伊藤緑
遠慮せずに載せたいものを。そう思ってこのマガジンをつくりました。 詩や短歌、小説などの創作作品を掲載していきたいと思っています。 月に4回以上の更新を予定しています。曜日は不定期です。
これまでに発表した詩をまとめています。
これまでに発表した短編小説をまとめています。
これまでに投稿した作品のなかから、一部を抜粋してまとめています。ときどき更新するので、よかったらのぞいてみてください。
これまでに投稿した作品のなかで、反出生主義がテーマのものをまとめました。
一 出産というものに初めて違和感を覚えたのは、私が中学生の頃でした。あなたが産まれたときです。 風が吹けば田んぼに緑の波が立ち、昼間は蝉の声が、夜はクビキリギスの声がする、そんな夏のことです。当時二十代後半だった叔母が、元気な赤ちゃんを、あなたを産み、私の家にやってきたんです。 あなたを抱く叔母と、その隣に立つ旦那さん、叔母より一回り年上の私の父、そして母。大人たちはみんな破顔していました。赤ちゃん言葉で話しかけたり、小さな手を人差し指でツンツンしたりと、幼子である
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濃くて重たい影を 俯きながら引きずれば 夏を泳ぐ蝉や蜂に 命に近づかれて ひどく怯える
今日も呼ばれる 存在としてではなく 数字として 明日も笑いかけられる 心身としてではなく 数の一つとして