百々井モイ

みずがめ座のO型のロングスリーパー

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最近の記事

心だけが決まっている

仕事を辞める。その先のことは、後で考える。新卒から十数年間、転職はしながらもどこかしらの企業に所属して積んできたキャリアに初めて穴をあけるのだ。 会社に申し入れる時期が近づいてきていて、本当にいいのか逡巡はする。ネガティブな気持ちが戸惑わせて引き留めようとするけど、それでも旅立ちたい。 あまり人には話せない。具体的なキャリアプランもない。なんとなく辞めてみたいし、予定のない暮らしをしたいし、家族がみんな健康な今しか叶わない気がする、なんて自分以外に理解を得られる気がしない

    • なんとなく しあわせ

      いまは埋まっているスケジュールがとってもストレスで。真っ白がいちばん気持ちいい。1つでも予定があると億劫でしかたない。 久しぶりの真っ白な日曜日はいい天気だった。夫とふたりきり。ゆっくり起きて散歩して。運動にちょうどいいくらい離れた、私のお気に入りのカフェに連れていったり。ホットコーヒーとアイスコーヒーとプリンと一緒に、最近の話をして、これからの話をして、溜めた荷物をひとつずつ手放した。 外に出てカフェの外観を振り返りながら、心が満たされた実感が湧く。 スタンプカードも思

      • あけましておめでとうございました

        夫が入院して退院した年末。少し体が弱っているので外出は控えて家でのんびりぼんやり過ごしていた。食事も体調に合わせて食べられるものを少しずつ少しずつ。なんだか季節感のない、なんともゆっくりした時間の流れる25連休だった。 少し早く訪れた隠居生活のような時間。 「今日は何しよっか?」から始まる真っ白な一日。何をするわけでもなく散歩して帰ってごはんを食べ、お風呂に入って、布団に入る日々。 ぼーっと過ごすしあわせを知ってしまった。 こんな暮らしを続けられる方法があるなら知りたい。

        • 誕生日でした

          仕事終わりに夫とプチドライブ。 東京タワーのライティングがバースデー仕様になっていた。 週末はケーキを食べたり、 思い付きでデイキャンプしてチョコフォンデュを満喫したら 板チョコ4枚分を完食しちゃったり。 さらにバナナやイチゴやクッキーやポテチ浸して食べたしな。 そして年相応にしっかり肌荒れしてるんだけど後悔はない。 もちろんタワーは偶然の企画でした。 インフィニティ・ダイヤモンドヴェールという名前がついているらしい。 毎時間の正時に起きるキラキラ演出は何回みても好き。

          貧乏くじばかり引いてる気分になったなら

          自分の浮き沈みを、わたしはまだコントロールできない。 ひとつダメだと全部ダメな気持ちに嵌ってしまう。ことがある。よくある。 そして思うのだ。どうしていつもこうなんだろう。 例えばあの子よりもたくさんの仕事をしているのに。 わたしの方が、うまくやっているはずなのに。 残業が多かったのは、みんなができないことを、ひとりで一生懸命やったからなのに。 というダークサイドに堕ちたコンディションを自覚したなら、 早く帰ってとにかく寝るに尽きる。 寝て、寝て、寝て、寝る。 でもさ、

          貧乏くじばかり引いてる気分になったなら

          ひどく疲れてしまうとき

          何かを言い残したくなるのはひどく疲れたときばかり。 あの人に会ったらこんなことを聞いてもらいたい、と、吐きたい愚痴を浮かべながら、頭の中で攻撃的な言葉を組み立てていないか。 振り返って立ち止まることができるようになった分、少しは大人になったと思う。でもそのやり場のない気持ちを消化することができないままで溜まる感覚を味わっては、いつまでも幼稚な自分が嫌になる。 情けないまま深呼吸をして。顎の力を抜いて奥歯の噛み締めをほどく。眼を気にしてみて強張っている顔面を一生懸命ゆるめ

          ひどく疲れてしまうとき

          2020年8月20日の下書き

          言葉が溜まっていく。ような気がするだけで実際はどこにも溜まっていなくて、無かったことのように過ぎて消えていくだけだと気づいた。 留めておきたい気持ちがたくさんあるのに、言葉を与えないとみんな無かったことになってしまう。確実にあったのに。あっという間に過ぎてしまうから、きちんと時間をかけて残したい、と思っていた記憶と実現できていない後悔と無念だけが残っていく。 最近、この転職はひとつのドロップアウトだったのかなとかぼんやり思う。とりとめのなさすぎる話である。

          2020年8月20日の下書き

          夏の終わり、神戸

          ひとり旅ができることは、大人になることだと思っていた。 ひとりきりで準備して訪れた初めての場所は神戸だった。後で旅を繰り返すうちに気づいたけど、海と山のある港町にばかり惹かれるわたしの原点は間違いなくここだと思う。 まだスタバもモニュメントもなかったメリケン波止場で、たまに跳ねる魚を眺める。初めて出会う海だけど、東京湾と繋がっているんだよななんてことを考えたような気がする。どこの海にいっても必ず同じことを考えてしまうだけなのに、初めての海は嬉しい気持ちになる。 次の日も

