ニューシネマパラダイス(監督:ジュゼッペ・トルナトーレ:1989年)【映画紹介が映画館で上映前に流されている。そしてクライマックスについて当たりがついてしまった】
自分が素で観て、唯一号泣した映画。
映画観て泣くなんて、空前絶後の経験でしたな。
まあ、ちょっと泣きそうになることはあっても、
少し距離を取れば、コントロールできる程度ではあるんだけど、
こいつだけは、まったく感情のコントロールが効かなかったんだ。
他の人はそうでもなかったみたいだけど。
前世の記憶のせいかな?
***
主人公はイタリアの貧しい村で子ども時代を過ごしました。
その村には、映画館があって、
その映画館の管理人の爺さんに、こっそり映画を見せてもらっていた。
お手伝いをする代わりにね。
従業員ならただ見できる。
しかし、主人公は何せ子どもだから、
周りの大人たちの問題が、波のように押し寄せてくる。
子ども同士の問題だって押し寄せてくる。
そんなとき、辛いときも、映画を観ればなんとかなった。
悲しいときも、辛いときも、喜びのときも、
期待に胸を膨らませたときも、
人生に失望して世界を憎んだときも、
いつだって映画はそこにあった。
いつも観ていた。
ある日、爺さんはいった。
ずっと昔、塔の上にお姫様が住んでいた。
ある騎士がそこを訪れ、求愛した。
お姫様は、
「100日間そこで待てたら、求めに応じましょう」
と言った。
騎士は雨の日も風の日も、そこで待ち続けた。
そして99日目の夜に、
何も言わずにその場を去った。
少年にはわからなかった。
映画館はいつしか、火事にあって消失してしまう。
やがて大人になって出世して有名人になった。
金持ちになった。
だがスキャンダルで大きな挫折をしたのだ。
いる場所がなくなって、彼は村に戻ってきたのだ。
(なんか現代ニュースをほうふつとさせるな)
そこで、なんとあの映画館が再建されている。
もちろん爺さんはいない。
彼はそこで、昔の映画を観た・・・
*****
あらすじをネタバレしてしまいました。
大丈夫だろうとは思うけど。
昔の映画には、昔の世界が映っています。
あの時のまま。
まだ誰かがいなくなる前の世界、
まだ両親が若かったころ、
まだ世界に色がつく前の、
辛くて、切なくて、悲しくて、嬉しくて、
若くて愚かで、何も知らなくて、
何かに失望もしていなかった、
あの時の感情も夢や希望も、
はなかい愛も望みも、
すべてがフラッシュバックして、
一瞬のうちに、
ここに戻って来る。
おかしいな?
なんで泣いてるんだろ?
泣くようなことなんて、何もないのに?
泣いてるんだよな?
何もかも新鮮なままで、
まるで時が経っていないかのように。
本当に大切なものは、まだそこにある。
振り返ればすぐに。
なんで泣いてしまったのか、今でもまだわからない。
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