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毒なら毒だと腹を括って賭けをして

 欲を沸かせるやり方は外から学んだ。まるで学校で数学を教わるようにして、公式のようなものの全てを。
 奥が潤んだ瞳に見つめられたら目尻を下げて下腹に入っている力を抜き、纏う空気が膨張して私の領域を侵犯してきたら肩の力を抜き身体を少しそちらの空気に触れさせる。おずおずと触れられたらこちらからそっと指を絡めて胃の下の方から息を吐き、勢いよく肩を抱かれたら首に力を入れて顎を引きつつ脚の力は抜く。口付けられている間はまず腕に触れて相手の血を感じて人間であることを認識し、片手は心臓のあたりに移動させてどの程度の欲を抱かれていているかを探る。自分の体からはどんどん力を抜いていき、一時的に唇と舌に意識の全てを移して脳内を食欲で充満させ、飴で空腹を満たそうとしても満たしきれない時のじれったさを思い浮かべる。
 足りない、もっと欲しい、まだ足りない。
 目の前の喉の突起を食いちぎってしまわない程度に脳に空腹感を与え、手元は品書きを次々に読み込むように手繰り、厄介な骨を残した巨大な鳥の丸焼きがほぐされていくのを想起して、この身体の末端の末端まで届くほどの食欲を掻き立てる。そうして食い、食われ、腹を満たせぬ虚無で満腹中枢を刺激する。
 そのように学んだ。無い欲は別の欲を化けさせれば良いのだと。


 彼女が人の身体を観察しては食物に例えるようになったのはいつからだったろう。はしたないからやめろとたしなめると、あなたにしかそんな話しないわよと言うものだからちょっとした優越感が湧いた。誰に対しての優越感かはわからない。彼女が欲情できないことを知らずに自慢の羽を広げてみせる周りの雄たちにかもしれないし、耳に触る甘い声と鼻につくドブ臭い香りで彼女に擦り寄る雌たちにかもしれないし、時折底から這って出てくる淀んだ己にかもしれない。

「あの子の脚はおいしそうだわ、甘辛の手羽中ね」
「脚なのにか」
「手羽中って人間の脚みたいじゃない?」
「考えたこともないな」
「手羽先より手羽中の方が好きなの。面倒臭くないから」
「手羽先の方が肉は多いだろ」
「多ければ良いってもんじゃないのよ。あ、でもひとつ手羽先で良いところをあげるとしたら、二つの骨の間に張った肉を舌で押し出す瞬間ね。キスで舌を迎えられた瞬間はあの肉に触れる感触と同じよ」
「やめろ、次から手羽先が思い浮かぶだろうが」
「良いじゃない。そういえばこの前いろんなキスを食事に変えてみたの、聞きたい?」
「いいや」
「プレッシャーキスは熱すぎなさそうで実は熱すぎる肉まんを食べる時、バードキスは湯豆腐を食べる前に熱くないか確認する時、バインドキスは上手にソフトクリームを食べようとする時」
「俺の返事が小さかったか」
「聞こえたわよ」
「意地が悪い。お前がそんなに名前を知ってるとは意外だな」
「調べたの」
「わざわざ?」
「そう、気持ち悪くなったわ」
「ざまあ」
「でもこれは一種のテロなのよ、もしくは逆襲」
「自爆テロかよ。いい迷惑だな」
「あら、どちらが迷惑?恋愛と肉欲ですぐ理性が消えてしまう人々への理性の鉄槌よ。むしろ愛だとさえ思うわ」

