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『フランス人は10着しか服を持たない』パリの暮らしから学ぶ上質な「おうち時間」3つの視点

コロナ禍で外出する機会が減り、おうち時間が増えたからこそ、日々の暮らし方を整えたいと考える方が増えたように思います。

今日はそんなおうち時間を豊かにする本をご紹介します。

ジェニファー・L・スコットさんの『フランス人は10着しか服を持たない』です。

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この本、私、本当に好きなんです。

ジェニファーさんは、典型的なアメリカ人の女の子として、フランス貴族の家に交換留学生としてホームステイした経験をもとにこの本を執筆されました。

その家のマダム・シックからたくさんの影響を受け、人生にとって本当に大切なことを学びます。

"日常が突然、特別なものにみえてくる"


ジェニファーは普段の暮らし方にヒントがあることを、パリでの生活でワクワクしながら吸収していきます。

カリフォルニアでは、ジャンクなものを好きな時にだらしない服装で、何も考えずに食べたりマイペース。

そんな彼女も、パリでのあらゆる丁寧な暮らしぶりを目の当たりにして、カルチャーショックを受けます。

この本は、そんなカリフォルニアガールがパリで気づいたことを、教えてくれる構成になっています。

「節度ある食生活」の愉しみ

食べることに関しては、以前ご紹介した『フランス女性は太らない』にもあった通りなのですが、体に良い食事に気を遣っています。

ビュッフェの描写が、耳に痛すぎました。

あるホテルでのこと。
豪華なビュッフェスタイルの朝食が準備されていました。

ケーキに、ベーコン、スクランブルエッグ、ベークドビーンズ、ハッシュブラウンポテト、ベーグル、クリームチーズ。

ビュッフェとなるとつい欲張ってしまいますよね。

ジェニファーもどの料理がおいしいかわからないから、とりあえず全部食べたいという誘惑に勝てなかったそう。

ところが、そこに居合わせたフランス人カップルに驚いたと言います。

その女性が食べていたのは、大きなボウル一杯のフルーツとプレーンヨーグルトとコーヒーだけ。

他にもおいしそうなものがずらりと並んでいても、見向きもしない。

フルーツを食べながら相手の男性と会話を楽しんでいたと言います。

"毎朝ビュッフェにあれだけごちそうが並んでいても、平気で知らん顔ができるのは、日頃からよほど健康的な食生活を心がけているからにちがいない。"

私もどちらかと言うと、ちょこちょこ全て味わいたいタイプです。

フランス人は普段の食生活から、本当の美味しさや楽しさを味わい、健康への関心が高いのですね。

「節度ある食べ方」が、美意識になっているのです。

日常生活がエクササイズ!

フランス人は階段をよく使い、エレベーターをあまり使わないとか。

日常生活の中で手軽にエクササイズできる方法をいくつか持つことが、体型を維持することにつながっています。

ジェニファーもそれを見習って、1年間365日続けてみたところ、脚とヒップは引き締まり、さらに荷物を持って上り下りしていたところ、腕まで鍛えられたそうです。

車を所有していても遠出する以外、身近な場所に行くだけなら極力歩いていく。

家事をエクササイズ化したり、テレビを見ながらレッグリフト(脚上げ)!
音楽をかけながらダンス、犬の散歩など。

こまめに体を動かすことを楽しんでいるから、特別な運動をしたりジムに通わなくても済むと言います。


季節で必要な「10着だけ」のワードローブ

私自身、身だしなみは、本当にシンプルでいいと思うようになりました。

洋服をシーズンごとに選ぶのが好きでしたが、この冬は必要最小限で済ませました。

コロナ禍では人に会うことも少なくなったので、クローゼットもそろそろ整理しようと考えています。

"ワードローブ選びは人によって、また住んでいる場所やライフスタイルによって変わってくる。"

とありました。
まさにその通りです。

春・夏用の10着のワードローブ、秋・冬用の10着のワードローブがあれば、あとはそれぞれ組み合わせるだけ。

手持ちが少ない洋服から何通りもの着こなしを考えることは、逆に想像力を掻き立てられそうですね。

お気に入りの服がゆったりとハンガーにかかっていると、着る服に頭を悩ませることもなくなり、気分も晴れやかになるそうです。

さらに、買い物欲がおさまり、服がくたびれてきたタイミングを見極めて、本当に必要な服を適切な時期に買うことができるようになると言います。

春だからこそ、クローゼットも軽やかな余裕を!

今読んでも、気づきが多くて素敵な本でした。
文庫本にもなっているので、機会があったら読んでみてくださいね。



















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森本木林(きりん)@読書研究家
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