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IT is my friend・・・? 連載完結

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100年後、Information Technologyで管理された世界でITと人類はうまく共存していけるのか。AIは人類に矛先を向けるのか。主人公の目を通して近未来の世界を見る。
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2017年1月の記事一覧

IT is my friend・・・? 24

 24、反撃 管理室に自転車ごと乗り付けた。

「おお、またワイルドなご帰還ですね」

「ああ、任せといてくれ。えっと、パソコンとバッテリを繋いだらいいんですよね。ケーブルください」

山田さんがケーブルを投げて寄越した。なんだ山田さんのパソコンっすか。クラッシックなもん持ってますね。

「OSはバージョンアップしてるけどハードはほとんど触ってない。だけど今でもしっかり動くんだ。こういう時役に立つ

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IT is my friend・・・? 25

 25、綾香の捜索 朝になっていた。

「おれ、ちょっと席を外させてもらっていいっすか。失踪事件で気になることがあるんで自転車でシティの北部地区に行きたいんですよ」

「ああ、いいよ。ヤンの店だな。くれぐれも気をつけて行ってこい」

「はい。じゃ行ってきます。リングは置いていきます。しばらくこの世から消えます」

 自転車を再び地上に持ち出した。ボックスエリアを見ると例の持ち主不明のボックスはもう

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IT is my friend・・・? 26

 26、奇妙な生き物 するとその生き物はいきなり目を見開いた。思わず後退りする。

「なんだ生きてるのか」

「おまえは誰だ。どうやって入った」

「なんだ話せるのか。ここは何なんだ」

「ここはわしの家だ。どうして入って来れた」

「鍵はかかってない。セキュリティ甘いぞ」

「おまえ、リング持ってないのか」

「ああ、持ってないよ」

「クソ、どうしてこの世にそんな輩が存在するんだ」

 丸いそ

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IT is my friend・・・? 27

 27、綾香の救出 管理室に入った。

「なんだおまえ、それ何の臭いだ?油まみれじゃないのか?」

「ああ、そのうち慣れますよ」

「まぁ無事に帰ってこれてよかったよ。立ち回りやったのか?」

「いえ、ちょっと走っただけです」

「そうだ、おまえがいない間に“R”に何度もアクセスしているやつがわかった。それが「ヤンの店」からなんだ」

「そんなことじゃないかと思いました。一緒に地球を救おうって誘わ

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IT is my friend・・・? 28

 28、大詰め 綾香とポリスのボックスで社まで帰らせてもらった。

綾香をしっかり抱きしめた。

「会いたかったよ」

「私、もうダメかと思ったのよ。だって私そっくりのレプノイドがクロードん家にいるんだもん」

「だよな。おれも綾香だとばっかり思ってた。一晩過ごしたよ。彼女と」

「バカ。変なことしなかったでしょうね」

「してないよ。あの日アレだと思ってたから」

「ああ、そうよね。でも、あの日

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IT is my friend・・・? 29

 29、対決ゆっくり引き返す。この辺に通路があったはず・・・と指の感触が変わった。

「ここだ。照らしてくれ」

慎重に壁を調べる。

「ここにドアがある」

取っ掛かりを探すが何も見当たらない。押してみる。スッと壁が後退した。

「あ、回転ドアだ」

90度向こう側に押した。

「誰かここに2人いてくれ。行くぞ」

慎重に進んでいく。ここは敵のフィールドだ。

「待て。この辺だ」

押してみるが

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IT is my friend・・・? 30

 30、日常へ 踊り場のドアから階段を上がっていくことにした。3フロア分上がるとドアにぶつかった。意外と浅い。ポリスが取っ手を引いたが開かない。

「忘れたな?」

「あ、つい。すみません」

「いいんだよ。もう終わった」

ドアを開けるとトイレに出た。ヤンの店から入ることにしていたら苦労しただろうと思う。

地上はもうすっかり暗くなっている。ポリスが「ポリス、ポリス」と叫びながら表のドアを蹴破っ

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IT is my friend・・・? 31 完

 31、I scream(私は叫ぶ) ITは友だち 完 由莉奈が笑顔でやってきた。手を挙げた。

「由莉奈、君の笑顔って最高だな」

「ふん。もうクロードの言うとこは聞かない」

「そう怒るなって。これはタイミングの問題なんだ。君にあと1日早く会えてたらな」

「いいよ、もう。あ、叔父さんとこの臭いがしてるね」

「そうなんだ。臭いの元を突き止めた」

「さすがクロードね。この方は?ちゃんと紹介し

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