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エッセイ

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自分の身に降りかかったこと、日々生きてて思うこと、楽しいこと、感じること、世界の流れに身を投じて思ったことをここに。 少しの時間、私のたわごとにお付き合いください。 ※番号は…
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#辛い

美しさは嘘か

この世は最近、中途半端なものを嫌う。 何か完璧な人間を探している。 完璧なものを所望する。 美しいものを祀り、飾り 美しいヒトを世界の頂点に君臨させる。 その人以外、最高のヒトにはなれないのに、 それになろうとする有象無象が、 果たして幸せなのか。

44:コンビニ人

深夜どうもやる気がなくて、 徒歩で出かけるサンダルと。 アパートの沼をくぐり抜け、 荒い私道を踏みしめる。 換気扇に給湯器、 ファンが永遠回ってる。 ポケットの鍵はカラカラと、 風鈴のように、音を成す。 前も見えないヘッドライト、 原付少年俺睨む。 故郷思って空想に おとぎ話が流れ出す。 希望だけの世界じゃない、 哀しみがまた襲いだす。 陳腐な電飾煌めいて、 前のあいつも吸い込んだ。 続く俺はよろめいて、 暗い顔してドア開ける。 凄惨なほど

40:話し上手

変化のスピードは必ずしも一定じゃない。 だが、変化のきっかけはいつも一瞬だったりする。 僕は話下手であった。 小学生、 彼らは悪口を使って、コミュニケーションを図る。 ばか、しね、きも、うざ。 簡単だからだ。 それを一つの標的に向けて放ち、 自分たちは最高のナイスガイになる。 僕はその悪口の対象でも、悪口を言う人でもなかった。 「そんな汚い言葉をお友達に向けちゃいけません!」 僕は母の言葉を信じ、人を傷つけることをしなかった。 同級生は、そんな僕に『つ

39:それとぞれ

幸せの価値観なぞ、 人のそれぞれで、 まして、2人ぞ 合わぬがオチや。 2人俯く公園。 君がいると、聞いてだな。 まあその話はよそう。 君は自然が好きだって、 故郷思うからとまた言う。 コンクリの、 四角い空に慣れた僕。 バツが悪い故郷は、 ド田舎だ。 家を持たなくてもいいかなと思う。 君は家を持ちたいと言う。 子供は2人欲しいとねだる。 君は男の無知を叩く。 怒らないで欲しいと思う。 君は怒って、そっぽを向いたまま。 ウザいと思われたか

29:諦める

『諦める』の語源。 それは『明らかに見極める』ということ。 私は人から必要以上に多くの情報を吸収してしまう体質だった。 悲しい気持ち、辛い気持ちを感じてこっちまで苦しくなることが多かった。 学校でいい成績を出している人。 部活動で一番うまい奴。 画面越しのプロスポーツ選手や著名アーティスト。 この人たちには共通点があった。 それは『目』であった。 栄光を手にし、周囲から期待されていても、 彼らの目は、泣きそうだったのだ。 トップを目指すこと、優秀で居続け

24:おかげさまで

大切な人ができた。 時間制限付きの恋。 幸せを噛み締め、愛を語る。 悲観的だった日常が華やぎ、 そっと愛を感じる。 檻に閉じこもっている時、 私は、出る手立てを探し、 どうしようもなく、自分を傷つけていた。 でも今は少し違う。 自分以外に愛でる対象を見つけた。 自分を不用に傷つけるより、 誰かを大切にする方がいい。 高校生の時、僕の恩師の一人から、 こう教わった。 「自分が成長し、何か前に進んだ時、 関わってきた人に報告するときは、 『おかげさ

19:楽しみ悲しみ

今日も起き上がれなかった。 今日は論文をたくさん読む予定だったのに。 サブスクのコメディを常に供給しないと、 生きられないような気がする。 「最近素敵な人ができたんだ。」 こんな素敵なセリフを声高らかに叫びたい。 僕は自分の中身の声が大きいから、 リアルの声はなかなか大きくならない。 「誰か助けて!」 笑い事じゃないんだよ、ジョーイ。

18:反省

僕はなにもいい点がない かっこ悪いし、頭も良くない 体は硬いし、愛する人とも向き合えない 部屋は汚いし、心も汚い 何もしたくないし、したいこともない 誰にも責められないし、責めてくれる人もいない お皿は洗えてないし、洗濯物も溜まったままだ 自分が本当に情けないし、世間は情けがない 死にたい、死ぬ勇気がない 首が痛い、ずっと寝てたからだ 動画見飽きたし、なんで見てたかわからない 人が憎いし、直接嫌味を言える人もいない 大切な人にも背を向けるし、醜い背中も

15:色眼鏡

小学校5年生。 僕は眼鏡をかけた。 いじめられた。 子供は、その語彙力の少なさに、 共通の標的を見つけて、悪口をいうことで コミュニケーションを図る。 僕のメガネはしばし標的だった。 悪口が聞こえた。 中学生。 スポーツ用の眼鏡をかけた。 いじめられた。 一個上の先輩に無視され、 ペアでやる種目で一人ぼっち、 怪訝そうな顔で女子がこちらを見ている。 僕を排除したいようだ。 僕の頭の中で、悪口が聞こえる。 高校生 眼鏡を外した。 いじられた。