#110 ノルウェーの風が吹く グリーグ『ヴァイオリン・ソナタ第1番』
20代で無職の時代が2年間ほどありました。
そういう特殊な時期に聞いた音楽って、ずっと心に残るもんです。このグリーグのアルバムも、そういった心理的おまけがついてるような気がしますが、それを差し引いても、グリーグのヴァイオリンソナタは素敵だと思うんですね。
でも第3番ばかり弾かれている気がします。第1番が一番好きなんです。グリーグの生まれ育ったノルウェーの風をすごく感じます。
紹介している演奏とは違いますが、これも昔持ってました。トネセンさんの演奏です。
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#グリーグ という作曲家に割とシンパシーを感じていて、いろいろ作品を聞いてみたいと思っているのですが。いわゆる「国民学派」は「自国」というものを西洋音楽でどう表現するかという難題に挑み続けたわけですけれど、グリーグはかなり「土着」な割合が多くて、そこが好きです。バルトークは純音楽的寄りですし、ヤナーチェクは個人的すぎるような。それも素敵ですが、それで「土着」が一段下に見られるのも癪ですよね。
評伝を読むと、グリーグという人もだいぶ尖っていた人みたいですしね。穏やかな人だからメロディも穏やか、というわけではないようです。
人の演奏をケチつけるわけではないですが、デュメイ/ピリスのコンビの演奏を聞いたときに、「はぁ、こういう演奏もあるのか」と思ったと同時に、ノルウェーという風土を全く感じない演奏にものすごくがっかりとした記憶があります。一言でいうとインターナショナルということなんでしょうが。
これがスタンダードのグリーグ演奏になったら悲しいなぁと思いました。売上的には、天下のドイツグラモフォンなので、こちらが圧倒的でしょうから。
シャハムは、グリーグの素朴な旋律とリズムを、とても楽しく聞かせてくれます。第2楽章の中間部のフィドルが奏でるような部分、とても楽しいです。残響がやや乏しい録音もこの演奏にあってます。
おまけに、抒情小曲集から、ヴァイオリンとピアノにアレンジした曲が何曲か入っていて、それも美しいです。
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