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全てを手に入れるということは、それ相応のリスクを伴うことを忘れたりしてはならない。

今年があと一週間も無いことを僕はカレンダーから目視し確認した。人は簡単にこの一年でやり残した事はないかと残りの一週間で唐突に考えたりする。

もっと最初から考えるべきだとは誰も言わない。

それは、僕にとっても人と同じで自分に問い掛けて答えを見つけるタイプだったりする。

村上筋肉倶楽部~今年最後のトレーニング編~

僕の通うジムは、年末年始に休業になる。したがってトレーニング出来る日は僕のスケジュールだと今日が今年最後だった。僕は激しくリバウンドした体重を再び落とすためにこのジムを訪れている。知らぬうちに声をかけた脂肪が僕の胴廻りに纏わりついて離れない。随分と愛されたものだ。

僕は激しく纏わりついてくる脂肪の彼女にお別れを伝えなければならない。僕達は、一体何度復縁を繰り返しているのだろう。長年の付き合いで多少マンネリはあるものの、どこかいつも刺激と相対する柔軟さをくれる彼女に僕が強くお別れを言えないのが原因の一端であることは否めなかった。

僕は今日、少し強目にお別れを告げる準備に入ることを決めた。

トーソ ローテーション。

この器具が一番キツいと思う


全景


それは、負荷をかけながら捻り回転することにより内腹斜筋、外腹斜筋、腹直筋、脊柱起立筋というすべてのお腹周りの筋肉を刺激する器具だった。

この器具を使用するということは、彼女にとって僕に纏わりつく場所を喪失させるということだ。それは僕にとってもそれ相応のリスクを伴う。

この器具は全てを求める僕に対して容赦なく襲いかかってくるし、そこで得る筋肉と引き換えにそこにいることが自然で居心地良かった柔らかさの彼女を失うことになる。

そしてそれは、僕が決断を少しためらいながらこの器具に跨がった時だった。

「あなたの動揺が見てとれるようだけど、何を恐れているのかしら」

このジムに存在する少しタイプの彼女が珍しく僕の横にやって来た。僕はそれこそ動揺を悟られないように語るのに精一杯だった。

「やぁ。この器具はどうやら全てのお腹周りの筋肉に刺激をくれるみたいなんだ。どうして僕は今まで全てを求めず一部しか求めてこなかったのか考えていたんだ。それはきっと僕の内面に問題があるのか、それとも意識外の僕に問題があるのかをね」

いつものように、少しタイプの彼女は僕の話しはまるで聞こえないような素振りで話を続けた。

「全てを求めるのはそれなりに失うものもあるってことじゃないかしら。得るものが大きいのならその反面も同じよ。だけど両方が同じバランスとは限らないわ。伝わるものがあるかも知れないし無いかも知れないわね。あなた、それを知ってるくせに私に言わせるのは卑怯よ」

相変わらずの嫌悪感を向けながら僕に喋る彼女が少し動揺しているのを僕は見逃さなかった。

「僕は今年最後に君の前でこの器具を使い今の自分にお別れを告げるよ。それは僕が変化するということなんだ」

少しタイプの彼女は珍しく優しい口調で答えた。

「いいかしら。前にも言ったと思うけど私はあなたがどんなに変化しようとそれが正しい変化かは私には関係ないの。私に言えるのは、その器具を使うなら極めてゆっくりよ。焦って結果を求めるのはダメなの。それでも変化を求めるならその過程に寄り添うのが私の仕事よ」

僕は一瞬少しタイプの彼女が僕達の事を言っているのかと思ったがそれには触れなかった。

「オーケー。ゆっくり攻めるよ。君も今年最後までありがとう。また来年ゆっくりやろう」

少しタイプの彼女は、少し寂しげに見える視座で穏やかに私に告げた。

「そうね。私達に続きがあるならばね。変化を引き続き継続して求められる人って意外と限られてるの。裏切られるのは慣れているのよ」

そういうと、少しタイプの彼女は年末年始の暦に目を向けて去っていった。

年末年始にジムはやっていない。
やれやれ。正念場だ。

目標まで減らずのあと7kg。

💪
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これで本当に今年最後の投稿です。皆様ありがとうございました。本当に今年やりきりました。

今年最後にnoteがTwitterと連動してるのを知りTwitterも始めました。私が求めるのは、自分の表現を見つけること。そこで何かを感化し合える人。SNSでまた新しく自分の価値観や表現を変化させてくれる人に出会うことを求めています。凝り固まってしまったダサい大人になりたくないと考え反発してきた20代。挫折ばっかりの人生ですが、当時憧れを抱いていた人達の年代に自分が到達した40代をより楽しむためには、広く知識や表現を得てより謙虚に真摯に向き合いたいし、何かを誰かに与えられるなら与えるべきだと考える。そこに年代、年齢は全く関係なく尊敬出来るべき人に出会えるチャンスがあるならより拡げていきたいと考えております。事実、年齢だけで判断するならもう年下の人達の方が魅力的な人生を送っていたりします。そこに時代だからとかそういう年代だったからという他人任せはしないし、したくないです。自分なりのエンターテイメント人生を全うすると決めておりますので。また新しい出会いが起こり、自分を変化させてくれる感動を味わうのを来年も楽しみにしております。そして、来年また実際に会う方や会えるかも知れない方が増えるのを心待ちにしております。日々の成長は1人では成し遂げられない。くだらない時間の積み重ねが私を豊かにすると信じています。興味ある方遠慮せず連絡ください。

こちらも遠慮せず断ります。

うそです。ではいい一年をありがとうございました。

いずれまたがあるなれば



自分に何が書けるか、何を求めているか、探している途中ですが、サポートいただいたお気持ちは、忘れずに活かしたいと思っています。