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辛かった就職活動①
大学4年になると、周囲はやれエントリーシートだの志望動機だの、自己分析やら…就職活動をはじめ、騒がしくなっていた。
そんななか、自分はどうにも就職活動に乗り気にもなれずやる気も出ずに、ただ、周りに乗り遅れてはいけないという焦りのようなものだけはあり、合同説明会やらに、慣れないスーツを着て出かけたりしていた。
いくつかの企業や業界を回ったけれど、回れば回るほどよくわからなくなり、自分が何をしたいのか、どんな仕事に就きたいか…なんてことはよくわからなくなっていた。
なにを基準で選べばいいかという自分なりの基準すら明確には持ててなかったと思う。
自分の気持ちや動機、モチベーションとは別に、流れに乗り遅れちゃいけないとか、周りに置いて行かれてしまうとか、この就職活動という流れに適応しなくちゃいけない、ここでいい結果を出さなければという思いと、でも、なんだか違和感や自分の気持ちとの間にズレがあり気乗りしない感じが同居していたように思う。
そんな感じで、あまりエントリーもせず、面接も積極的に受けようとせずにいたら、気がついたら周りはチラホラと内定をもらい出したりし始めた。
私は、状況と心境ともに、新卒の就職活動というレースに、出走ゲートでウロウロしている間にどんどんみなが出走して取り残されているような感じになっていっていた。
今考えると、この時の自分は、
根拠のない、根拠の薄い、無知ゆえの自分に対する自信。
集団で大きな流れに乗ることへの違和感。
その流れから遅れたり取り残されることへの不安。
自分が何をしたいか、どう生きたいかや、将来や仕事をするということをそれまで真剣に考えてきたり自分ごととして捉えてこなかったし、急に就職、仕事、将来を選択しろといわれても、どうしていいか、どうしたらいいかわからない。
というようないろんな思いが入り混じった、複雑でかつ重苦しく鬱々とした、不安や迷いの中にいた感じがする。
この頃のことは正直あまりよく覚えていない。
とても嫌だったことは覚えている。
とても辛かったのは覚えている。
不安だったのは覚えている。
自分で自分のことがよくわからなくなっていたのも覚えている。
周りに先を越されて焦ったり不安だったのも覚えている。
でも、ディテールがよく思い出せない。
そうだ、でも、自分は社会に出て活躍できる、したい、やりたいことをやりたい、好きなことをやりたい、イケてる社会人になりたい、イケてる社会人生活を送りたいと思っていたのを思い出した。
これは、今思うと、大学デビューを狙った大学入学当初と一緒だ。
そして流れに乗れない、乗ることができなかったのも一緒だ。
今振り返ると、ここで一旦離れてみたり、冷静に自分が何をしたいかどうしたいかを考えても良かったと思う。
流れに乗るということがどうしても苦手で、その中で自分が歩いていくのが苦手だというのは経験済みだったわけだから。
もしくは、この時はまだ在学中だったのだから、こんなときこそ、離れていた学生相談室やカウンセリングに足を運んでも良かったのかもしれない。
または、友人知人、周りの大人、学部の就職課など、誰かに気持ちを打ち明けたり相談しても良かったかもしれない。
今思うと、いろんな選択肢が残されていて、それを選ぶ自由も時間も経済的余裕もあったはずなのに、そんなことは当時は考えられなかった、選択肢になかった。
やはり、
就職活動に成功。
して、
流れに乗って、
イケてる社会人になること。
が大事で、
就職活動をしないということは、そこから外れてしまう、こぼれ落ちてしまう。
ことだと思っていたから、
気乗りしないまま、モチベーションを持てないまま、また苦手意識や不安を持ったまま、
そのコースからは外れることができなかったのだと思う。
恥ずかしいし浅はかだし薄っぺらいな…と思うけれど、それが本心だった、それしか思い描く理想像がなかったと思う。
続く