29:諦める
『諦める』の語源。
それは『明らかに見極める』ということ。
私は人から必要以上に多くの情報を吸収してしまう体質だった。
悲しい気持ち、辛い気持ちを感じてこっちまで苦しくなることが多かった。
学校でいい成績を出している人。
部活動で一番うまい奴。
画面越しのプロスポーツ選手や著名アーティスト。
この人たちには共通点があった。
それは『目』であった。
栄光を手にし、周囲から期待されていても、
彼らの目は、泣きそうだったのだ。
トップを目指すこと、優秀で居続けること、
そのため、あるいは無意識に
取り組むあの人たちは、
自分の時間や大切なものを犠牲にしていた。
彼らは諦めていたのだ。
小さな学校にしろ、芸能界、スポーツ界にしろ、
その道を極めんとする人たちは、
楽しいことや楽なことを諦め、
自分がいただきに進めるよう、見極めていたのだ。
道を求める。私の前にある。
孤独を履き違えていないだろうか。
寂しさを履き違えていないだろうか。
私はその道を進む。