 彼女は恋愛感情を「人間が賢くなりすぎないために神様が作った最大の弱点」と表現する。「愛してるの響きだけで強くなれた気にもなるのに?」と反論したことがあったが、彼女は「その『強くなれた気』になって危険を冒す人間が大勢居ないと、世界は前にも後ろにも動きやしないのよ」と全てを知ったような顔をして鼻で笑った。
 そうなのだろうか。「そうだ」と彼女は言う。性欲に思考を埋められている瞬間はどの瞬間よりも無防備で死に近い状態だと。そうだろうか。「じゃああなたはその瞬間他のことを、例えば不審者がその場に侵入して刃物を振りかざしてきたら自分の身をどう守ろうかと考えることはできるの?」と彼女は問う。「できないがそれは普段からも瞬時にはできないではないか」と答える。「できる」「いいやできない」「できる、なぜなら脳に思考する余白があるから」「思考する余白くらいいつでもある、相手に次は何をしてやればいいかを考える余裕があるからな」
 彼女がイライラしているのがわかる。箸の先を何度も何度も皿に当ててかちゃかちゃと音を立てる。「それは結局性欲に囚われている思考だもの、性欲とは結びつかない思考を持てない脳になっているのだから、身を守るのは無理よ」
 お互い引かない言い合いは「持つものと持たないものが議論すると結局お互い思い至らない部分ばかりだから、いつも平行線のままだわ」と彼女が悲しく笑ったことで終結した。

 何をそれほどまでに抑制しているのだろうか。彼女曰くこれはあるものを抑えているわけではなくそもそも存在しないということらしいが、果たしてそんなことがあるのだろうか。味覚がない状態の想像がつかないのと同じレベルで理解できない。やはり感じないようにしているだけではないのか、と思ってしまう。きっと人よりも誰かに対して胸が高鳴ることが少ないだけで、その高いハードルを越えることができる人さえ現れればなんとでもなるのではないかと。彼女が何でも受け入れたくなる相手が何処かに居るのではないだろうかとも思う。この地球上に人間はごまんといるのだから。
 欲が湧く相手にこれから先の人生で絶対に出会えない、なんてことがあるはずがない。食欲ではない別の欲がちゃんと湧く誰かはきっと居る。そう言うと彼女が冷たい目になりしばらく口をきいてくれなくなるので最近は言わなくなったが、今でもそう思っている。恋愛感情や性欲がない状態は想像がつかない。むしろ恐ろしくないのだろうか、これから先誰のことも愛せず、誰かを愛することでおこる何もかもが絶対にないということが。彼女は何を怖がっているのだろうか。


「あなたの喉仏は焼き小籠包みたいだったらいいなって思ってるの」
「実物食べながらそう言うこというのやめろ」
「この焼き色がついてる部分と形が似てるし、案外硬いのも似てる」
「触ったことないだろ」
「小さい頃に父親のなら触ったわよ。構造一緒なんだから同じでしょ」
「個人差あるだろ」
「個体差はあれど基本は一緒よきっと」
「個体って言うなよ」
「かじったら何か出てきそう」
「血が出るな」
「あなたの喉仏、私には魅力的に映ってるのよ?喜びなさいよ」
「喜べるかよ。あと形が一緒っていうなら、それかじる方向が逆だぞ」
「だって正面から口に入れると火傷するじゃない。本当はね、こう、絞ってある部分を全部口に入れてジュッと吸ってみたいの」
「確実に火傷するな」
「でしょう?だから喉仏を吸ってみたいの、焼き小籠包の代わりに」
「怖すぎ」
「怖くないわよ、だって焼き小籠包だものあなたのそれは」
「俺にとっては身体の一部なんだがなぁ」

 「同じよ」そう言って彼女は焼き小籠包に箸で穴を開けた。二つの穴のあいだをぐっと押して、中から汁を出しレンゲに広げる。穴の間を割って残りの汁も全て出す。そして突起を箸で掴みぐわっと開いた口元に運ぶ──かと思いきやレンゲの上でごろりと反転させ色の変わっていない白の部分をはさみ、突起側をがぶりと噛み切った。皿に顔を近づけたまま上目遣いでこちらを見やる彼女に下品だと注意をして、そんな目で挑発されてもこちらにとってそれはただの焼き小籠包でしかないのだよなぁと脱力する。彼女は時々、性欲を敵視しすぎて頭がおかしくなるのだ。気が強すぎる。

