自閉・情緒障害学級の進路についてまとめてみた
先生、マインクラフト面白いよ!と言われ、ついに手を出しました。そしてハマりました。息子と一緒にマイクラを進める日々に幸せを感じています。Mr.チキンです。
今日は自閉・情緒障害学級の進路について、若干の課題提起も含めてお話しさせてください。
自閉・情緒障害特別支援学級の概要
特別支援学級の種類
まず、情緒障害学級ってなんだ?と思われる方もいると思います。
正確には、自閉・情緒障害学級と言い、特別支援学級の種類の一つです。
特別支援学級というのは、幼・小・中・高の学校内にある、特別な支援を要する子のための学級です。
特別支援学級の種類については、
のうちの六 その他障害のある者で、特別支援学級において教育を行うことが適当なものに当たります。
具体的には、ADHDや自閉スペクトラム症、場面性緘黙、(場合によってはHSC)などが対象となっています。
なお、小・中・高とは別の場を設けて学習する特別支援学校では
の5種類となるため、情緒・自閉症のための特別支援学校種は現在のところありません。
地域ごとに異なる制度
特別支援学級については、地域ごとに特色ある教育制度が敷かれています。
横浜市などは「個別支援学級」と呼ばれており、名称から異なっています。
在籍学級についても各自治体で異なります。
通常学級に籍を置く地域もあれば、特別支援学級に在籍をさせる地域もあります。
このように、特別支援学級と一言で言っても、それぞれの地域で制度は若干異なります。
今回の例はあくまでもMr.チキンの所属する自治体での話となります。
進路について
特別支援学級は現状、中学校まで
「中学校までは特別支援学級があったよ」という実感のある方が多いのではないでしょうか。
文部科学省の資料を軽く調べましたが、高等学校での特別支援学級の設置数についてはデータがありませんでした。
高等学校での通級指導教室については平成30年度から実施されていますが、
数はまだまだ少ないのが現状です。
特別支援学校高等部や高等支援学校の入学基準
では、特別支援学級を卒業した子はどこへ行くのでしょうか。
特別支援学校高等部や、高等支援学校といったものが候補としてあげられます。
ただ、思い出してみてください。特別支援学校の設置基準は
となっており、自閉・情緒障害の特別支援学校はありません。
また、(地域によって異なりますが)一般的に知的障害特別支援学校の受験資格は
知的障害に該当する医師の診断
療育手帳を持っている
知的障害特別支援学級を卒業予定
となっています。つまり、知的障害を伴わない自閉・情緒障害特別支援学級の生徒は、
知的障害特別支援学校の受験資格がありません。
自閉・情緒障害学級の一般的な進路
それでは、実際にどのような進路が考えられるのでしょうか。
令和2年度の文科省の学校基本調査によると、いわゆる高校と特別支援学校高等部(高等支援学校)の割合は半々になっています。
自閉・情緒障害学級の児童の割合がこのうちどれくらいかは分かりませんが、
特別支援学級から高校への進学も一般的に選択される進路になってきているということでしょう。
自閉・情緒障害学級の進路の課題
自閉・情緒障害学級、教育課程の難しさ
一方で、教育課程を編成する際の難しさもあります。
自閉・情緒障害学級の児童・生徒の中には、
知的障害を併せ持つ児童から、高IQの児童までが在籍しています。
しかも、生徒8名につき教員1名が教員定数のため、
8名学級はどれだけ児童・生徒の実態が多様であっても、1名しか居員がおらず、
それに合わせた教育課程の編成が難しいのが現状です。
つまり、高校受験を意識したカリキュラムを編成することが難しくなっています。
学校によっては、知的障害を併せ持つ生徒に合わせて、作業学習を教育課程のメインに据えているところも少なくありません。
果たして、それが本人にとっての教育的ニーズなのかについては再考の余地があると考えられます。
高校内での支援体制の少なさ
高校に進学してからの支援についても課題があります。
先ほど書いた通り、高等学校には特別支援学級がありません。
平成30年度から通級指導教室(他校から自立活動等を学ぶために通学する学級)も始まりましたが、まだまだ数が足りないのが現状です。
まとめ
このように、自閉・情緒障害学級の児童・生徒の進学先については、
少しずつ高等学校への進学率が上がってきているという改善が見られています。
一方で、高等学校への受験に向けたカリキュラムが組まれづらいことや、高校に進学してからの支援体制が少ないというのが現状の課題となっています。
こられの課題に向き合っていくことが、
みんなが幸せになる社会の実現に向けての必須事項だと感じています。
では、またね~