見出し画像

【二十四節気】(冬)大寒

大寒廿日
(1月20日~2月3日頃にかけて)

欸冬華 水澤腹堅 雞始乳

ふきのはなさく
さはみづこほりつめる
にはとりとやにつく

雞乳 征鳥厲疾 水澤腹堅

にはとりにうす
せいちやうはげしくとし
すゐたくはらかたし

にはとりかいこうむなるときも
征鳥はしだかはやく
さはこほり とづ

十二月の中、地中の陽氣 いよ/\ 老陰を追迫おひせまるゆゑ寒氣甚しく大寒といふ。

雞乳にはとりにうすとは、卵をうむ事也。雞はそん卦象くわしやうにてに属●す。木はにつくもの也。此時發陽の火にかんじて卵を生ず。

征鳥厲疾とは、征鳥せいちやうたかの事也。前にいふ如く金氣殺伐さつばつの鳥なれば、極寒ごくかんの氣に乗じ、殺気さつきさかんになりて諸鳥をとる事、厲疾はげしくはやきをいふ。

水澤腹堅とは、はらうらと同じ。水始て凝ときは、たゞ水の上のみ也。極寒に至ては水面のみならず水の裏もこほりて厚し。是を腹堅といへり。重陰ぢういんの極りなり。物極れば必ずおとろふ。やがて立春になりて東風とうふうに解る基なり。水澤すゐたくは澤さはの事也。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『永暦大雑書大成:万民重宝


農家年中行事 大寒

葡萄に肥をなすべし。● 種を一夜水に浸すべし。
麥、菜種に肥をすべし。
薪を伐り置くべし。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本区分農事暦:一名農家年中行事


小寒 蝋梅凝蜜
欸冬孕苞
薺生雪下

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二候新撰

※ 「欸冬」は、ふきのこと。ふきのとう。
※ 「薺」は、なずな。


名花画帖 大寒

大寒一候 款冬穿陂 ふき
大寒二候 獐耳善喩 すまはさう
大寒三候 迎春佳期 わうばい

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二侯名花画帖 下

※ 「すはまさう」は、キンポウゲ科の植物。洲浜草すはまそう
※ 「わうばい」は、黄梅おうばい


印存 大寒

鷄始乳 桑名鐵城
摯鳥厲疾 大西拜梅
水澤腹堅 近藤雪竹

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二候印存



参考:『日用便覧』『書翰文精義 上巻 訂3版』『古事類苑 第2冊』『広辞林 新訂版』『神通発秘:究天極地』『天文運機術:一名・天地人三道極意(四時気候)』『日本区分農事暦:一名農家年中行事』『万暦三世相:永代雑書』『気候案内記』(国立国会図書館デジタルコレクション)

● は解読できなかった文字、□ パソコンで表示できない文字を意味しています。新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