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この世は最近、中途半端なものを嫌う。 何か完璧な人間を探している。 完璧なものを所望する。 美しいものを祀り、飾り 美しいヒトを世界の頂点に君臨させる。 その人以外、最高のヒトにはなれないのに、 それになろうとする有象無象が、 果たして幸せなのか。
深夜どうもやる気がなくて、 徒歩で出かけるサンダルと。 アパートの沼をくぐり抜け、 荒い私道を踏みしめる。 換気扇に給湯器、 ファンが永遠回ってる。 ポケットの鍵はカラカラと、 風鈴のように、音を成す。 前も見えないヘッドライト、 原付少年俺睨む。 故郷思って空想に おとぎ話が流れ出す。 希望だけの世界じゃない、 哀しみがまた襲いだす。 陳腐な電飾煌めいて、 前のあいつも吸い込んだ。 続く俺はよろめいて、 暗い顔してドア開ける。 凄惨なほど
変化のスピードは必ずしも一定じゃない。 だが、変化のきっかけはいつも一瞬だったりする。 僕は話下手であった。 小学生、 彼らは悪口を使って、コミュニケーションを図る。 ばか、しね、きも、うざ。 簡単だからだ。 それを一つの標的に向けて放ち、 自分たちは最高のナイスガイになる。 僕はその悪口の対象でも、悪口を言う人でもなかった。 「そんな汚い言葉をお友達に向けちゃいけません!」 僕は母の言葉を信じ、人を傷つけることをしなかった。 同級生は、そんな僕に『つ
幸せの価値観なぞ、 人のそれぞれで、 まして、2人ぞ 合わぬがオチや。 2人俯く公園。 君がいると、聞いてだな。 まあその話はよそう。 君は自然が好きだって、 故郷思うからとまた言う。 コンクリの、 四角い空に慣れた僕。 バツが悪い故郷は、 ド田舎だ。 家を持たなくてもいいかなと思う。 君は家を持ちたいと言う。 子供は2人欲しいとねだる。 君は男の無知を叩く。 怒らないで欲しいと思う。 君は怒って、そっぽを向いたまま。 ウザいと思われたか
『諦める』の語源。 それは『明らかに見極める』ということ。 私は人から必要以上に多くの情報を吸収してしまう体質だった。 悲しい気持ち、辛い気持ちを感じてこっちまで苦しくなることが多かった。 学校でいい成績を出している人。 部活動で一番うまい奴。 画面越しのプロスポーツ選手や著名アーティスト。 この人たちには共通点があった。 それは『目』であった。 栄光を手にし、周囲から期待されていても、 彼らの目は、泣きそうだったのだ。 トップを目指すこと、優秀で居続け
大切な人ができた。 時間制限付きの恋。 幸せを噛み締め、愛を語る。 悲観的だった日常が華やぎ、 そっと愛を感じる。 檻に閉じこもっている時、 私は、出る手立てを探し、 どうしようもなく、自分を傷つけていた。 でも今は少し違う。 自分以外に愛でる対象を見つけた。 自分を不用に傷つけるより、 誰かを大切にする方がいい。 高校生の時、僕の恩師の一人から、 こう教わった。 「自分が成長し、何か前に進んだ時、 関わってきた人に報告するときは、 『おかげさ
今日も起き上がれなかった。 今日は論文をたくさん読む予定だったのに。 サブスクのコメディを常に供給しないと、 生きられないような気がする。 「最近素敵な人ができたんだ。」 こんな素敵なセリフを声高らかに叫びたい。 僕は自分の中身の声が大きいから、 リアルの声はなかなか大きくならない。 「誰か助けて!」 笑い事じゃないんだよ、ジョーイ。
僕はなにもいい点がない かっこ悪いし、頭も良くない 体は硬いし、愛する人とも向き合えない 部屋は汚いし、心も汚い 何もしたくないし、したいこともない 誰にも責められないし、責めてくれる人もいない お皿は洗えてないし、洗濯物も溜まったままだ 自分が本当に情けないし、世間は情けがない 死にたい、死ぬ勇気がない 首が痛い、ずっと寝てたからだ 動画見飽きたし、なんで見てたかわからない 人が憎いし、直接嫌味を言える人もいない 大切な人にも背を向けるし、醜い背中も
小学校5年生。 僕は眼鏡をかけた。 いじめられた。 子供は、その語彙力の少なさに、 共通の標的を見つけて、悪口をいうことで コミュニケーションを図る。 僕のメガネはしばし標的だった。 悪口が聞こえた。 中学生。 スポーツ用の眼鏡をかけた。 いじめられた。 一個上の先輩に無視され、 ペアでやる種目で一人ぼっち、 怪訝そうな顔で女子がこちらを見ている。 僕を排除したいようだ。 僕の頭の中で、悪口が聞こえる。 高校生 眼鏡を外した。 いじられた。