          夏の終わり、神戸

          いちばん好きなジンジャーシロップ

          2021年の11月は、結婚式を挙げる予定だった。でも、コロナが最初に広がり始めていた5月にはあっさり中止を決めた。当時はまだ希望的観測もできる状況だったけれど、先行きの見えない不安を抱えながら人とお金を動かすプロジェクトを進める気持ちにはどうしてもなれなかった。(キャンセル費用が納得できる金額のうちに決めて本当に良かったと心から思う。) その代わりに企てたのは、新婚旅行。行き先は屋久島。ゴールは縄文杉。もうひとつのゴールは指宿温泉。 屋久島に着いた日は、ゆっくりまわって観

          いちばん好きなジンジャーシロップ

          足りない、おまけ

          呑まれるように、流されるまま、4月が終わる。 記憶らしい記憶があまりないほど、淡々とした30日間だった。記憶というよりは、実感がない。春の実感。季節の変わり目。年度の変わり目。大型連休。 時間があるんだか無いんだかわからない毎日だった。漫然と過ぎていったような気もするし、懸命に過ごしてきた気もする。どちらにしても、今までいい加減に扱ってきた些細な幸せが、いちいち気持ちを整えて活力をくれることを知った。もう馬鹿にしない。 起きる、食べる、寝る、は質とリズムで生命を維持する

          足りない、おまけ

          明るいリビングに仲間が増えた

          生まれて初めて、植物を衝動買いした。 今まで、物を言わない植物にはあまり関心も無かったし、ものぐさな私はきっと枯らしてしまう気がして、自分には向いていないとばかり思っていた。 でも生活が一変すると、嗜好も変わってくるらしい。良くも悪くもコロナの影響力は測り知れない。 在宅でも追われるほど仕事があるだけ有り難いのは承知している。それでも自作のワークスペースでPC画面かスマホとにらめっこする日々は、体にも気持ちにもじわじわとダメージが積もっていく。 来る日も来る日もずっと

          明るいリビングに仲間が増えた

          限られた空間と時間の使い方をよく考える

          家で仕事をすること自体は苦痛じゃない。家は自分の好きなインテリアで統一されていて心地よいし、コーヒーやお茶も気分に合わせて自由に選べる。でも、今まで当たり前だった習慣を失うと、心が不安定になるらしい。 半径3メートルの生活圏朝からダイニングテーブルでパソコンを広げて働き、お昼はキッチンで昨日の残りをチンしてまたテーブルで食べる。キッチンで洗い物してテーブルで仕事の続き、終わったらキッチンで夜ご飯の準備、そしてまたテーブルで食べてキッチンで片付ける…ということを1週間続けたら

          限られた空間と時間の使い方をよく考える

          消えてしまいそうな週末とハッチポッチステーション

          今週に入ってから、時差出勤もやめて終日在宅ワークに変えた。意外と心地良いなと思いつつ、家にずっといるのに家事を溜めることには妙な罪悪感があることもわかった。でも総じて言えば、私はこのスタイルが合っているような気がしている。 ただ、今朝、気づいた違和感。いつもあんなに待ち遠しかった週末が来たのに、どうも気持ちが晴れない。気軽に出かけられない憂鬱さはいったん置いておいて、オンとオフの境目が曖昧になったことで休日の喜びまで消えてしまったんじゃないかと少し焦っている。週末が消えてし

          消えてしまいそうな週末とハッチポッチステーション

          大学生になったらやりたいこと

          テレビを消してスマホを置いて、ひとりで静かに本を読んでいると、世の中の騒ぎを忘れてしまいそうになる。 夕方、少しだけ買い出しに出かけると、早朝みたいな静けさと緊張感で違和感いっぱいの街。あとウーバーイーツのチャリ族がやたらたくさん走っていた。 寂しくなった。友達に会いたいし、わいわいご飯食べたりしたい。日頃からひとりが好きだと豪語してきた私でもそう思うんだから、気持ちの滅入っている人は想像以上にたくさんいるに違いない。 SNSを眺めては意外とみんな楽しそうじゃんなんて思

          大学生になったらやりたいこと

          土曜日のライスハック

          我が家の食卓に新しいルールができた。 毎週、土曜日の晩ごはんはカレーライス。ちゃんとスパイスで作るやつ。 このルールができてから、献立にあまり悩まなくなったし、カレーが大好物の夫には必ず喜んでもらえるし、良いことがいっぱいあって幸福度がじんわり上がっている。新しいライフハックかもしれない。 土曜は米の日だから夫は、数年前から米アレルギーを持っている。お米を食べられない日本人もいるんだ、珍しいな、と最初は思った。それなら日々の食事は麺類やパンが中心なんだろうなと思いきや、な

          土曜日のライスハック

          3月11日の次の日とかその次の日のことも

          「3.11」という日付が大々的に語られる一方で、私はどうしても、その翌日のことも、同じくらい強烈な日として未だに思い出す。 あの日、2011年3月11日(金)のことは、目の当たりにした誰もがきっとずっと覚えていて、これからも毎年ずっと思い出されたり語られたりするんだろう。その翌日、2011年3月12日(土)の話も、私はしたい。 震災の瞬間、私は池袋のジュンク堂書店の8階にいた。本が降ってきた。私の最初の震災の記憶は、床に上製本が散らばる光景だった。「踏んでも大丈夫ですから

          3月11日の次の日とかその次の日のことも