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スキ綴り

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大好きなnoteを集めています。 わたしの心からの好きで抱きしめたくなるnote。 集めたnoteの感想文を書いて随時更新します。
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#小説

毒なら毒だと腹を括って賭けをして

 欲を沸かせるやり方は外から学んだ。まるで学校で数学を教わるようにして、公式のようなもの…

つきの
4年前
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光を待つひと #ナイトソングスミューズ

駅のホームのへりに立ち、遠ざかっていく電車の後ろ姿に手袋をした親指をあてる。羽虫でも押し…

七屋 糸
4年前
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ねえ、「君」は、実は君のことなんだ

noteって知ってますか? 聞かれて一瞬、不自然な間ができた。ああ、聞いたことある、と答えた…

お茶
4年前
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ショートショート 21 「写し鏡」

ジョン万次郎… 中学時代、教科書で初めてみた時、なんて歪な名前だろうと思った。 英名と和…

摘花の恋【てきかのこい/掌編小説】

手持ちの服をすべて試してやっと選んだすみれ色のワンピースも、二日分のバイト代をつぎ込んで…

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配慮の時代  #磨け感情解像度

映画館に来るなんて久々だと思いながら、チケットに書かれた座席を探す。 目当ての席を見つけ…

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世界で一番、あの子を愛している

中学生の時、「心友」と言い合っていた友達がいた。親友はいたけれど、そのさらに上をいく「心」友。 今考えると最高に寒い。凍える。でもその頃は本当にそう思っていた。 その子は小学生の頃に私をいじめていた。 憎くて彼女を殺してやるとまで思った。最強の不幸が彼女に降りかかればいいと思っていた。 元はと言えば彼女が他のグループでいじめられて、私のいたグループに入ってきたのだ。私のグループはいじめられる子が入ってくる逃げ場で、なんなら私たち初期メンバーはそれでいいと思っていた。 お前

【小説】漁村の女 #磨け感情解像度

私の腕の中では、ショールにくるまれて今年産まれた娘の真里が眠っている。夫が運転するレンタ…

上田聡子
4年前
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黒い髪

 初めて男の子の髪をきれいだと思ったのは、物心がついたころでした。女子よりもさらさらした…

伊藤緑
4年前
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【薄い本】映画館

チチチチチチチ……… 古いタイプの映写機が、これまた古いフィルムを一生懸命回している。体…

ピロリ
5年前
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note文芸部の歩みを最初の最初から今まで、そしてこれから。ぜんぶ振り返りました(サ…

こんにちは。文芸部部長 兼 代表の神谷京介です。 (最近からこの仰々しい名乗り、使い始めて…

note文芸部
5年前
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「多才なマルチアーティスト」作家紹介③ Kojiさん

こんにちは、文芸部員の百瀬七海です。 私が大好きな作家さんのひとり、Kojiさんを紹介させて…

note文芸部
5年前
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#note文芸部 部員紹介だよ!②

こんにちは! 文芸部員のまるぶんだよ! ※このあと研磨されそうになったから、あわてて逃げ…

note文芸部
5年前
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Fコード

僕はもう二十九歳で大人になってしまったけれど、いまでもときどき学生時代のことを思い出す。 十八歳。すべてのものごとが非生産的な方向に向かっていた時代。 僕は大学に通いながら週に二回、予備校でアルバイトをしていた。 そこでの仕事は、一言で言ってしまえば雑用のようなものだった。授業前の黒板の清掃、塾内便の記録用紙のファイリング、模試の申込受付、その他職員がやるに及ばない細かな仕事は何でもした。 慣れないスーツを着て、先輩から窓口業務の仕方や大教室でのチュートリアルの仕方を教わ