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英国菓子の故郷ベイクウェルを訪ねる旅
はるか昔、2004年。
母と一緒にダービーからベイクウェルへの旅に出た。
英国の郷土菓子をリサーチしていた私にとって、ベイクウェル・プディング発祥の地は、いつか行ってみたい場所だった。
渡英して3年足らず。私の英語はまだ片言。道中いろいろありましたが、二人で未知の文化、土地、食べ物に触れて楽しい旅になったと思う。
その後、ベイクウェルには3回ほど行ったが、最初に行った時ほどのインパントはなく、言葉が通じない知らない土地へ旅をするって面白いものだなぁと実感している。
では、ベイクウェルプディングを探す旅。
はじまりますー!
ベイクウェルといえば・・・。
ベイクウェルは、中部イングランド、自然豊かなピーク ディストリクトにある。
ここからチャッツワース・ハウスは車で15分ぐらい。
その頃の私は、お菓子のことしか考えていなかったので、チャッツワース・ハウスの存在さえ知らなかったが、その後「大注目のスポット」となり、2回訪れました。
2004年の旅は、ダービーからローカルバスで1時間半。山岳地帯の小さな村を経由してベイクウェルにいきました。(改めて調べてみたら、バクストンからバスで40分で行けるみたい。)
ひっそりとした山間部の町ですが、かわいい街並みで中心地にはお店がたくさん。観光地となっています。温泉保養地をして栄えたバクストンに近いので、訪れる人が多かったのかもしれません。
そして、英国の作家、ジェイン・オースティンは、「高慢と偏見」の執筆中にベイクウェルに(1811年)滞在したことが知られています。
ベイクウェルから車で15分のチャッツワース・ハウスは、作中に出てくるミスター・ダーシーの所有するペンバリー邸のモデルになった話は有名。
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ジェインがベイクウェルを訪れた当時、チャッツワース・ハウスの当主は、第5代デヴォンシャー公爵。その夫人であったジョージアナ・キャベンディッシュは、1806年に亡くなっていますが、ジェインがこの作品を執筆し始めた頃にはすでに社交界で有名な女性でした。キーラ・ナイトレイが主演の映画「ある公爵夫人の生涯」で、彼女を知る方もおおいのでは?ジェインは、当時も有名人であった公爵夫人のことをどう思っていたのでしょう?
私の中で興味のある、歴史に名を残す女性ふたりが同じ時代に、しかもチャッツワース・ハウスに関係があったのは、興味深いです。
お菓子の話に戻りましょう!
ベイクウェル・プディングの故郷を訪ねる
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このお菓子は、デザート(イギリスではプディング)といわれる部類のもので、メインコースの後に食べる。イギリス料理は、メインコースにパンが添えてあったり、ジャガイモ料理が多いが、日本料理と異なり炭水化物が少ないせいか、食事の最後に甘いものが食べたくなる。そんな時に登場するのが、プディングである。お菓子、デザート/プディングの概念についてはこの本で詳しく解説しています。
ベイクウェル・プディングは、ベイクウェルにあるラトランド・アームズ・ホテルでシェフの勘違いから偶然生まれたレシピといわれる。パイ生地の中に、ジャムを塗ってからアーモンド風味の卵液を流し込んで焼き上げる。とにかく甘い。どうしてこんなに甘いんだろう。
NHK「世界はほしいモノにあふれている」で郷土菓子研究社の林周作さんが、
燃えるように甘い。
と、表現していたが、まさにその通りである。
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ベイクウェルには、元祖ラトランド・アームズ・ホテルのレシピを受け継いでいるというお店が二つある。その一つはブルーマーズ。本格的なベーカリーという感じで、カウンターにお惣菜系のポークパイやソーセージロールが並びおいしそう!ベイクウェル・プディングも、もちろん売っている。2004年に行った時には向かい側にティールームがありました。が、現在はどうだろう。数年前に行ったときには、なかったような。
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もう一つは、こちらのお店。
どちらもベイクウェルの町の中にあって、ホテルからも近い。
ザ・オールド・オリジナル・ベイクウェル・プディングショップの方は、1階がショップ、二階がレストラン&ティールームになっている。林さんが番組で訪れたのは、こちらのレストランだ。
とにかく、本場ベイクウェルに行ったら、食べ比べてみて欲しい!
旅の思い出
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最初に確かめておきたかったのは、ベイクウェル・プディング発祥の地であるホテルがどこにあるのかだ。町はコンパクトにまとまっていて歩いて回れるのですぐに見つかった。目抜き通りからすぐ、坂の中腹にある。
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町は、ワイ川が流れるのんびりとした山岳地帯にある。ジョージ王朝時代に温泉保養地として再開発されたバクストンに近かったこともあって、観光地として注目されるようになった?
さらに、ベイクウェル・プディング発祥の地であったことが、観光地である大きな要因の一つでしょう。
ジェイン・オースティン「高慢と偏見」
ジェイン・オースティンは、1797年に「高慢と偏見」を執筆し始めますが、1811年にダービーシャーを訪れてラトランド・アームズ・ホテルに滞在しながら改稿したといわれています。このホテルは1804年に建てられ、ジェーンが滞在した当時にできたばかりの新しく快適な宿でした。
この滞在の間に、ピーク ディストリクトの美しい景色、ベイクウェルから5kmしか離れていないチェッツワース・ハウスが、物語の中に反映されたのでしょう。ベイクウェルの町自体も作品の中に「Lambton」村として登場しています。
(ヒロインの)エリザベス・ベネットは、夕食の前に村の宿に着替えに戻ってきました。外から馬車の音が聞こえたので窓から通りを見ると、ダーシー氏と彼の妹が馬車に乗って訪ねてきたのです。
窓の外からマットロック通りの見える部屋で、ジェインはインスピレーションを得て、物語を執筆したといわれています。
町の中を歩いてみました
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町中が石の建物。
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ローラアシュレイ風、花柄のお部屋。
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母娘二人旅。のんびり、観光しながらご飯を食べる。
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町のほとりを川が流れる。
2004年に初めて訪れた時にはお菓子のことしか気にしていませんでしたが、その後ジェーン・オースティンに目覚め、彼女にゆかりのある土地であることが分かってさらに興味をそそられる場所になりました。
ベイクウェルに行く機会があったら、ぜひチャッツワース・ハウスやバクストンにも足を運んでみてください。ピーク ディストリクトは、とっても素敵な場所でした。
参照
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