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美容院恐怖症のわたしが。
2020年。
今年の漢字が「密」に決まり、流行語大賞は「3密」。
コロナコロナの1年だった。
マスク着用があたりまえになったことで
アフターコロナの新しい生活様式に変わったことで、わたしは生きやすくなった。
人混みではマスクが欠かせなかったわたしは、コロナ前の世界では、冬のインフルエンザ流行時・春の花粉症の時以外にマスクをすると世間から浮いていた。
社会が怖いわたしは、マスクというたった1枚のガードがあるだけでだいぶ肩の荷が降りる。そしてなにより、美容院に行きやすくなった。
本当にありがたい、コロナ様様です…
醜形恐怖症と生きて
“美容院恐怖症”のわたしは、とにかく美容院がこわい。何時間も鏡の前に座らされ、根掘り葉掘りプライベートをえぐられる時間が本当につらい。
そこに“醜形恐怖”が合わさると、美容院は拷問レベル。
鏡の前に何時間も座らされ、自分の顔とにらめっこ。
なぜかいつもより太ってうつるその鏡。
その鏡に写しだされる醜い顔。
そんなことが耐えられず、症状がひどい時には2年近く通えなかった。
市販のカラー剤を買って自宅で染め、口コミで評価の高いトリートメントを試した。
それでもプロの技術に敵うはずもなく、外に出ると髪の毛の傷みが太陽の光に反射され、より際立って見えた。
「外が怖い」にプラス、ただでさえ醜い容姿がさらにひどくなったことで外に出れないと泣いた。
美容院に行けない自分を憎んだ。
1ヶ月おきにカラーに行ける人たちが羨ましくて泣いた。
ふつうがむずかしい
髪の毛のことで外に出れないと泣くのがバカらしくなった私は、ない頭を絞り出し、【ウィッグ】という最善策を思いついた。
それから1年、わたしが外出する際の必需品となった。
でも、【ウィッグ】をつけることにより、頭の締め付けによる気持ち悪さ、泣きながら痛みを我慢したりと、当たり前だけど被らないに越したことはなかった。
わたしは、外に出るそんな「ふつうの生活」すらむずかしいんだと、自分を責めた。
アフターコロナの社会で…
コロナ禍の美容院はマスク必須。
醜い顔と何時間も向き合うことがなくなり、その当時では考えられなかった、2ヶ月に1度美容院に通うことができるようになった。
ウィッグをかぶるストレスから解放され、死んでいたキューティクルはプロの技術によって復活した。次はどんなカラーにしようかと、Instagramで検索するのが楽しくなった。
相変わらず、美容院は苦手で怖くて、行く前日から緊張で気持ち悪くなる。手が震えてしまう。
だけど、わたしは新しい生活様式に救われた。
「コロナで救われた」
大変な世の中で、こんな文章を書くのは不謹慎なのかもしれないけど、わたしは泣くことが一つ減った、その事実がとてつもなくうれしかったんだ 。