」「経験」の4要素で構成され、リーダー人財として成長するために重要な要素と弊社では捉えています。
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4.昇格要件の整理(まとめ)
これまでの話をまとめると、図のような整理になります。
サクセスプロフィールを設定し、準備度として、知識・経験・コンピテンシーの情報を昇格判断の材料として収集する事をおすすめします。
また、ポテンシャルとして、個人特性についても昇格判断の参考情報として収集する事を合わせておすすめします。
ちなみに、左側の知識や経験に関する情報は知っている事ややってきた事などの過去の内容となります。
右側のコンピテンシーや個人特性は将来的な側面で潜在能力や可能性を確認する内容となります。
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5.管理昇格要件の詳細内容(例)
各評価要素とそれに想定される評価ツールです。
知識や経験は主に過去の人事情報や行動情報を基に評価する事が可能です。
知識についてはテストや論文試験などでインプットを確認する事が出来ます。
コンピテンシーや個人特性については、外部のアセスメントを活用して測定する事ができます。
MSCでは初級・中級管理職向けオンライン・アセスメント~Manager Ready®やLIIなどのアセスメントツールが活用可能です。
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初級・中級管理職向けオンライン・アセスメント~Manager Ready®の詳細はこちら!
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6.評価ツール紹介 初級・中級管理職向けオンライン・アセスメント~Manager Ready®
Manager Ready®はマネージャーに必須となるコンピテンシーをオンラインシミュレーションで診断できます
①Manager Ready®メリット
1.リーダーの能力開発やパフォーマンスを加速するためのタレント情報を提供します。
2.貴社のリーダーにより適した人材を昇格、選抜、開発することで、業績を向上します。
3.実際の職場におけるリーダーの役割を緻密に反映した、現実的で気づきのあるアセスメント体験を受講者に提供します。
4.短い準備期間で迅速、かつ容易に、世界中の人材を対象にアセスメントを実施できます。
5.詳細なレポートとツールを活用し、すぐに実施可能な能力開発計画を立案できます。
6.受講者には能力開発計画実行に向けた複数のサポートを提供します。受講者の上司には、上司が受講者にコーチングをするべきコンピテンシーとそのポイントや適切な任務の機会を提案します。
7.単回の昇格目的での実施から、数千名におよぶ育成目的での導入まで、幅広く、グローバルに対応可能です。
②Manager Ready®診断可能なコンピテンシー
・コーチング (Coaching)
・意思決定 (Decision Making)
・権限委譲/エンパワメント (Delegation & Empowerment)
・効果的な話し合い (Guiding Interactions)
・イノベーションの推進 (Driving Innovation)
・影響力 (Influencing)
・人間関係の構築 (Managing Relationships)
・計画と組織化 (Planning & Organizing)
・変革の推進 (Facilitating Change)
・顧客重視 (Customer Focus)
・パートナーシップの構築 (Building Partnerships)
・戦略の実行(Execution)
・成果達成の推進 (Driving for Results)
・ビジネス手腕 (Business Savvy)
・対立の解消 (Resolving Conflict)
7.評価ツール紹介 LII(リーダーシップインサイト インベントリー)
✅米国DDI社で、成功するリーダーの研究から開発された心理学テストです。開発過程では、36もの有効性調査がなされています。
✅LII(リーダーシップインサイト インベントリー)は、リーダーとしての成長と成功の可能性を診断するためのツールです。
●成長の可能性
→個々のディメンション開発が容易か、困難か
●成功の可能性
→リーダーとしての適性が高いか、低いか
✅LII(リーダーシップインサイト インベントリー)では、リーダーとして求められる14の個人特性が診断されています。また、これらの特性は、4つの領域に分けられます。
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8.評価ツールを掛け合わせたレコメンデーション(9BOX)
MRとLIIを組み合わせることによって、高い精度での昇格管理が可能となります
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9.会社概要
会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円 (令和 2年12月31日)
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント
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