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僕は何者でもない。 実際には何者かではあるのだろうけれど、 とかくこのネットの世界では無名である。 文字をつらつらと、自分の考えをつづる。 でも僕のネットの声を聞く人は何人いるのだろうか。 芸能人や著名人、自身のスキルを活かした著者 さまざまな何者かが、この世界にやってくる。 その瞬間、私は太刀打ちができない。 このnoteで戦おうとする僕をフルボッコにしてくる。 その人たちは重ねている。 もちろんそうだ、そうでなければ大きく羽ばたいていない。 そんな何者かが、日々のお散歩
双子の信号機が迎える。 いつも青ざめてる2人は、 にこやかに迎え入れる。 10キロメートル逃避行。 時は歪み、空間は遅くなる。 残り7キロ テールライトの流れ星 雄叫びを上げる紅 ヴィンテージの疾走 薄いハゲ タイルの織り成すトンネル ふたつの信号機 風の塔と吹きすさぶかぜ、 ヒバリのこころ 涙がこぼれそうさ 残り3キロ 上り坂。 進めスピードを落とすな 止まると走り出す時苦しくなる 人生に意味はないのかもしれない 自分が居なくても社会は回ってしまう たった1人にでも、
ぼんやりゆっくり動いてる。 くっきり見るため、奔走する。 でも見えなくてよかったと、 ここに来てなお、思い立つ。 街頭にうるさく群がる虫の群れ。 そこには悲哀と本能が見え隠れする。 虫は他の動物より視界が良好でなく、 その分別の神経が研ぎ澄まされている。 夜中飛び回る虫たちは元来、 月の光を背中に浴びることで、 真っ直ぐ飛ぶことが出来た。 しかし、人の作りだした灯篭や 人工的な光に虫が寄るその様から、 飛んで火に入る夏の虫と言う ことわざすら出来ていった。 虫は生き
海は繋がっている。 海は身近な存在だった。 鴨川の海は太平洋。 バブル期から廃れた海岸線は道があってヒビが入っている。 子供の頃から、海水浴は決まってそこに行っていた。 海の街出身でも、山奥育ちの僕には、 たまに行く海が美しかった。 高校はその海の近くにあった。 放課後に用もなく、その海に行った。 部活動の浜練習もそこに行った。 初めての彼女に告白したのもそこだった。 卒業後、横浜に来ても、 地元に帰ると決まって、 その海に1人で行った。 昔と変わ
変化のスピードは必ずしも一定じゃない。 だが、変化のきっかけはいつも一瞬だったりする。 僕は話下手であった。 小学生、 彼らは悪口を使って、コミュニケーションを図る。 ばか、しね、きも、うざ。 簡単だからだ。 それを一つの標的に向けて放ち、 自分たちは最高のナイスガイになる。 僕はその悪口の対象でも、悪口を言う人でもなかった。 「そんな汚い言葉をお友達に向けちゃいけません!」 僕は母の言葉を信じ、人を傷つけることをしなかった。 同級生は、そんな僕に『つ
人の心を操るのは、 沸々湧き上がる自己防衛の精神と、 見え隠れする探究心だ。 傷つきたくない、辛い思いをしたくない。 大変なことをしたくない、たくさん作業したくない。 どれも人の根本にある自己防衛の精神から来るとすれば、 それは正常に働いているのである。 自らを表舞台から隠し、 普通の歩幅を矯正する。 ズレること、羽ばたくことを良しとしない。 己を守ることの延長戦でしかない。 だがその二元性の対をなす、探究心を忘れてはならない。 知りたい、やりたい、楽
このインターネットの世界で、 人々は自らを隠して生きている。 化けの皮は一切剥がさず、 理想の自分を演じ、好き勝手に文句を言っている。 自分の姿が、世界に解き放たれた時、 皆は同じように話せるのだろうか。 大きな声で、ネットの世界で歌えるか。 僕は歌いたいんだ。
今日も起き上がれなかった。 今日は論文をたくさん読む予定だったのに。 サブスクのコメディを常に供給しないと、 生きられないような気がする。 「最近素敵な人ができたんだ。」 こんな素敵なセリフを声高らかに叫びたい。 僕は自分の中身の声が大きいから、 リアルの声はなかなか大きくならない。 「誰か助けて!」 笑い事じゃないんだよ、ジョーイ。
僕はなにもいい点がない かっこ悪いし、頭も良くない 体は硬いし、愛する人とも向き合えない 部屋は汚いし、心も汚い 何もしたくないし、したいこともない 誰にも責められないし、責めてくれる人もいない お皿は洗えてないし、洗濯物も溜まったままだ 自分が本当に情けないし、世間は情けがない 死にたい、死ぬ勇気がない 首が痛い、ずっと寝てたからだ 動画見飽きたし、なんで見てたかわからない 人が憎いし、直接嫌味を言える人もいない 大切な人にも背を向けるし、醜い背中も
小学校5年生。 僕は眼鏡をかけた。 いじめられた。 子供は、その語彙力の少なさに、 共通の標的を見つけて、悪口をいうことで コミュニケーションを図る。 僕のメガネはしばし標的だった。 悪口が聞こえた。 中学生。 スポーツ用の眼鏡をかけた。 いじめられた。 一個上の先輩に無視され、 ペアでやる種目で一人ぼっち、 怪訝そうな顔で女子がこちらを見ている。 僕を排除したいようだ。 僕の頭の中で、悪口が聞こえる。 高校生 眼鏡を外した。 いじられた。