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氷室冴子の『いっぱしの女』が嫌いな人はいないんじゃないか

大好きな作家の大好きなエッセイが2年前に「復刊」していたことを今更知った。
あ、いや、たぶん書店に並んでいるのは見ていた気がするのだけれど。
先日、移動中にとおった古書店で「あ。」と懐かしく手に取って移動中に読み終えた。
ああ、どの話もはっきり覚えてる、と、ページをめくった。
この本を語るに使い古されまくっているから言いたくないけれど
「時代をこえてもみずみずしい」「不朽」
まさにこれだったし、現代、現在だから、より響くものがある、みたいのも同意同感。
復刊し、あたらしく解説を書いていたのは、彼女に憧れて作家になったという町田そのこ。
書かれておられた解説へ寄せる愛や気持ちが「うん、うん、わしもそう思う」ばかり。
会ったこともない作家たちや、
会ってもいないけれど同じこの本を手にしたかつての時代の人と今の時代の人と共に、
「ねー!」とか「えー、わたしはそうは思わない」とか言いながらわいわいやってるような気分になった。
 
海外旅行のツアーに参加したら最年少で、
同じツアーのいけすかないオバ様に目を付けられ
何に付けても散々ネチネチ嫌味を言われて……
その後びっくりなオチと素敵な言葉の話。(『とてもすばらしかった旅行について』)
 
尊敬していた大学教授が
「どうして女は簡単に「わかる」と言うのか、この言葉を使うのか傲慢だ」というようなことを言った際に、皆、不満そうにざわめいたけれど、「私」は「わかる」と思ったこと。
(『一番とおい他人について』)
 
70年代、萩尾望都や池田理代子大島弓子などの少女漫画が好きで好きで、
好きな彼女らが好きな作家まで追っかけて読んで美意識を感じるなんてことをするくらい好きで、
だから「評論家」と名乗る人たちが彼女らを勝手な言葉で語り分析という名の犯し方をするのが鬱陶しくて憤慨で泣きそうになって……でも……(『やっぱり評論も読みたい』)
 
〝わかる〟
 
あ(笑)
 
引用したら勿体ない。でも、ここだけ、引用させてください。ごめん。
 
「私のなかにも、女への距離感を失わせる甘えと、無頓着さがある。
 距離感のなさは、いつ他人を自分の思いこみで断定し、決めつけ、相手を息苦しくさせるかわからない危うさをもっている。
(中略)
相手は、私ではない他人だから。私は彼女を女だからではなく、未知の他人だから知りたいと思うのだ、いつも。いろんなことを。」
 
『いっぱしの女』(氷室冴子・ちくま文庫)

わたしがエッセイを書きたいと思い書くようになったのは
彼女のエッセイが大好きで大好きすぎて影響を受けてきたから、
が、大袈裟ではなく、あると思う。改めて、思った。
 
というのは、以前にも、記事にしましたけれども。

 
ああ、読めて、よかったなあ、と思いながら、しみじみ。うれしかったなあ、でした、いろいろ。ふふふ。
 
 
 

彼女の小説、ほんと好きでした、ということも先の記事に書いたけれど。
 
『冴子の東京物語』というエッセイも、ほんと全部覚えています。
 
友達との長電話のこと、
原稿を鞄につめこんで舞台(宝塚歌劇)の追っかけをする猛烈な日々、
(ああ共感しかない!!笑)
知らない街の銭湯で知らない人たちのうっとおしくもすてきな交流、
ハードボイルドの主人公って格好いいし若い頃は「キャー付き合いたい」と思っていたけれど歳をとってみると「一緒に居るには面倒臭い男だな」って思うこと、
すごい小説を読むと「ひとり再演」したいしするところ……
ああ。わあ。わー!(笑)
 

最近軽めのnote記事続きだったり、更新できてなかったり、すみませんっ。
1日1noteが!(笑)
ぼちぼち! いろいろ!
ネタは常にめっちゃいっぱいです元気です、ヤバい、ふふふ。

◆◆◆
以下は、すこしだけ自己紹介 。よろしければお付き合い下さい。
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構成作家/ライター/コラム・エッセイスト
中村桃子(桃花舞台)と申します。
大衆芸能、
旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。

普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。

劇場が好き。人間に興味が尽きません。

舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。

某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリーに。

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