#112 亡き父と聞いた メンデスルゾーン無言歌
今年は父が他界しました。原発巣不明の腹膜播種というがんでした。最後は本当に苦しそうでした。
生前父はクラシックが好きで、いろいろ、ライブラリーから拝借してきて怒られたものです。これもそんな一枚。#メンデルスゾーン の無言歌集。演奏は、 #レーナ・キリアコウ というギリシャの女性ピアニスト。
知る人ぞ知る、VOXレーベルの復刻盤で、このシリーズは父のお気に召したようで、何組もあったりします。僕も、そのおかげで、VOXレーベルに、素晴らしい演奏がたくさんあるということを知りました。
この、キリアコウさんも、とても素晴らしいピアニストです。何も足りなくないし、何も多くない、そういった趣味の良さがあります。
最初は、若い曲集からの、少しロマンティックな曲が好きでしたが、最近は晩年の、シンプルに見えながら誰にもまねできない技が凝らされた曲の良さもわかってきました。
長く楽しめる曲集です。
でもやっぱり、一番最初に触れた、１曲目の思い出は忘れられませんね。「甘い思い出」と表題がついてますが、僕にとっては普通の「思い出」って感じです。
父の通夜の時に、一人で「思い出」を聞いて、父を思いました。そういえば、このCDについて感想を聞いたことはなかったと思います。そして、これからもそれを聞くことはできないんだなと。
もっといろいろ話しておけばよかったと、きっと、みんな思うんでしょうね。
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