「触ってみるか」
「なにを?」
「俺の喉仏」
「絶対にイヤ」
「いいじゃん、俺がいいって言ってんだから」
「触りたいわけじゃない」
「一緒だろ、なんなら吸ってみてもいいぞ」
「イヤ」
「いいから吸ってみろよ。二度と焼き小籠包なんて言えなくしてやる」
「絶対にイヤ」
「穴を開けてもいい」
「そんなことしたらあなたが死んじゃう」
「いいよ別に。俺を殺せばお前の消えた欲も戻ってくるんじゃねえの?」
「消えたんじゃない、元からないの。だからあなたを殺したって出てはこない」


 分かり合えるかもしれない、なんて思わないに越したことはない。いつだって誰とだってどこかにターニングポイントがあって、「無いのではなく消したり抑えたりしている」と解釈されていることがわかった瞬間にすべてが冷めてしまう。どんなに言葉を尽くしても心を尽くしても、性欲を持てるあちら側の人たちと意識の底から理解し合えることはない。こちらが人に恋慕したり身体を繋いだりしたくなる感覚が微塵もわからないのと同じように、あちらは恋したり人に触れたくなったりしない感覚が微塵もわからない。それらの感情や欲があるのは人間として当たり前だと思っているのだからその溝は埋まらなくて然るべきであろう。
 殺したって出てこない。してみたって出てこない。擬態させたって出てこない。何をしても出てこないということは、そもそもで無いのである。

「私に性欲を持たせるためなら死ねるって、ずいぶん熱烈なのね」
「そうだな、好きだからな」
「なにが?」
「お前が」
「は?」
「俺はお前が好きだ。お前が俺に抱かれてもいいと思ってくれるんだったら俺は死んでもいいくらいには好きなんだわ」
「まるで二葉亭四迷」
「俺はいつお前のものになってもいいけど?」
「頭湧いたの?」
「いたって真剣」
「私が好意を毒だと思ってること知ってる?」
「知ってるよ」
「明日から私が会わなくなったらどうするの?」
「それな。まあだから賭け的な?」
「賭け?軽くない?」
「お前は軽いと思うか?お前の話を散々聞いてる俺が、恋愛感情を向けられるのを嫌悪しているお前に、分かり合えないと切り捨てられるであろう欲を見せてるんだぞ?」
「......重い」
「急に頭悪くなったな、思考できなくなったか」
「バカにしないで、まだ頭くらい動かせる」

 失くしたくない友情は、結局いつも私の分からない感情絡みで終わる。これでも過去に理解しようとしたことはあって、数回誰かと付き合うということもしてきたし未来を共に過ごす想像も準備もしてきた。でもいつも「これは私の本当の感情じゃない」と思ってしまって先に進めなくなり破綻する。だからもう私は誰かといることを求めないことにしたのだ。自分も傷つかないし、相手のことも傷つけなくて済む。それを彼だって知っている。なぜならその度に、それ以外の時もずっと話をしてきたから。
 恋愛感情というのは普段は賢い人の判断までもおかしくさせるから嫌いなのだ。彼は私を知っているのに、抱いたその感情のせいで私が踏み込まれたくないところに踏み込んでくるし、今この関係を失おうとしている。どうして。そこまで思ってくれるならどうして今一緒にいられる状況をあえて壊すようなことをして、あえて離れる可能性までも生んでしまうのか。言わなければ、見せなければ、私たちはずっと一緒にいられるし私から離れることはないのに。そんなあなただからこそ私は。

