#118 メニー・クルシミマス トニー谷
超異色なクリスマスソングです。
#トニー谷 を一言で言うならば「司会者」なのですが、その名司会ぶりが注目されたのでしょうか、レコードも何枚か出していて、それを #大滝詠一 がうまく編纂したのが、このアルバムです。
英語と日本語をごちゃまぜにした胡散臭いトークや歌は、敗戦後、あっさりとアメリカにしっぽを振った日本人に対する皮肉とも、新しく入ってきたアメリカの文化への憧憬とも取れ、なんとも不思議な感覚を与えてくれます。そして、それを敏感に感じ取っていたトニー谷という人は、きっと心が純粋な人だったような気がします。
トークの毒が強すぎたせいか、最愛の息子を誘拐されたという事件が起き、結局それは無事に解決したのですが、その事件を境に彼の毒は抜けていったというのが定説です。やっぱり家族を巻き込むことはできないという優しさを感じたりします。
本当かどうか知りませんが、おそ松くんのイヤミのモデルともいわれたりします。ご本人は知らずとも、ルー大柴のルーツともなる人でもあるでしょう。 #民謡クルセダーズ に対する #東京キューバンボーイズ みたいなものですかね。
とても面白い人物なので、興味を持たれたら以下の書籍も読んでみるといいかもしれません。
歌の内容ですが、これが、ものすごいもので、ミュージカルのような仕上がりになっています。音楽の骨格は、完全に洋楽仕立てで、その合間に胡散臭い日本語や英語を交えたダジャレ、下手に文化を取り入れるのではなく、洋楽にそのまま乗っかってしまったというようなもの。しかも内容がクリスマス。
この力作は、戦後日本の縮図を見事に示したものになったと思います。トニー谷を嘲笑うものは、結局、自分を嘲笑っていると思った方がいいと思います。
そういえば、トニー谷は、江利チエミのことを紹介するときに「どこがいいんでしょうかねー『下痢チエミ』なんて~」なんて毒づいていたそうですが、ここに、トニー谷の鋭い感性が見て取れます。
結局、日本人が英語や日本語で洋楽歌っても、サルまねにしかすぎないということを十分わかっていたのかもしれません。そこで自分が何ができるかというのをよく考えて、これらの曲を作ったのかもしれません。
同様のつくりで、忠臣蔵と洋楽をくっつけてしまった「チャンバラマンボ」も絶対に聞きものです!ぜひ!
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