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アルゴンの趣味

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【映画鑑賞メモ】箱男を見る

前記事参照
金曜に映画“箱男”を見てきました。

どうだったか?一般受けするとはいえない。自分の知らない前提が山のようにある話を説明無しにひたすら聞かされるような映画だった。
こちらが一切の常識を捨てて話に入っていかないと何も頭に入ってこないだろう。
・原作を読んだことがある人→原作の理解に役立つかもしれない。
・原作読んだことがない人→辛い。全く面白くない/ひたすら意味不明 という感想になること

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安部公房展を見に行く

金曜に以前の記事で書いていた安部公房展を見に行った。
場所は県立神奈川近代文学館。横浜の港の見える丘公園内 にあるが、市街地から遠ざかる方向にあるし、坂だらけのためアクセスがいいとは言えない。片道1時間半以上は掛かった。

展示の内容は、彼の一生の年表順に作品、私生活、(文学者同士の)交流等をなぞっていくものであった。
物としては何カ国語にも訳された本、小説や戯曲の元原稿、雑誌、演劇のポスター、知

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【子育て記録】240901 1歳半 美術館デビュー(早かった)

今日は家族で美術館に出かけた。

子供の話
基本的に絵に触るなどの禁止事項をしない範囲(柵の外側)では歩かせ、柵を超えそうな動きをみせたら引き剥がすようにしていた。
身長が低くて展示物の高さが合わないこともあったのかも知れないが、画面が大きい作品ほど比較的視線を注ぎ、画面が小さい作品についてはどんなに優れた作品(大人が目を留めた作品)であっても興味を示してくれなかった。
さすがに1歳半の子に大人と

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【イベント等紹介】今年は安部公房生誕100周年

【イベント等紹介】今年は安部公房生誕100周年

…という題名だけだとハァそうですかという感じだが、
それに合わせて週刊新潮さんなどがいくつかの動きをしているので、紹介したい。

1.小説がKindleで販売されるようになりました彼の小説は長いことKindleでは見られなかった。
今年の4月くらいに一斉にKindleで置いてくれるようになった。これで宣伝もしやすくなって嬉しい。新潮社から出版された作品だけかも知れない。
Kindleの検索で、やっ

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”ムーピー”のアルファベット表記

”ムーピー”のアルファベット表記


キッカケ今更なんの話?と言われそうだが、先日ディズニープラスで"火の鳥 エデンの宙"を見た。これの感想については別に記事を起こしたいと思うが、
この作品の中で僕が一番衝撃を受けたのは第二話の題名。
"Moopy"

これを見て、は?という驚きと、戸惑いと、怒り…ネガティブな感情が吹き出した。理由は後述。

ムーピーって何?冒頭から怒りが出てしまった。
上にあるように、手塚治虫の"火の鳥"に出てく

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【読書案内】安部公房が日経で紹介された

文芸誌にとどまらず、一般的なメディアがようやく安部公房を取り上げてくれるようになった。

とのこと。すごい作家。そうだね。
21世紀のクリエーターにも彼の作品を読んでほしいな。

飛ぶ男の小説は買ったがまだ読めていない。
今年一年は何か見つける度に紹介して一人でも興味を持ってくれる人を増やしたい。
武満徹のワルツと共に。

安部公房の映像作品を見よう

安部公房の映像作品を見よう

お盆明け(8/17-23)に渋谷で安部公房の映像作品イッキ見企画があるようだ。
逆に言うとこれだけかもしれない。
http://cinemavera.com/schedule.html?id=316

砂の女と他人の顔は大学のときに見たので、それ以外を見られるだけみたい。
※TSUTAYAでVHSを借りて、だったと思う。VHS再生機器を持つ友人宅で見て、友人は“何この変な話?”という困惑を浮かべな

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【映画鑑賞メモ】安部公房の映画を見に行った in渋谷 前半

【映画鑑賞メモ】安部公房の映画を見に行った in渋谷 前半

前の記事でも書かせていただいたけど、
本日から渋谷のCINEMA VERAで安部公房の映画祭りが始まっている。

原作がすべて安部公房ということではなく、脚本を担当しているものがピックアップされている、ということで比較的メジャーなものからマイナーなものまで混ざっている。

明日以降は行けなそうなので、本日、午前から夜まで浸らせていただいた。

客層このタイミングで安部公房の映像作品を見に来る層がど

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【映画鑑賞メモ】安部公房の映画を見に行った in渋谷 後半

【映画鑑賞メモ】安部公房の映画を見に行った in渋谷 後半

こちらの記事の続きです。

この記事では、
4.燃え尽きた地図
5.壁あつき部屋
の感想について書きます。

4.燃え尽きた地図改めて映像作品を見て…この作品は筋を追うような見方をしていてはいけないなということを再認識。
主人公が興信所の職員で失踪した男の後を追う…というところから物語が始まるにもかかわらず、依頼者の女性/聞き込み先の喫茶店の店員/依頼者の弟を名乗る人物/失踪した男の同僚 が、全く

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