「傷つけたくない」
「常に傷ついてるから今更だな」
「だったらそれ以上傷つけたくない」
「これから先も傷つき続ける」
「じゃあもう会わない」
「それはもっと傷つくな。お前と同じ感覚になれないこと、お前を苦しめる感情を持ってること、どうしてもお前の考えてることを完全に理解はできないこと、俺の欲求はお前を傷つけるであろうこと、仮に付き合わせても苦しめること、それでも俺はお前が好きなこと。全部に傷ついてる」
「同じになれないことに傷つくの?」
「結局分かり合えないって何度も思わせてしまうことが嫌だ」
「私は『付き合ってもやっぱり無理でした、さようなら』ってなった時に、それまでのあなたの時間を無駄にさせていたことになるのがイヤなの」
「そうだな、でもお前の時間だって俺が無駄にしたことになる」
「時間だけじゃなくてお金も感情も全部無駄にさせることになる」
「お互いにな」
「それだけじゃないわ。いつ私が感情を作り込んで嘘を本当だと思い込んであなたを騙すとも限らない」
「そういうこともあるかもしれないな。俺だって今はお前のことが好きだとかお前の心が一番休まる人間になりたいとか思ってるけど、実際はお前の話をずっと聞いてきたから知った気になってて脳が錯覚してるだけかもしれない」
「友だちなら終わりはないけど恋人には終わりがあるじゃない。わざわざ恋人になる必要ある?」
「でももうお前に好意を持ってる俺を知ってこの関係つづけられるか?」
「ムリ」
「だろ?さあ、お前は受け入れるか突き放すかどっちかしかない。どうする?」
「なにニコニコしてるの?こっちは今必死に考えてるのに」
「いやぁ、いいもんだなと思って。もうこれから先お前がその脳内を俺のことでいっぱいにすることは絶対にないだろうからな、そのたった一回が目の前で見られるのは気分がいい」
「性格が悪すぎるわよ。一回ってどういうこと?」
「ハッ、考えろ」
「考えてる」
「もっと考えろ」
「これまでにないくらい考えてるわよ!」
「おもしろいなぁ」
「おもしろくない!」



 面白い。考えることが得意な彼女は、今俺を失うか失わずに済むかの瀬戸際に強引に立たされていて、十中八九失う選択肢しか選べないのに、自分へ好意を向けている毒物相手にこれまで積み上げてきた安心と信頼で右にも左にも動けなくなっている。他人はこの状況を見て彼女がかわいそうだと思うだろうか、俺の意地が悪いと思うだろうか。自分の意思が世界で一番大事な彼女は他人に自分の行先を握られることを嫌う。それなのにこと恋愛においては「無いから」と言って途中で思考を放棄してしまい、それゆえ自分を騙すことになってしまう。彼女の絶対的な意思によらない選択の上に積み重なる選択肢と結果が偽物になってしまうのは当たり前なのだ。彼女はそれを知る必要がある。彼女の成長のためとかそんな偽善者的理由ではなく、そこまで頭をかかえるなら俺を受け入れる選択肢を自力で持つために、彼女はそれを知らなくてはならない。
 というか、こちらが真正面からぶつかったのに逃げることは許さない。

「考えろよ、死ぬほど考えろ。無いからって思考することを投げるな。投げるから自分のことを騙すんだ。騙す隙がなくなるくらい考えろ、考えて諦めじゃない答えを持て」
「運動部の顧問みたいなこと言わないでくれる?キレそうなんだから」
「キレてもいいけどその後理性を持ってちゃんと考えろ。想像しろ。俺と一緒にいてお前の頭の中が何度も俺でいっぱいになる自分と、一度もならない自分をちゃんと場合分けしてそれぞれ答えを出せよ」
「先生にでもなったつもり?同級生のくせに」
「いつもキレキレで余裕綽々、他人のことを下半身に脳が入ってるってバカにしてる誰かさんはどこに行ったんですかねぇ。すっかり俺のてのひらでころがされちゃって」
「うるさいわね!下半身に移った脳で私たちの関係を壊そうとしてるんだからやっぱり恋愛感情持ちはバカなのよ」
「バカで結構。でもここで逃げたらお前もバカだぞ」
「ちょっと黙ってて」
「言っとくけど、俺はお前のこと抱かずにいられる」
「みんなそう言うけど結局ムリだったわよ」
「お前の無い状態を、俺は分かり得ないけど知ることはできる。お前が有る状態を知りたければ教える。有る人間と無い人間がいるように、有っても欲をぶつけないでいられる人間だっている。お前の元カレたちがどれかは知らん」
「『好きだから欲しい』『好きだから求める』『それが当たり前』ってどうせ言うんでしょう」
「言わない。求めない。好きだから」
「......もう言わないで、考えられなくなる」
「ハハッ、考えてもらわにゃ困るなぁ」
「だったら黙ってて。今あなたを傷つける覚悟があるか自分に問うてるところだから」
「一緒に色々傷ついたらいいだろ、俺だってトチ狂ったお前に喉仏潰されるかもだし?」
「もし万が一あなたの喉仏を吸ってみたくなった場合も含めて計算してるのよ、黙って」
「......触れんの?」
「その時になってみないと分からないわよ。99.9999%無いとは思うけど」
「ま、そうだよな」

