
#134 やっとわかった 大西順子『Wow』
30年前の誰かの言葉
「一つのバップフレーズも弾けやしない。ガンガン弾いてるだけ。話題先行の悪い例。ちったー勉強しから出直してこい。」
・・・生意気にこんなことを思ってたのは、中坊の私です。若さってひどいですね。
#大西順子 さんは、デビュー当時、その美しさもあり、話題の「日本のジャズピアニスト」として、日本の評論家もかなり持ち上げてました。もちろん #寺島靖国 さんも。
それに反発するわけでは本当になかったんです。寺島信者でしたから、素直に聞いたと思います。でも、上記の印象でしたね。どうしてこんなに持ち上げられるのか理解ができませんでした。
当時、僕の中で、一番の好きなジャズピアニストといえば、 #バリー・ハリス でありました。彼のスタイルから見ると、大西順子はとても「変」で「たりない」と感じる演奏でした。「これはジャズではない」と思ったものです。
その印象で、今まで来たけれど、 #小澤征爾 が #大西順子 の話をしてたり、 #村上春樹 もほめたりするのを読んで、もう一度聞いてみようと思い、最近聞きなおしてみましたが。
・・・アタシの間違いでした。ごめんなさい。本当に。
この『Wow』はデビュー作で、彼女の気合を感じます。僕が感じたのは、セロニアス・モンクのイディオムを応用した「脱バップ」の意識、です。
和音の選択がすごく厳しくて、そこがセロニアス・モンクに近いと感じます。適切な和音がない場合は、弾かない、という選択も躊躇しない。簡単に音楽が「あたりまえ」に流れるのを避けてゆくのを感じます。それと、メロディラインをユニゾンで弾きまくるのも特徴でしょうか。
「押し」の演奏のように聞こえますが、実は「引き」もとても多い演奏です。ベースの #嶋友行 さんは、ひたすら弾きまくってるので音楽が崩壊しません。これもきっとわざとなのでしょう。
その先に何かがあるのか、勝算があるのか、というところまでの見立があるかどうかはわかりませんが、とにかく、これだけの個性的な演奏がが大西順子から「自然」と出てきたスタイルだとすれば、それはすごいことだと思いました。
また別の録音も聞いてみたいと思います。ごめんなさい。
↓再発版も出てますが、オリジナルで十分全然いい音ですよ。よく売れた盤なので安いですし
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