上手に糖質とお付き合いすることが大切
食事と食事の間の時間が、忙しかったり無理なダイエット等で空いてしまった時の身体の状態のお話から始めます。
健康な人の場合、インスリンの働きによって血糖値の変動は一定に保たれます。空腹状態の時間が長く続くと、どんどん血糖値が下がっていきます。
そして、低血糖の時に食事をとると、急激に血糖値が上昇していきます。
その際に、血糖値が急激に上がり過ぎると、(糖をエネルギーに変える)インスリンが大量に分泌されるので、その反動で血糖値が急降下し、食事前以上に下がってしまいます。
この状態が酷いものが「血糖値スパイク」といわれる症状です。
食後に強い眠気や倦怠感を感じたり、イライラしやすくなったりしたら、それは、酷い低血糖状態に陥るためかもしれません。
血糖値スパイクが続くと、血液中に余った糖が体内の組織や細胞にたまって身体の中が糖化されていきます。
糖化が進むと、くすみやシミ、シワなどの老化や、骨粗しょう症、白内障、認知症などの病気を引き寄せる原因になります。
病院等では空腹時に検査することが多いと思います。
そのため、血糖値スパイクかどうかの判断が難しくなります。受診する際には、事前に食生活についても話しておくと良いでしょう。
肥満や血糖値スパイクの予防・対策としては、食べる順番に気をつけること。食べ過ぎないこと。早食いをしないこと。お酒を飲み過ぎないことです。糖が吸収されやすい食べ物は、言い換えれば、糖が身体の中に一気に多量に入りこむということであり、血糖値が上がりやすいということです。
そして、怒りやストレス、睡眠不足、運動不足、喫煙も高血糖の原因になります。怒りやストレスは血糖値を上げるホルモンの分泌を促進させるということが分かっています。
又、睡眠不足になると血糖値の上昇を抑えるホルモンの働きが鈍るので血糖値が上がりやすい状態になります。
では、なぜ私たちは無性に甘いものが欲しくなる時があるのでしょうか。習慣になってしまう前に知っておきたいですね。
理由の1つに糖質不足があります。
糖質不足により(低血糖により)身体に異常が見られた際には、すぐにエネルギーを補給しなければ命が危険な場合があるで、(基礎代謝量の約20%を必要とし消費する)脳が糖を吸収しやすいものを「食べろ!」と私たちに指令を出す訳です。
脳にとってのエネルギー源は、100%糖質です。
これを脳に与えてあげないとどうなるのか。
脳の活動が低下して注意力・集中力がなくなり、大きなケガ等にもつながります。偏った食事は、栄養不足にもつながっていきます。すると疲労の回復が遅くなります。回復の遅れは、食欲不振や筋肉の痙攣、関節の痛み等の症状までも引き起こします。ですから脳も必死に私たちに訴えかけてきます。
では、身体を動かすエネルギー源である糖質をとことん摂らなかった場合(食材の栄養素の関係からゼロはないと思いますが)は、どのようになっていくでしょうか。
ダイエットでよく耳にする「糖質を摂らず、たんぱく質を摂れば大丈夫」という考えについてです。
(注意:正しく調整してコントロールする場合を除きます。)
たんぱく質は、筋肉・骨・血液などを作る材料です。糖質が不足していくと、身体の中では、まず肝臓のグリコーゲンを分解して維持に努めます。それでも足りない場合、筋肉のグリコーゲンを分解して維持しようとします。たんぱく質を壊してでも、糖質(代理)を作り出そうとする訳です。たんぱく質には、糖質の代わりではなく、「たんぱく質」としてお仕事をさせてあげないと、不足してしまいます。たんぱく質が不足してしまうと、筋肉量が低下し、病気に対する抵抗力も低下します。骨量も低下します。ケガの直りが悪くなります。貧血になります。お肌が荒れていきます。爪が割れやすくなります。ツヤもなくなります。髪がぱさついたり、白髪になったり、抜け落ちたりします。子どもに関しては、発育が遅れます。
綺麗にカッコよく痩せたいのであれば、食事バランスを整えることは必須です。