 本当に考えているようで、こちらの目をじっと見たり皿の上の小籠包を箸で突いたりしながら彼女は黙りこくっているので、あまり邪魔をしてやるのもなとこちらも黙ってみることにした。無いものは無いでいいのに。有るものは有るで仕方がない、無いものは無いで仕方がない。


「じゃあ一ヶ月一緒に住んで、あなたが私にとって毒じゃなければあなたのこと受け入れるわ」
「ん?!」
「だからそこまでいうならまず一ヶ月」
「……いきなり一緒で平気なのかよ」
「これまでは序盤から半同棲に持ち込まれて丸め込まれてしまっていたから、だったら今回は出だしで丸め込まれずにいられるか実験してみたいの」
「実験ねぇ。一ヶ月でいいんだ?」
「本当は半年でも一年でも足りないけど、それはあなたに申し訳ないかなと思って...…」
「俺は今更一年も三年も十年も変わらないけどな」
「どういうこと?」
「もうすでに十年は超えてるってことだよ」
「何が?」
「何がって今更初心演じてんなよ。これまで黙ってた年月に比べたら言った後の十年くらいなんてことないってことだよ。わざわざ言わせんな」
「十年以上黙ってられたのにほぼ負け確の賭けに出たの?やっぱりおバカ?」
「負けなかったからいいんだよ」
「おバカな自分が悪いんだから、これから先傷ついたとか文句言わないでね」
「いや、言ったらいいだろお互い。どうせ傷つくことはこれから先何度もあるだろうし」
「そうなの?」
「そりゃそうだろ、お前は実験するつもりだし俺の感覚を知りたいんだろうし。俺だってお前の感覚を知りたいけどそれでも100%理解できるわけじゃない」
「へぇ。『君のこと傷つけないよ、大事にする』って言われるよりも信頼を置ける気はするわね」
「ま、俺はお前が自爆テロを起こさなくなればいいと思ってるよ」
「あなたが私に性欲を向けさえしなければ大丈夫よ。食べ物に例えるのは性欲を発露させる代わりだから」
「じゃあまあ喉仏吸いたくなったらいつでも吸わせてやるよ」
「いつかね」


 この人となら自分のことを騙さずに済むんじゃないか、なんてかわいいことを考えられるほど私は軽傷じゃない。
 毒を薬と偽って飲ませてこないか、私はこの人のことをずっと見張ってる。いっそ毒なら毒と言って堂々と渡せばいい、そしたら私もそれを飲むか飲まないかを考えるから。とはいえそこまで気を張っていなくても彼はわざわざ薬なんて言わないだろう、それくらい信頼はしている。

 持つものと持たないものの賭けに勝つのはどちらだろうか。
 少しだけ彼が勝ったらいいと思ってる自分には気づいていないことにする。生憎、負けっぱなしはイヤな気の強い人間なものだから。



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つきの
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