子どもの前で話すコツ②【組み立て編】
こんにちは。特別支援学級教員13年目のMr.チキンです。
今日は、子どもの前で話すコツの第2弾です。
前回記事はこちらです。
突然子どもの前で話すことになったら
前回の記事でも書きましたが、私の妻は個人事業主で、ピラティスの講師をしています。先日、小学生の運動団体からアポイントが来て、突然20名近くの小学生に教えることになりました。妻は子どもに教える経験はゼロに近いので、一所懸命に考えていました。
今の時期ぐらいから、人によっては少しずつ
という声がかかるかもしれません。特別支援学級教員として13年間の経験が、少しでも皆さんに生かしていただければと思い、”子どもの前で話すコツ”をまとめてみました。
※思ったよりも長くなりそうなので、シリーズ3部作にしました。
①技術編 ②組み立て編 ③メンタル編 でお届けします!
(2)組み立てのコツについて
では、どのように活動や話をまとめていくと良いのでしょうか。
私が授業を組み立てる際に気を付けていることをまとめてみました。
組み立て①:一番言いたいことはなんだろう?【焦点化】
あなたが子どもの前で話すときに、一番言いたいことはなんでしょうか?
例えば、職業選択についてのセミナーで、「講師として、今の職業についての熱い想いを語ってくれ」という依頼だった場合、漠然とこんな感じに考えると思います。
このように、話したいことをメモしていきましょう。書き出すのが大事です。
(書き出さないで頭で考えていると、悶々としますよね。)
そして、一番伝えたいことは何なのかというテーマを考えると、伝えるときにすっきりと伝わります。例えば今回の例では
なんていかがでしょうか。
そうなると、勤務体制やお金のことは思い切って外すことができるかもしれません。
決められた時間で、子どもたちに集中して聞いてもらうためには、話したいことを絞る【焦点化】が必要です。
組み立て②:時間3分の2の法則
小学校の授業は45分で1コマとなっています。
ここで欲張って「45分間の活動」を考えると、たいてい時間オーバーします。なぜなら
思ったよりも集中できている活動があり、時間がかかった。
機材トラブルで調整するのに時間がかかった
筆箱を持ってきておらず、取りに戻ってもらった
集合時間になっても集まらなかった
などなど、想定外のことが起きるのが普通だからです。想定外のことが起きるということを想定して組み立てることが大切です。
そして、時間オーバーは厳禁です。子どもたちは「45分間頑張るぞ」という気持ちで授業を受けますので、途中でチャイムが鳴ると、心が中休みモードに入り、視線が明らかに廊下に移っていきます。時間を守ることが、子どもの集中を守ることにもつながります。
そのように考えると、大体約束された時間の3分の2で終わる量を設定しておくと上手くいくことが多いです。
時間が余ってしまったときは、ワークシートのすみに感想を書かせたり、感想を発表してもらったりすると良いでしょう。
組み立て③:話し過ぎない構成にする
”講師になった!”となると、話すシナリオを考えますよね。
私の妻も一所懸命セリフの練習をしていました。
そんな時、山本五十六の有名な言葉を思い出してください。
一回のセミナー等でこんなにはできませんが(笑)
皆さんのシナリオは、【言って聞かせて】の部分が大半を占めていませんか。
やってみせ:模範指導をする
させてみせ:体験させる
話し合い:協働させる
という3要素を取り入れることで、子どもの前で話すことがグッと深まります。
【させてみて】では、難しいことを考える必要はありません。子どもの中から模範演技を一人頼んでみたり、クイズを出したり、全員でやってみたり、あなたの伝えたいことを一つやってみましょう。
話し合いも、様々な方法があります。
等、子どもたちの実態や話の内容に合わせて選択すると、より効果的です。
「グループ学習 種類」で検索すると、たくさんのやり方が出てきますよ!
組み立て④:15分で1クール
子どもの集中は「年齢+1分」ほどだと言われています。
長い間話を聞くことは辛いと感じる子が多いでしょう。
ただ、細かく区切っても集中は切れてしまうので、
15分で一区切りつける構成が効果的です。
私は授業中に簡単なストレッチを挟むことにしています。
組み立て⑤:こまったら「導入」「展開」「まとめ」で!
ただ話すだけなら良いのですが、しっかり授業形式で・・・となると、「導入」「展開」「まとめ」の流れに当てはめていくと整理しやすいです。
導入:授業の見通しを持たせる時間。「これは解決したい!」「やってみたい!」など、子どもに想いをもたせたら勝ちです。
展開:導入でもった見通しを実現させる時間。一人で考える”自力解決”やみんなで考える”交流”を取り入れると効果的。体験もここでやります。
まとめ:みんなで過ごした時間を総括する時間。ワークシートにまとめたり、手紙を書いたり、感想を発表し合ったりします。「楽しかった」「心に残った」が出てくると嬉しいですね!
このように、3段階で授業を組み立てるとまとまりやすいですよ。
組み立て⑥:ヘルプしてくれる人がいたら計画について話しておく
もしも、ヘルプをしてくれる人がいるのであれば、計画について話をしておきましょう。
授業にヘルプで入ってもらうことを、教育の言葉で”チーム・ティーチング”と言います。チーム・ティーチングが効果的に機能すると、授業は10倍にも20倍にも面白くなります。
特別支援教育は複数担任で授業をすることが多いので、チームティーチングの先行事例が多いです。
2000年に茨城県教育研修センターから出された”特殊教育諸学校におけるティーム・ティーチングの指導・支援の技術・スキル”の表は通常学級のティーム・ティーチングでも取り入れられるようなものがたくさん掲載されています。興味がありましたら、大阪総合保育大学の研究紀要にきれいにまとめてありましたので、見てみてください。
役割分担ができると、指導者側が授業の見通しをもてるのも良い効果の一つですね。
子どもの前で話すときは準備が9割!
今回はもっともっと書きたいことがあったのですが、かなり削りました。
それぐらい、子どもの前で話す時には準備が大切だということです。
そして、準備ができたら、あとは勢いです(笑)
学校教員ではない人が、子どもに話すということは、実はとても教育効果の高いことです。新鮮なので、子どもたちはよく話を聞きます。
”教員じゃないから、伝わらないかもしれない・・・”ではなく、”その道のプロである私だから伝えられることがある”という思いで、ぜひ熱を込めて伝えてほしいなと思っています。
では、またね~!!