お祝い【創作短編小説】
煙草がない。
ベッドで漫画を読んでいた貴史はふと思い出した。明日仕事に持っていく飲み物もないのでリビングにいる母と妹にコンビニに行ってくると声をかけた。
「ちょっとコンビニ行ってくる」
「え、それならビーフジャーキー買ってきてよ」
妹がソファーで寝転びながら言ってくる。
「はぁ?自分で買えよ。」
「だって食べたいんだもん」
「えー、そんなに?確かに美味しいけども」
「食べたい食べたい食べたい食べたい」
「こえーよ!わかったよ、買ってこりゃいいんだろ!」
貴史は叫びながら玄関